Technological audio Works. 情報局

BMS制作時の裏話とか載せるブログ。

タグ:BMS

 こんばんは。TaWでございます。GWに突入し、ここまでたまっていた疲れが一気に出て早くも1日ごろごろして消費してしまいました…。現実はそううまくはいかないですね。

 さて、おかげさまでM3も無事終了し、昨年から関わっていたBOFのチーム及びそれに関連するあれこれが全部片付いたので、3ヶ月くらい前から書く書く詐欺していたBOF:TT参加楽曲『Self』の裏話記事を今回書き連ねていこうと思います。

 どんな曲だったっけ?という方はこちらをご覧いただきながらこの先を読み進めていただければ幸いです。





Ⅰ. 構想編
 そもそもの発端は一昨年(2023年)の秋M3まで遡ります。

 「突然ですが、誕生日同じ3人でチームを組みませんか?」

 秋M3前のある日、大前 司さんからDMが届きました。話を聞いてみると、誕生日が同じ(11月28日生まれ)BMS作家を集めてチームを結成することを画策しているようで、他にkooridoriさんを誘っているとのことでした。
 正直驚くと同時に悩みました。大前さんといえば大作BMS・『Song』の作者でまさに波に乗っている真っ最中の超大物ルーキー(当時)作家。kooridoriさんも無名戦同期でありながら着実に実力を伸ばし、Diverse Systemの公募に受かる、スマホ音ゲーに曲が入るとこちらもまさに今一番熱い同人コンポーザーの1人。そんな2人と組める機会はそうそうないので参加したい半面、自分のようなノリと勢いとマイブームでBMS(というか作曲)やってる人間が組んでお二人の足を引っ張らないか心配になり、返事を渋っていたところ「さっさと決めろ!!!(意訳)」と秋M3でkooridoriさん介して大前さんから催促されたため「どうせやるならやって後悔したほうがいい(こういう時のテンプレ)」ということでチームへの参加を決めました。実際この後私は2人の足を盛大に引っ張ることになるのですが、それはまた置いといて。

 で、いざ参加して何をやるか、という段階になったときに「誕生日」というテーマで自分が当初思い至ったのがBMS作家としてのデビュー作である『Vessel』の続編をやる、ということでした。BMS作家としてのデビュー作=BMS作家として誕生した時の作品→それのセルフオマージュをやることでどうにか誕生日にこじつけられないか、と考えて少しずつアイディアを出していく…予定でした。

 しかし、このタイミングで私に3ヶ月くらいまともに曲が書けなくなる、という致命的アクシデントが発生します。というのも、前年のチーム「ATTACK MODE」及びそこで出したBMS『RiZiNG ATTACK』、もっと言えば2023年のBMSイベントで出した楽曲全般で自分のやりたかったことを完全に出し切ってしまっており(悪い意味で「満足してしまっていた」状態)、次の目標ややりたいことが完全になくなってしまっていました。要はただのネタ切れです。
 そんな中で苦し紛れにひねり出したBMS『露草の在る風景』(from BMSで花便り)は微妙な評価に終わり、イベント順位に至っては実質最下位。これで完全にメンタルをやられ、直後に控えていたM3の新譜リミキサー合作の相方にモチベをもらってどうにかある程度の余裕を残して間に合ったものの同時期に制作していたチーム合作『Birth』のTaW担当部分は惨憺たる有様に…。あの状態のものを編曲していただいた大前さんには感謝しかありません。


 そんな中を抜け、改めて自分のやりたいことは何か?と自らに問いかけてみて、ふと「そういえば自分はDigital J-Popが好きだけど聴く専で作ったことないな、もっと言えば『聴く専』という都合のいい理由で作ることから逃げていないか?」と思いました。
 しかし、本来制作に使えるはずであった期間を4か月近くも無駄にしてしまっており、すでにチームメイトのkooridoriさんは楽曲の全体が形になってきている状況。大前さんもBGA担当者と話をしているという状況で方向性を大幅に変えて全く新しいことにチャレンジするのはさすがにリスクがでかすぎないか?と心配になり、相談してみたところ、
「やるなら僕たちは全力でサポートしますよ。TaWさんはもっと人を頼ったほうがいい(要約)」
と返答があったため、じゃあやらないで後悔するよりは(ryということで方向をDigital J-Popに確定。
 当初の予定よりも4ヶ月遅れで制作がスタートすることになったのでした。



Ⅱ. 制作編
 そうして楽曲制作に入り、自分はまずDigital J-Popのコード進行ややりたいイメージを固めるところからスタートしました。
 コード進行については有難いことにnoteに解説記事があり、それを参考にしながら組みました。サビで転調するのはオタクが喜ぶし自分も大好きなので絶対入れよう、ということで最初から採用。その後、基本の進行をあーでもないこーでもないとパズルのように組み合わせていきました。
 曲調としては'90sのアニメソングやポップスによくある「近未来的で哀愁のあるイメージ」を投影し、ベルやパッドにそれっぽさを含ませながらBMS化したときに上位難易度も作れるようにアルペジオもたくさん入れて(具体的に人名を出すとDaisuke Asakuraさんや矢鴇つかささんの曲を参考にしました)音ゲー面と雰囲気面の両立を意識してアレンジしていきました。
 そして出来上がった進行とメロディを大前さんに見てもらいながら再度編曲し、大まかな肉付けをしたところで作詞担当のお二方を呼んで歌詞の世界観や方向性を話し合いました。

 急にチームテーマの話に戻ってしまいますが、「誕生日」というテーマを再度考えた時、「誕生日」というのは「自分」が生まれた日なので(当然)、今回制作にあたって自分の音楽を改めて見つめなおしたことも相まって「自分らしさとは何か」みたいなテーマで作るのはどうだろう、そして、「自分」を英訳すると"myself"→もっと攻めて"self"→「セルフ」といえばバカゲーユニークゲーム扱いされてるRPGのアイテムを自分に対して使うコマンド(別名自殺コマンド)、TaWがこんなタイミングで慣れないことをするのは自殺行為に等しいけれど、そんな下馬評ひっくり返してやるよォ!!
───そんなことを考えて、その旨を大体そっくりそのまま千代さん&Mimiさんにお伝えし、作詞をお願いしました。こうやって文章化するとなんか恥ずかしいですね。
 ちなみに完全な余談ですが、BOF:TTのイベントサイトの導入をよく見ると件のRPGが元ネタになっている部分があります。
つるぎを装備しようとつかう>セルフしたら普通に自分に刺して死のうが
 タイミング的においしいのでニヤリとしました。
 歌詞をよく見てみるとそれっぽいモチーフが所々に入っています。流石に剣を装備しようとして自滅したり炎の中にホップ!ステップ!ジャンプ!かーるいす!したりはしませんが(100%ないですがそんなの入れようとしてきたらさすがに止める)

 その後、歌詞が上がってきてヴォーカル収録を行い、ヴォーカルを入れた状態で再度編曲、ミックス…というタイミングで大前さん&kooridoriさんにアドバイスを頂き、本戦開幕までそう遠くないタイミングまで微調整を続けました。結果譜面作家さんの負担が増えたわけですが…この度は本当にご協力ありがとうございました&お手数をおかけしてしまい申し訳ありませんでした。

 ドラムのミキシングやギターの左右バランス、サビの時の音の密度はかなり指摘が入ったため大幅に手直ししています。具体的に言うと本来一番盛り上がるべき部分であるサビの音がいくら音を抜き差ししても良い感じに大きくならず、そこの調整だけでもかなりの数のやり取りをチームメイトと行いました。結果、トラック数を可能な限り…というよりもプロジェクトが当時使ってた低スペックPC(CPUがintel COREi3とかいうシロモノ)でまともに再生できるか怪しくなるレベルまで増やしたため、最後のほうは毎回2mix音源を書き出してミックスバランスを確認していました。こいつのDTM環境貧弱すぎだろ…
 ヴォーカルの処理については言わずもがな。こちらも細かい音量調整が2週間くらいかかりました。
 あと「ミキシングするうえで流石にオーディオインターフェースないのはまずいので買いましょう」と割と強めに言われたのでこのタイミングでVolt1を導入しました。以降DTMではVolt1を使っていますが…やっぱり違いますね。もうオンボード音源には戻れません。

 イベント開催目前で私がコロナにかかるというデカめのアクシデントがあったものの、どうにか全譜面・映像ともに開幕前に出そろい(譜面作家のお三方&映像担当のテキスト見木さんに圧倒的感謝…!!)、開幕当日に初手登録を狙える…筈だったのですが、イベントページでの項目入力に失敗し結局スタートダッシュには出遅れてしまいました。前年はNo.05とか取れてたのにね。現実は非情。



Ⅲ. 反省編
 こうしてイベントにどうにか間に合い、インプレ期間を駆け抜けて、結果は皆さんの知るところになったわけですが…。
 個人的には悔しさと達成感の両方があります。

 前者としては個人順位がギリギリ100位以内に届かなかったことです。前年のRiZiNG ATTACKは運にも味方されたし方向性としても得意寄りだったためかなりの高順位を取れましたが(それでもTECHNO-LOGICで出した自己記録は抜けていない)、今回は何せ相手相手なので流石に上位10%入りは厳しそう、せめて最悪でも100位以内は…と考えていたところでこうなったのでだいぶ悔しいです。
 ただ、彼らがいなかったとしても順位が2~4個上がるだけなので、どちらにせよ日進月歩を続けるライバルたちと肩を並べるには今一つ自分の力不足が目立ってしまった…そんな結果になりました。

 
 で、ここから先はただの自分のお気持ち表明なので適当に流していただいて結構なのですが、結果発表時、Selfはギリギリ100位以内に入れていました。ところが、インプレ精査で不正インプレが間引かれた結果、こうなりました。ただ、こうなったことについて私は運営を一切恨んでいませんし、結果に対しての不服はありません。言いたいことがあるとすれば、そんな突っぱねられるようなインプレを投下したインプレイヤーに対してです。たとえエアプで評価されたとて自分は1ミリもうれしくないです。1譜面でもいいからちゃんとプレーして、それができないならインプレをしないでください。本当に何事にも言えるのですが、イベントに参加する以上ルールは守ってください。破ったところで誰も得をしないので。マ ジ で 。
 長いので一行で→インプレ時のルールは守りましょう。お兄さんとのお約束だよ。


 後者としては、新たな方向に挑戦し、今までやってこなかったことをやってみたり、有識者に実際に聴いてもらってリアルタイムでアドバイスやフィードバックを貰ったことで確実に成長できたことです。実際、TaWはヴォーカルものをやらない(というか作れない)と今まで公言(して逃げて)きたため、今回の挑戦については当然突っ込みは少なからず入ったものの、やろうとしていることについては全体的に好意的に見られている印象でした。
 今回ヴォーカルもの、しかもかねてからやりたかったDigital J-Popに挑戦し、ヴォーカルのミキシングやギターの打ち込み、帯域の処理方法やリバーブのかけ方等を我流ではなく改めて有識者から学べたので、このチームに参加して、この作品を出せてよかったと私は思っています。
 また、作詞に関しても実際に作詞をされている方とやり取りし、その過程に携われたため、良い経験になり、次は自ら作詞も手掛けたいと思いました(この部分は後に新譜の制作で実現することになります)
 今後の課題はやはりミキシングですね。どこを聞かせたいのか、とかどの辺が耳障りなのか、といったことについても改めて分析することができたので、今後も精進していきたいと思います…と思っていたところでそういった処理を大幅に省力化できるプラグイン「Soothe2」がセールになっていたので買っちゃいました。とは言え、これも万能ではないのでPro-Q3(4は未所持です…)をさらに使いこなせるよう努力を怠らないようにします。

 そのあたりを踏まえ、先日のM3で頒布した新譜『Self』に収録したlong版を制作しました。こちらも(というよりもアルバム全体が)紆余曲折あって完成したのですが…記事が長くなりすぎるしBOFの話からは脱線するので今回の記事では扱いません。
 次回の更新をお待ちください…!



 ここまで読んでくださった皆様ありがとうございました。

 はい、皆様ご機嫌如何でしょうか。TaWでございます。先ほど最近年末の風物詩と化しているRTA in Japanが終了し、いよいよ年末を強く感じています…年変わるまであと6時間ちょいしかないってマジ?

  さて、今年もおかげさまで8作品(厳密には1つ昨年からのストックがあるため7作品)のBMSを世に出すことができました。そこで、昨年・一昨年に引き続き1年間のBMSを振り返っていこうと思います。例年執筆が長引いて書き終えるころには年明けまであと10分とかになっているため、今年はRTA…とまではいきませんがサクッと振り返っていく感じにしようと思います。

 
 昨年はこちら
 一昨年はこちら


 相変わらず需要が謎(現に当ブログの記事の閲覧数トップは弐寺の段位所感らしいです。これもこれで需要が謎な記事ですが何故???)ですが、これを書かないとなんか締まらないので暇な方はお付き合いいただけたら幸いです。



①露草の在る風景(from BMSで花便り)


 いきなりあまり言及したくないのが出てきましたがチャチャっといきましょう。
 個人的に好きな花の1つであるツユクサをテーマにしたピアノ曲。インプレで盛大にお叱りを受けましたが、これのどこがNew Ageだと当時の自分は思っていたんでしょうね…。
 制作背景としてこの時かなりのスランプ気味(そしてそれは今年年末まで続くのであった…)で、ピアノオンリーなら手間も少なくある程度は形になるんでね?という甘すぎる見通しの下1週間くらいで制作した記憶があります。
 皆さん、この作品のことは嫌いになってもツユクサのことは嫌いにならないでね。一見地味ながらも美しい花なので…。


②s4fe h0us3 (BMS Edit.) (from FREE BATTLE)


 春M3 2024にて頒布したDarknoid名義のEP『Project Arcadia -プロジェクト・アルカディア-』の書下ろし曲をゲームサイズにカットしてBMS化。ちょうどイベント開始当日が大阪のBMSやる会開催日だったためイベント登録後ほぼ最速でのお披露目となりました。
 りょくちゃくんさんによる近未来的ながらどこか閉塞感のあるディストピアを表現したようなメロディにレトロフューチャーなアレンジを施し、作者2人の色が出た作品になったと思います。BMS化の際にサビのミックスを盛大にミスってるのでそこを手直しした音源をそう遠くないうちに公開したいですね…。


③Heat Up The Floor !! (from 偽名BMS作家異世界転生バトル!)


 本名義を隠した状態で作品を競い合うイベント「偽名BMS作家異世界転生バトル!」より。過去記事に裏話とか所感は書いたので詳細はそちらをご覧ください。
 個性を隠しつつもクオリティを維持した作品を作る、ということがどれだけ難しいかを実感した作品です。現にメロ運びと音源で某氏には秒でバレたらしいですし…。ただ、かねてから作ってみたかったHandz Upというジャンルに手を出せたので個人的には割とよかったと思っています。
 大井こすもさん、どうやら生還はしたようですが彼女が今後現れることはあるのでしょうか…?あとFAを描いてもらえるとTaWが喜ぶみたいです。


④Metallic Red (from Morphpack)


 これも過去記事に詳細を書いたのでそちらをご覧いただければ幸いです。
 Morphpackを落としていない諸氏は今すぐDLしましょう。morph先生によるハイクオリティなイラストとTaW含め18人のBMS作家による己の「好き」がこれでもかとばかりに詰め込まれたディープなパッケージです。


⑤Zer0: EX (from 東方音弾遊戯REVIVED)


 原曲は『Magic Shop of Raspberry』。韓国製の某踏みゲーに入っている某曲の原曲といえば通じる人には通じるでしょうか。
 件の曲を初めて聞いたときに「めっちゃメロいいな…」と思い、東方アレンジと知ったため「じゃあ自分もその原曲でアレンジを作ってみたい…!」と思ったのが昨年のこと。音弾遊戯開催で目標を実現できました。もう原曲の時点で好きな曲(まあ入ったのはアレンジのほうが先なので原曲にめっちゃ思い入れがあるみたいに書くと語弊がありますが)なので作っていてとても楽しかった作品です。

 余談ですがこの曲、なんと大手難易度表であるNEW GENERATIONに収録されています。さらにLUNATIC譜面がこれまた大手難易度表であるSatelliteにいつの間にか入っていました。どちらも提案してくださった方に感謝です…。腕に自信のある方はプレーしてみましょう。


⑥bolt from the abyss (from 東邦音弾遊戯REVIVED)


 急遽もう1つ作りたくなったので盆休み中に旅先で作りました。エレクトロショック、もっと流行れ…!
 あと衣玖さんかわいい。


⑦Self (from BOF:TT)


 漸くヴォーカル曲にチャレンジしました。厳密には初ではないのですが、BMS作品で完全新録のヴォーカルで作品を作るのは今回が初です。ヴォーカルを快諾してくださったMimi_Kosagiさんにこの場で改めて感謝申し上げます。
 いろいろと裏話や完成までの苦悩等があるのですが、全て触れるとここだけで3000文字とか突破しそうな上に書いているうちに年を越してしまいそうなので詳細はまた後日別記事に書きます。それまでもうちょっと待っててね。

 BOFの結果自体はあまり振るわず、同期や後輩が今年一気に伸びたり商業作曲家相手に検討しているところを見て己の無力さに打ちひしがれた部分も多々ありましたが、この作品を作るにあたってチームメイトから受けたアドバイスでかなり成長できたので、この勢いをうまいことつないで行けたらなと思っています。


⑧Shinbashi_Seaside_Blue (from choice of your colors collective)


 「新橋色という色があるらしい…?」
 すべてはここから始まった。
 絵師/デザイナーをしている某知り合いの方がひょんなことから送ってきた色見本のリンクを見てみた時に偶然この色を見つけてしまい、ちょうど色イベントの話もあるしいずれこれテーマで作品を作ってみたい…と思ったので作りました。
 かなり難産だった曲で曲の大体の形が出来上がるまで2ヶ月くらいかかっています(半分くらいはTaWのDTMモチベが落ちていたことも影響してそうですけど)。最終的にほぼ完徹して仕上げました。因みに提出した足で音クラに行ってノリノリで踊った結果フラフラになりました。でも楽しかったので俺の勝ちです。 いったい誰と戦ってたんだこいつ



 今年は年始からスランプ気味でイベントでのスコアも伸び悩み、課題がかなり残ってしまった1年と感じていますが、一方で昨年末から今年にかけて界隈デビューされた作家さんたちが目覚ましい活躍を見せており、同期も頑張っているため自分もそれに負けないように来年も活動していきたい次第です。
 改めて、今年1年ありがとうございました。
 来年もBMS作家TaW、および弊サークルTechnological audio Works.をよろしくお願いいたします。

 皆様こんばんは。TaWでございます。最近は地震やら台風やらで大変ですね。おかげで私の盆休みの予定が半分破壊されそうです。おのれ台風

 さて、先月より開催されていたBMSイベント・「偽名BMS作家異世界転生バトル!(以下偽名戦)」が昨日無事閉幕しました。現在結果集計中とのことで、最終結果が出るのは恐らく今週末辺りなんじゃないかなと思われますが、現時点での補正なしのスコアでは『音碧のマギア・オムニア』がトップのようです。一先ずおめでとうございます。

 こんな記事を書いているという時点で(というよりもこの記事を読んでる人の9割は)お気づきかと思いますが、私TaWもこのイベントに参戦しておりました。本記事では私の作品『Heat Up the Floor !!』の制作にあたっての裏話や反省点などを書き連ねていきます。
※長いです。暇な時に読むことを強くお勧めします。あと今回自虐ネタがそこそこ多いのでそういうのが苦手な方はブラウザバック推奨。









1. ~2024年7月

 偽名戦の企画が本格的に動き出し、参戦表明をしたのが昨年の春。直前のBOFで私は偽名をあっさり割られており(ただ半分ツッコミ待ちみたいな隠し方だったのでそれはそうという感じ)、偽名戦に参戦する上でいかに正体を割られないか(=どんな方針で作品を作るか、いつもと異なる作風でやりたいことはあるか)ということを改めて考えてみることにしました。
 以下、私の作品の構想の変遷を書いていきます。二転三転しているあたりが後にグダグダになるのを暗示してるような気がする。

没案(長いので折り畳み)
  • その1:しらいしさんリスペクト
 ギリギリまでこれをやろうと思っていました。しらいしさんのClassical Tranceシリーズのようないかにも壮大なボス曲!という感じの作風を自分もやってみたかったので…。
 実はそこそこ長いスケールで作品の構想を練っており、
Bた作'24、もしくは花便りでしらいしさんリスペクトを行う名義で作品を出す
②その上で偽名戦に当該名義で参戦する
ということを考えていたのですが…実際はどうなったかというと
①…Darknoid名義のEP制作で手いっぱいになり、作品を作り込めずあえなく立ち消え
  なんなら花便りに本人が出ていて作戦として使えなくなった
②…そもそも偽名戦にしらいしさんが参戦表明をしていない、花便りに本人が出ていた、そもそもしらいしさんと最近やり取りしている人間が自分しかいないため、メタ読みされたら即詰む危険性あり
こういうわけであえなく断念しました。

  • その2:明るいハッピーハードコア
 しらいしさんリスペクトとほぼ同時期にスペアの案として練り始めました。具体的には本家の某中原さんみたいな方向性で声ネタをガンガン入れたドハッピーな感じで、なんならサンプルを多用するので(いろいろな意味で)音源の個性が消えるため、メタ読み対策になるのでは…?と考え、しらいしさんリスペクトを断念すると同時にこの方面で動き始めることに。
 しかし、このタイミングで「どうせならもうちょっと攻めたこともやってみたいな…」という考えが生まれ、何を血迷ったのかこの案を放置して後述の3つ目の構想に力を入れ始め、この案は自然消滅しました。
 …今思うとこれが最終稿の原型になっていた気もします。

  • その3:自分でナイトコア作る
 ハピコアを作るうえで某中原さんの曲を聴いていてふと考えた案。実際某本家のRESIDENTでジャンルにNIGHTCOREを冠した曲を本人が作っており、制作過程についても言及しているので、それを踏襲して
①明るめなユーロダンス、ハンズアップ辺りを作って原型にする
②BPMを180くらいに上げ、さらにピッチも上げる
③音切りしてBMS化
みたいなのを考えていました。そして使用するヴォーカル素材を決めたあたりで事もあろうに同じヴォーカル素材が無名戦&A-1のとある曲に使われていることが発覚spliceは使い勝手いいからね、しょうがないね。
 当該作品の作者さんには1ミリも罪はありませんが、流石に素材被りはくどいよな…と思い、計画は白紙に戻りました。


  • その4:妥協案:ハンズアップを作る(※最終稿
 そんなこんな二転三転しているうちに開催期間まで残り2週間となってしまい、さらにリアルの仕事が炎上してまともにタスクが進められなくなるという事態が発生。一時は出場断念も考えました(実際に主催に「出れなくなかったらごめんなさい(要約)」というDMを送ってます)。
 そんな中でふと「…そういえば自分まだハンズアップって作ったことなかったな…」と思い、第三案のためにハンズアップを作る準備はしているのだから、これをうまく流用できないか?ということでやってみることに。それから数日中は作業用BGMがずっとハンズアップやユーロダンス系統でした。そんなの流すから集中できなくて仕事が遅れるんだよ!
 結果、一応形にすることに成功したのでそこから数日で突貫工事で曲を完成させ、有給と土日返上で譜面を作って会場にシュゥゥゥーッ!!超!!エキサイティン!!バトルドームは(ry登録しました。

 こうして見てみると我ながら酷いですね。

 最終稿に関しては、ハンズアップというジャンルにおいてサビの構成が同じフレーズを基本に繰り返しながら徐々に盛り上がっていくという展開をするという点が私の手癖得意とする作風に通じるところがあると思ったため採用した、という側面も少なからずあります。
 曲の構成は言うまでもなく本家の某有名ハンズアップを参考にしました。後半サビ前に怒涛の縦連打が入っているあたりで気付いた方も多いのではないでしょうか。ハンズアップやる上であの配置はどうしても入れたかったので…。

 また、譜面制作において、今回は攪乱目的も兼ねてDP譜面の作成にもチャレンジしました。実は一昨年辺りにもチャレンジしているのですが、如何せん当の本人がDPをやらないため無茶配置珍妙配置のオンパレードで、さらにA-1 10th以降は外注で専門家に依頼することがデフォルトになっていたため、セオリーを知ったうえで自力でDPを制作するのは実質初めてでした。
 前回DPを作ってから今に至るまでの間に実際にDPをやるようにはならなかったものの、DPの知識がある知り合いが何名かできてその面々と話す中で本家に搭載されている独特なDP譜面*の存在を知ったため、逆説的にやってはいけないバリエーションを覚えたので以前と比べるとかなりまともな出来になったと思います。実際は致命的な配置が数か所あったみたいですが…(後述)。

 因みにクラブミュージックとしてのハンズアップは
イントロ→ヴォーカルの入り→ビルド→ドロップ→ヴォーカルパート→ビルド→ドロップ→アウトロ
 という構成で展開しているようで、さらに最後のドロップ部分は派手な変化を入れる(例:キックが歪む、転調する、三連符になる、別ジャンルのアプローチを行う等)という傾向にあるとか。後述するインプレで「最後三連符になって驚いた」というのが散見されましたが、一応ちゃんとあの展開に関して根拠はあります。なんなら既存のBMSでも三連符展開のものはありますし。
(※こちらの記事を制作時に参考にさせていただきました。)
 流石にこの制作期間で新たにヴォーカル素材をいじる時間はありませんでした…。


 そしてリアル業務で無茶ぶりを食らった直後にも拘らずBMSの方でも3日間ほぼ寝ずにデスマを行った結果、TaWの肉体と精神は焼き切れ、その次の週に大変なことになったのはまた別のお話──。




2. 開催期間中
 
 こうして無事作品は完成、あとは登録するだけ、でも本名義をうっかりおチラしないように慎重に…と偽名用サーバに作品をアップロードしたところで緊急事態が発生。偽名戦用の作品格納フォルダはネタバレが発生しないよう外部から閲覧できない設定になっていたのですが、あろうことか用意されたフォルダの外に作品を誤ってアップロードしてしまうというミスを犯し、開始早々猫缶サーバーさんに泣きつくという失態を演じました。情けなさ過ぎる…。
 さらに登録情報欄にいつもの癖でサイトのURL欄に自サイトのURLを入れてしまい(当該項目はマスクデータだと思っていた)、作品一斉公開後にそのことに気づき急遽修正。詳細欄のURL欄にマウスオーバーして自サイトのURLが見えた時は背筋が凍り、直前のとある方の配信で正体を秒で当てられていた可能性が高かったのも相まって「あ、俺終わったわ(諦めと脱力感)(妙にさわやかな笑顔)」ともう半分開き直っていました。
 そして先述のとおりリアルで精神をぶっ壊していたTaWはこれで止めを刺され、開催期間中殆ど会場や交流鯖を直視できないままクライマックスを迎えたのでした…。

 そして最終日目前でどうにかやる気を取り戻し全作品をどうにかやりきり、インプレも書いて投下しようとしたところでよせばいいのに「インプレでもいい感じにロールプレイしてみようかな」とかここまで読んできた人からすれば死亡フラグにしか見えないことを思いつき、そのスタイルでインプレを決行。
 え?結末ですか?途中でネタが切れたので演じるキャラを変えたらオートフィル回避で失敗し支離滅裂なインプレを投下するというオチが待っていました


ざんねん!! TaWの ぎめいせんは ここで おわってしまった!!


…いや、そこは続けろよと実際後日突っ込まれたんですが、ロールプレイでガバをやらかしたときにそれをすぐに笑いに昇華できるような某VTuberのようなギャグセンスや強い心をTaWは持っていないので…。




3. 偽名当てあれこれ

 とまあこんな有様だったので丁寧な推理も行えないまま偽名当てを行ったのですが、偽名当ての裏話に入る前にTaWの偽名についてちょっとした小ネタ解説をしようと思います。

 「大井こすも」という名前はTaWが自分の名義に漢字を当て字する時に専ら使っている「多宇」から取っています。
・大井→「多」い
・こすも→コスモ→小「宇」宙
 つまりTaWのエイプリルフールネタを認識してる人にはバレバレな名前でした。因みにこのヒントで解いた人っていたのだろうか…?
 そしてせっかくなのでこの名前からキャラクター設定とかを考えてそれに則ったロールプレイをしていたのですが、長いうえに見たところで誰も得しないし下手すると拒絶反応で吐き気を催しそうな話なので共感性羞恥に耐えられる人だけ読んでください。
閲覧注意 ・18歳
・趣味はゲームとクラブミュージックを聴くこと、ゲーセン帰りにNLBプロからスカウトされたらしい
・黒髪だけどほぼ黒な濃い青に髪を染めてる
・アイドルということで元気に振る舞ってるけど本人の性格は引っ込み思案寄り、寧ろ陰キャ
・EDMが好きと言ってるけど実際はテクノとか硬派な曲が好き
・やたらとしっかり者の妹(すてら)がいる 妹に頭が上がらない
・最後のインプレは異世界に行ってしまい行方不明になっていたところで妹のスマホにメールとして届き、それを妹が代理で投稿しているという設定


 偽名当てについては上述のとおり時間が殆どなかったので殆ど順張りです。結果的中できたのは5人、しかもインプレ時のトラブルに伴い有効票を投じられたのは2人だけなので実質的中者2人です。
 TaWの最終予想リストはこんな感じでした。
(※空欄はわからなかったので予想作者名空欄でインプレする予定でした。例のやらかしで結局投下すらできてないけど
yosou


予想の根拠(長いので格納)
  • No.2 Ale - アレッタ
(予想作者名)Kalse
(正解作者名)nonomori
(根拠)Arcaea収録曲であるThe Message - Jun Kurodaのリスペクト的作品のイメージがあり、Arcaeaやってそうな人、ということで。

  • No.3 Cosy Comfy Clumsy - Ichigo Kawai & Choco Kawai
(予想作者名)0310
(正解作者名)0310
(根拠)勘。

  • No.4 anti-particle - DiproL
(予想作者名)paraneumann
(正解作者名)otoshi.b
(根拠)作風的にありそうなので。

  • No.5 Anytime - ちすと
(予想作者名)世界の花
(正解作者名)ohon
(根拠)勘。

  • No.6 Berry Profess Ur - Plugin Regulation
(予想作者名)CirCy
(正解作者名)空読無 白眼
(根拠)音源が氏のいつも使っているもの(KORG Gadget)に近いように感じたので。

  • No.7 Magnificent of Life - Your Self feat.なめ子
(予想作者名)lixound feat. 薛南
(正解作者名)uet feat.佐倉アヤキ
(根拠)xのポストから。見事にミスリードだったけど。

  • No.8 Breathtaking Love - DJ Ruatha
(予想作者名)えするーと
(正解作者名)Kanata. S
(根拠)音の雰囲気。

  • No.9 DEUS EX MAKINA - デウス=エクス=真希奈
(予想作者名)くるやのぶ
(正解作者名)MiKaDo
(根拠)音の雰囲気。ただし氏が順張りで来る可能性は除外していたため、正解する気はほぼ0だった。

  • No.10 Achromatic - 白椛
(予想作者名)DJ JUNOU
(正解作者名)きこにゃん
(根拠)BGAが'00s Tranceっぽく、氏の作風に通じるものを感じたため。

  • No.11 ユメクイ - ゆめゆめ feat. 甘暦
(予想作者名)大前司 feat. 薛南
(正解作者名)ルゼ feat. 小宮真央
(根拠)かなりアバンギャルドな作風なので、画期的なことをやりそうな人で。

  • No.12 C.D. - old young boy
(予想作者名)空読無 白眼
(正解作者名)KTBK
(根拠)連番BGA、硬派な作風

  • No.13 草原と一件の小屋(心象) - Depressive-Maniac.
(予想作者名)LiGaYb
(正解作者名)crossworld
(根拠)勘。

  • No.15 Another Me - Sinfonia
(予想作者名)潮音きつね
(正解作者名)世界の花
(根拠)硬派かつクラブユースな作品を作る人。

  • No.16 Reengrave - oVidfinale
(予想作者名)otoshi.b
(正解作者名)Ryu0316 a.k.a. 竜。
(根拠)譜面にギミックを用いることがある人で、かつGdbG関係者→09~'13辺りのvoid氏活動時期の作品に思い入れありそう

  • No.17 FTR.WAV - Shiitake
(予想作者名)nekomimi_STRaw
(正解作者名)LiGaYb
(根拠)LNに強いこだわりを持つ人。

  • No.19 Starry Canyon - nano"C"quencer
(予想作者名)t-soach
(正解作者名)oratoruk
(根拠)音の雰囲気。

  • No.20 ULTRA LOVE PULSE - スーパー(21)(21)ハンターズ
(予想作者名)KTBK
(正解作者名)idzuchi
(根拠)アングラ寄りの作風の人。

  • No.22 y-Aria - ridia
(予想作者名)hugepulse
(正解作者名)鈎兎(KagiUsagi)
(根拠)知的な雰囲気の構成、および音作りができる人。

  • No.24 Kokyutos-118 - Prof.Antenor
(予想作者名)K4Y5
(正解作者名)hugepulse
(根拠)勘。No.22とNo.24のどちらかがもだまさんだろうと思ったので2択を外した形になった。

  • No.27 Kemotional Love - ほうじちゃくん(movie: まっちゃちゃん)
(予想作者名)Kanata.S (movie:LLRK)
(正解作者名)大前司 (movie:LLRK)
(根拠)Lo-fi寄りが書けそうでギター音源を扱える人。あとLLRKさんは以前Kanata.Sさんと組んだ実績があるので。

  • No.29 Wind-up Stream - mint*
(予想作者名)Pafa
(正解作者名)t-soach
(根拠)ちょっと展開に「ん?」となる箇所があり、初心者寄りの人と予想(←失礼)。

  • No.31 SANDVOX - Caribbean Oasis
(予想作者名)ume
(正解作者名)えするーと
(根拠)エスニック音楽方面も作れる人(Jロックの印象の強い氏だが、過去にエスニック系も手掛けている)。

  • No.32 Notlüge - 阿庭楽
(予想作者名)momo★yama
(正解作者名)paraneumann
(根拠)ヴォーカル曲を書ける人で、同時に小ネタを仕込むのに定評のある人。

  • No.33 ここにシロツメクサ、スイセン、スズランを植えないでください - 知覚合計
(予想作者名)りょくちゃくん
(正解作者名)りょくちゃくん
(根拠)シンセの音源が一致。

  • No.34 Written in the stars - Infinite Dream Routes
(予想作者名)Aoi
(正解作者名)lixound
(根拠)「プロの音」がしたので。

  • No.37 Traceward - kink
(予想作者名)Nakaiankow
(正解作者名)Nakaiankow
(根拠)ミスレイヤーが真っ黒(もしくはダミーファイル?)。あとは譜面傾向。

  • No.38 Hypertrophy - tyuno
(予想作者名)MiKaDo
(正解作者名)ぜらにも
(根拠)BGIの雰囲気とこういったジャンルにも手を出すことができそうなポテンシャルを持っていそうなので。

  • No.39 Hand In Hand - Changhee
(予想作者名)tkqn14
(正解作者名)DJ JUNOU
(根拠)Cytus II収録曲であるThe Spark - Scott Brown & M-projectのリスペクト作品のイメージから、国内より海外人気が高い印象のゲームなので海外勢と予想。

  • No.41 ice-flame-thrower - mechanic.
(予想作者名)idzuchi
(正解作者名)kas_0120
(根拠)音の雰囲気。

  • No.42 JET STREAM - Fluid
(予想作者名)ANKAKE
(正解作者名)CirCy
(根拠)勘。

  • No.43 アシンメトリ救世主 - PARALLEL CROSS
(予想作者名)nonomori
(正解作者名)K4Y5
(根拠)アニソン方面ならこの人でしょ!ってことで。

  • No.45 Ultra Climber - HiTECH GEISHA
(予想作者名)KAH
(正解作者名)nekomimi_STRaw
(根拠)音の雰囲気。

  • No.47 FAN Servis - D.J.UNINSTALL VS Trebuchet
(予想作者名)Y.
(正解作者名)ProjectG
(根拠)音の雰囲気。

  • No.48 セイレーン・リーシェの記憶 - Seiren_Rishe
(予想作者名)freesia
(正解作者名)freesia
(根拠)readmeの文体、音の雰囲気。BGAの方向性から3Dキャラのアバターを扱える人と予想。

  • No.49 静寂と思い出の果てへ - forever aspire
(予想作者名)Lanait
(正解作者名)Lanait
(根拠)曲調、音の雰囲気。

  • No.52 poppin' paradise - アサメ
(予想作者名)crossworld
(正解作者名)Kalse
(根拠)勘。

  • No.53 Blooming Fantasy - Keita Yamashiro
(予想作者名)kooridori
(正解作者名)ANKAKE
(根拠)曲調から。

  • No.54 ZakoVirus - DJ BIGWHITE
(予想作者名)FeNRIR+tok
(正解作者名)潮音きつね
(根拠)センシティブ要素を扱うことがある人。

  • No.55 音碧のマギア・オムニア - Midnight Shift
(予想作者名)atily
(正解作者名)Aoi
(根拠)曲調から。

  • No.56 Warped Clouds - ベール
(予想作者名)oratoruk
(正解作者名)Y.
(根拠)勘。



4. 反省と所感

 はい、ここまで色々と書き連ねてきましたが、偽名戦を終えて自分が思ったのは「とにかく自分ってほんと迂闊なんだな…」ということです。最早BMS関係ないじゃん!!
 計画性がなくあれやこれやと方向性が迷走した結果自己採点で75~80点くらいの出来の作品を出すことになり、さらにインプレでも計画性なくギリギリで雑な予想をした上変に目立ったことをやろうとした結果ダダ滑りして自爆して終了、というあまりにもあんまりなムーブしかしていないのでまるで良かった点がなかったという感じです。
※勘違いのないように書いておきますが運営の方には全く罪はないです。イベント自体はチャレンジングな試みが多数盛り込まれた良いイベントだったと思っています。単にTaWの行動がアホ過ぎたというだけ。

 取り敢えず頂いたインプレ(+配信で聞いたこと)の内容からBMS作品としての反省点も見てみましょう。

  • メロディがあと一歩
 い つ も の
 もうこいつテクノ以外書かない方が評価されるんじゃねえの?
 流石にテクノ以外にも手札は作り続けたいと思ってるので、色々な曲を聴いたり耳コピを頑張ったりしてどうにかセンスを磨いていきたいですね…。

  • 展開が繰り返し気味
 ハンズアップなんだからジャンル上致し方ない点もありますが、少なくともヴォーカルサンプルを入れる、繰り返し8小節のうち後半の4小節はサブメロディを追加する等で展開に変化はつけられたと思うので、その辺りは妥協すべきでなかったですね。

  • もう一味欲しい
 一応クラブミュージックとしてののハンズアップでも取り入れられている手法として最後に三連符を入れて変化を出してみましたが、改めて自分で聴くと後半サビ8小節は転調させても良かったですね。
あとライザーなんかも入れるとより雰囲気が出たかもしれません。

  • (DPA譜面に関して)左皿→6は無理がある
 DPは今回の攪乱における肝だったためいかに違和感ない配置にできるか、とかなり注意を払ったのですが、よりにもよって開幕でやらかしていました。
 DP、☆2すらまともに押せないのですがいい加減チャレンジすべき時期が来てる気がする(あと段位枠が2つあるのに毎作SPしかつかないのは勿体ないと実は毎回思ってる)ので有識者にオススメを聞いて手を出してみようかと思います。


 改めましてプレーしていただいた皆様、こんな稚拙な作品をプレーしていただき感謝です。そしてイベント運営のnekomimi_STRawさん&大前司さん、このイベントを開催していただき本当にありがとうございました。
 正直暫くは偽名じゃなくて本名義で作品を出していきたいなと思っていますが、またある程度時間が経ったらこういった試みに参加してみるのもまた一興だと思います。その時はもう少し丁寧に行動していきたいですね。色々な意味で。

 取り敢えず本記事はこんな感じで締めさせていただきたいと思います。
 そしてこれを読んでいるみんな、オートフィルには気を付けよう!


*具体的には無理皿や着地のことを考慮していない配置、押しにくい隣接などがある譜面。例を挙げるとS.O.S.とかHallywood Galaxy(DJ NAGAI Remix)とか。そこ、どっちも消されてるとか言わない。

 皆様ご無沙汰しております。TaWでございます。

 いやマジで更新いつぶりだよとツッコミが入りそうですが(と思って見てみたらそんなに間は開いてなかった)、何とか生きてます。リアルで精神破壊されて1週間ほどお暇を頂いてましたが…。シーズン的に健康を害しやすいので、各位肉体精神ともにお気を付けください。

 さて、先日イラストレーターのmorphさんプレゼンツのBMSパッケージ、『Morphpack』が満を持してリリースされました。全作品のビジュアル部をmorphさんが手がけルゼさん、saaaさん、Kanata.Sさん、eiさんといった著名BMS作家が参加しているという労力と中身ともに半端ではないこのパッケージですが、なんと僭越ながら私TaWも参加させていただきました。
 改めて見てみるととんでもない面子とご一緒させてもらったな…と思います。言い換えれば一種のキラーコンテンツDLCみたいなものなので…。

 本記事では拙作『Metallic Red』の裏話や作ってみての感想なんかを語っていきます。




序. そもそもの発端編

 すべて話すとめちゃくちゃ長い(上に混み入った話になる)のでめちゃくちゃ端折りますが、Morphpackが動き出したのは一昨年末。もとは知り合いが多数集まるサーバーでのちょっとしたやり取りでパッケージを作りたいという話になったところからだったと記憶しています。その後、「知り合い限定」という条件で参加者の募集が始まり、専用のDiscord鯖が作られ、ゆるいながらも着実に企画が動き出しました。
 で、TaWはありがたいことにmorphさんとの接点があったことこの手の企画への参加に興味があったこと、そして何より自分の作品が別の人の作品との間で化学反応を起こすのが楽しみだったこと(morphさんがこのパッケージでやりたいことの1つとして大きく取り上げていたのが楽曲の擬人化のため)から参加を決めました。あとmorphさんのイラストが良いので…。ぶっちゃけ最後のが結構な割合を占めてる気がしないでもないです。



1. 楽曲編

 これも大元を辿るとそこそこ長い話になるため多少端折ります。

 いつものテクノは意外性や面白みがない(擬人化されたらどうなるかは結構気になるところではありますが)と思ったため除外し、その時点で書きたかったジャンルを絞ってみた結果Big Beat方面とEurobeat方面に行きつきました。
 正直なところ迷いました。もともとmorphさんがロック系統やDrum'n'Bassといった重厚かつ硬派な方面を好んでいるということを知っていたため、morphさんの嗜好を汲み取るのであればBig Beatの方が良い、でもその時点で気持ちの上ではEurobeat側に傾きかけていてこちらも捨てがたい、どちらを取るべきか…と思ってご本人に相談してみることにしました。
 すると、「キラーパス上等な企画なので好きなようにやっていいですよ(要約)」という返事が返ってきたので「じゃあユーロ方面にします!(即答)」ということで作るジャンルはEurobeat方面になりました。
 「morphさんにボンキュッボンで体に無駄にフィットした服着た姉ちゃんが似合いそうな曲投げて果たしてどうなるのだろうか(補足:氏はその手のキャラクターがあまり好きではない印象がある)」という不安はありましたが、化学反応なら結果が見えない方がいい!ということでこちらは楽曲に集中することにしました。
 その後、とある理由でジャンルをSpeed Raveに決定、試行錯誤しつつも昨年の6月ごろにはラフを書いてmorphさんにwipを確認してもらいました。

 …このままトントン拍子で曲ができていたら締切(当初の予定では昨年の11月一杯が締切でした)に大きく余裕をもって楽曲を提出できるはずでした。ところが、ラフで提出したリフ(※ダジャレではありません)の先が全く思いつかず、その間BOF:NTAnother B.J.Cupの方のタスクも詰める必要があったため致し方なくこちらの作業は凍結、さらに昨年9月は私がコロナに感染してしまい、本格的に作業が進んだのは着手から4ヶ月後の昨年10月に入ってからでした。因みに本格的な作業開始後により良い展開を思いついたため、6月時のwipはあっさり没となりました。作り始めてからはそれなりにスムーズに作業が進み、最終的に一次締切に楽曲は間に合いました。つまりBMSは間に合ってません。ダメじゃねえか!!



 BMSをプレーした人、楽曲を聴いた人から「RedでSpeed Raveってことはやっぱり某清水さんと某前田さんの合作意識してるんですか?」とほぼ毎回聞かれるのでこちらで明言しておきますが、言うまでもなく例の曲リスペクトです。やっぱり音ゲーから音楽やるようになった身としてはこういうの作ってみたいじゃない?
 まあ、これ以外にも理由は別にある(というか話が長くなるのでメインの理由は今回割愛した)のですが、それについてはいずれそう遠くない日に語ることになるかと思います。

 Speed Raveを作ってみた感想としては、思いの外リファレンスが少ないです(音ゲー発ジャンルだと思われるしそれはそう)。本家でこのジャンルを銘打っている楽曲は殆どNAOKI氏かTatsh氏の作品であるため、視野を広げてCranky氏やMAX氏の楽曲も聴いて、それを自分なりの作風に落とし込みました。
 ELECTROSHOCKの時にも思ったことですが、創作ジャンルを継ぐことは先人の模倣だけで終わらせることなく、自分なりのテイストを盛り込んで、最終的に自分のものにするまでがセットである(と考えている)ためそこそこ難易度が高いです。ただ、音ゲーで育った人間として、音ゲー発の音楽ジャンルをただの音ゲー内部のネタで終わらせることなく、自分なりの形でインプット→アウトプットしていくのは今後もやっていきたいと思っているため、まだまだチャレンジを続ける所存です。



2. キャラクター編

 ※morphさんが自ら解説記事を執筆されているので、詳細はそちらをご覧ください。以下はただのTaWの感想と好き語りなのでmorphさんの記事を読んだ方が5億倍良いです。

 そして楽曲提出からほどなくしてmorphさんからキャラクター画像のラフが送られてきました。
 「全身レーシングスーツに身を包んだメカメカしい感じの兄ちゃんか、はたまた本当にボンキュッボンの姉ちゃんが実装されてしまうのか…」とワクワクしながら画像ファイルを見てみると、猫耳ヘッドホンを装着した活発そうな女の子が(※画像実物はmorphさんのnoteをご覧ください)。まず自分では思いつかないタイプ(と設定)な上に楽曲の雰囲気にもしっかりと合致しているため、「流石曲擬人化のプロ、やることが違う…」としばらく余韻に浸っていました。こんな予想外の化学反応が起こるから創作はやめられないぜ!!



3. 譜面編

 譜面はNHAを自作、発狂差分と14鍵を外注しました。
 作るうえで絶対にこの配置をやりたい!みたいなものは今回はなかったため、ゲーム性と押しやすさのバランスを意識しながら自作分は配置。上位難易度についてはアクセントの効いた譜面に定評のあるSANYさんに、14鍵については過去にTaWのBMSでDP差分を制作した経験のある人ということでしらすさんにお願いすることにしました。
 そして、どうせなら第三者の目を通して難易度査定やプレーしやすさ云々を確認してもらおうということでこれまたお世話になっている方であるF.Wynndさんに確認を依頼。結果、F.Wynndさんからの意見も参考に配置を見直し、最終的に出来上がったのが現在の譜面です。さらにサプライズで上位難易度の追加譜面まで制作していただいて本当に至れり尽くせりでした…。
 御三方とも本当にありがとうございました。足を向けて寝られません。

 蛇足要素(反転)→因みにすべてが終わった後に声ネタの音切りの不自然な点(具体的には"1,2,3,4,5,6,Do it !"の最後の部分だけ8分ではなく16分で切られている)に気づいたのですが、まあこういうリズムもありだよね?ということでそのまま通すことにしました。次この声ネタ使う時は全部8分で切ります…。



 ゆるい雰囲気でありながらも参加メンバーそれぞれが自分なりの好きな要素をこれでもかと詰め込んだ結果、非常に濃厚なパッケージ企画になりました。改めて、参加してよかったと心の底から思える企画だったと思います。morphさん、楽しい企画をありがとうございました。
 言うまでもありませんが、パッケージにはTaWの作品以外にも高クオリティなBMS作品が17作品収録されています。ジャンルや方向性もそれぞれの色が出ておりバラエティ豊かで、さらに全作品漏れなくmorphさんデザインのキャラクターイメージが設定されています。
 未ダウンロードのそこのあなた、今すぐダウンロードするんだ!!!

 皆さんこんばんは。なんか気づいたら流れで仕事が納まってたTaWでございます。今年も年末は恒例のRTA in Japanを見ながらのんびり過ごしております。走者の悲鳴からしか得られない栄養があります

 さて、今年もなんだかんだであと1日ちょいということで、昨年に引き続き1年間に作ったBMSの振り返りをしていこうと思います。でも のこっているよ(個別制作後記) 冗談抜きに今年は個別の制作後記1本も書けてないんですよね…遅れてもいいから書かねば…
 今年制作したBMSは7本(厳密にはもう1本作ってますが公開は来年。続報を待て!!)。例年10本ペースで作れているのでちょっと少ないです。まあアルバムとか作ってたし、無名戦とかにも出なかったから多少は致し方なし。

Metallic Blue (BMS Edit.)(from BMSをたくさん作るぜ'23)


 4月のM3で頒布したアルバムから先行公開。あくまで「アルバムからの移植」なので「BMS曲」としての扱いではありません(アルバムの特設サイトでもこの曲は新曲扱い)。AC音ゲーとかでもアーティストがアルバム出した記念に1~2曲くらいアルバムから曲が入るやつが以前ありましたが、あれのイメージです。
 …この数か月後、Zrisさんによるイベント『Let's BMS Edit !』が行われたので、そちらで出した方がよかったかもしれません。ただ、楽曲・譜面ともに手を抜かずに、何よりも楽しく作れたので後悔はありません。
 

blue ray(自主制作)


 MUMEI Academyが終わってちょっと経った頃に公開したイベント外BMS。因みにその頃界隈は新進気鋭のBMS作家・メスガキに分からせられたい氏主催のイベント『メスガキにわからせられるBMS』で盛り上がっていました。メスガキに分からせられなかった男
 ちょうどMAでHYPERTRANCEが流行っており、作風的にかなり好みだったことから自分でも作ってみたいと思って自己流の解釈も加えて実際に作ってみたらいつものTaWトランスになりました。結果的にですがMetallic Blueの弟分みたいな感じの扱いに(自分の中では)なってます。この手のエナジェティック成分のある音ゲートランス、今後も作っていきたいですねえ…。


Nebul@ (from Another B.J.Cup #03:CYBER)
 

 もはや隠す気がないとさえ言われた偽名・Darknoid名義2作目。前作はNeo 80'sな感じのエレクトロ成分が強めでしたが、今作はサイバーパンクで殺伐としたディストピアチックな近未来を強くイメージした、重厚なベースミュージック成分強めの作風で勝負しました。毎度毎度お世話になっている古氷さんによる世界観の解像度が高すぎるBGAも必見です。
 正直なところ小規模なイベントゆえにうまく立ち回れば優勝も夢ではないこと、それでいつつもB.J.Cupという伝統的な由緒正しいイベントのシリーズなので中途半端な作品は出せないこと、以上二点を念頭に「絶対優勝してやる」という強い思いで制作した作品です。結果は3位と微妙でしたが…。やはり音ゲーコアには勝てんのか…。
 因みに、そう遠くないうちにこの曲周りの続報があるかもしれません。要チェック!


dilaton(from heavysick ZEROでBMSやる会5)
 自身初となるリアルイベント公開のBMS。後にpupulyにて配布を開始しました。
 予てからチャレンジしたいと思いながらなかなかチャレンジできていなかったジャンルであるTECH DANCEに挑戦した作品です。テックダンスというジャンルがかなり拡張性の高いジャンルゆえに最初はなかなか「これだ!」という感じがつかめずに苦戦しましたが、なんとか自分なりの解釈を見つけてアウトプットに成功しました。まあイベントでのお披露目は散々だったんですけどね…。


RiZiNG ATTACK(from BOF:NT THE BMS OF FIGHTERS : NT -Twinkle Dream Traveler-)
 

 毎年お馴染みBOF。今年は「攻撃性」をテーマとしたチームで出場、TaWは雷属性担当でした。因みにFS枠のくるやのぶさんと属性がかぶっちゃったのは内緒。
 TECH DANCEと同じく予てから作りたいと思っていたジャンルであるFREEFORMに挑戦、作り慣れていなかったジャンルであることもあり、かなり制作に時間がかかっています。あと言うまでもないですが音切りがめちゃくちゃ難しかったです…。定義数が足りない…。
 大好評だったBGAはMUSH.Tさんに作っていただきました。また、譜面のうちBLACK ANOTHERとINSANEはここ数年お世話になりっぱなしなLennonさんに作っていただきました。因みにこちら2つの譜面をもってLennonさんは譜面作家を引退されるとのこと。未プレイの方で腕に自信のある方はぜひやってみてください。

 Nebul@とRiZiNG ATTACKについては後日個別記事を書く予定です。細かい裏話や反省等はそちらで触れようと思っているので、もう少々お待ちください…。


ピンポンダッシュ(from BOFOON:NT -Twinkle FOON Traveler-)
 やめようね!!


techno-pain(from BMSをたくさん作るぜ'24)
 つい昨日公開したての新作。当初は全然別の作品で出る予定だったのですが、色々と複雑な事情が発生し出すに出せなくなり、急遽こちらを制作しました。多分かなり粗が目立っている気がしていて自分でも合格ラインに達しているとは言い切れず不本意な点も残っていますが、「相当無理して作ったんだろうな〜」とか思いながら寛大な心でプレイしていただけたら幸いです。あと制作期間ギリギリでキラーパス飛ばすのは正直やめてほしい…。


 来年はBMSイベントが例年以上に目白押しで多忙を極めそうですが、どうにか死なない程度に頑張っていきたいです。あと何より制作自体を楽しんでいきたいですね。ドス黒い気分で作品作っても碌なことにならないんで…。
 あと偽名とかコピーとか含めて制作したBMSの総数が50作を突破したみたいです。こちらも記念に何かやりたいですね。

 というわけで皆さま、良いお年を!

↑このページのトップヘ