皆さまいかがお過ごしでしょうか?TaWでございます。
M3-2025秋も無事(?)閉幕し、次の作品に向けての構想を練る今日この頃です。改めまして当日弊サークルのスペースを訪れてくださった皆さま、ありがとうございました。
さて、M3の報告記事は別の場所で既にやってるから…というわけではありませんが、今回は全く別の話題です。
以前私はUNLiMiTED STUDIO制作の音ゲー・『SENVEN's CODE』についての思い出を語る記事を書きましたが、その中において
本記事はそんな(日本国内では)マイナータイトルな音ゲー・StepManiaX(以下、SMX)について語り倒していこうと思います。
M3-2025秋も無事(?)閉幕し、次の作品に向けての構想を練る今日この頃です。改めまして当日弊サークルのスペースを訪れてくださった皆さま、ありがとうございました。
さて、M3の報告記事は別の場所で既にやってるから…というわけではありませんが、今回は全く別の話題です。
以前私はUNLiMiTED STUDIO制作の音ゲー・『SENVEN's CODE』についての思い出を語る記事を書きましたが、その中において
・・・(前略)と多くの国内音ゲーマーは知らないであろうタイトルを1つしれっと紛れ込ませていました。
さて、セブンスコードは終焉を迎えてしまうわけですが、なんとこのゲーム、楽曲の権利が割と自由度の高い状態だったらしく、なんだかんだで他の音ゲーでも楽曲が遊べたりします。 例を挙げると、
・REDRAVE(CHUNITHM)
・サンカヨウ(Lanota)
・MAX 428(StepManiaX)
最後のは国内で遊べるのが筐体個人所有者を除くとWGCのみですが、楽曲を試聴して興味を持った方、環境があれば遊んでみるのはいかがでしょうか。
(後略)・・・
本記事はそんな(日本国内では)マイナータイトルな音ゲー・StepManiaX(以下、SMX)について語り倒していこうと思います。
序. そもそもSMXって何よ?
…と大半の方が思っていると思うので、本題に入る前にこのゲームの背景知識を少々語っておきましょう。
SMXはアメリカのStepRevolution社が開発しているダンスシミュレーション(?)ゲームで、画面スクロールで現れる矢印を楽曲のリズムに合わせ、適切なタイミングで踏む…という、所謂「踏みゲー」というジャンルに属するゲームです。
このゲームを語るうえで避けて通れないのが、よく似たゲームであるDance Dance Revolution(以下DDR)の存在、そしてそれにまつわるとある騒動です。
※こんな記事書いておいてあれですが、本項は又聞き情報が大半のため誤りを含む可能性があります。話半分でお読みいただけると幸いです。
今やBEMANI PRO LEAGUEの1種目として激戦が繰り広げられているダンスシミュレーション(?)ゲーム、DDR。
しかし、AC版DDRは一度開発が中断され、新作が出なくなった時期があります(EXTREME~SuperNOVAの間の空白期間)。理由は言うまでもなく人気の低下。
その頃、日本国内の人気の低下とは裏腹にアメリカではDDR人気が継続しており、新作が出なくなったことを嘆いた一部のファンはなんと「じゃあ俺たちでDDR作っちまおうぜ!!」とDDR筐体をジャックした新作ゲームを稼働させてしまいました。
それがいろいろな意味で有名なIn The Groove(ITG)。
…当然こんなことをDDR開発元のKONAMIが見逃すはずもなく、裁判の末ITGの開発は終了。開発チームスタッフの一部はDDRのライバルゲーム・Pump It Up(以下PIU)の開発元であるアンダミロと協力してPIUの派生作品であるPIU Proシリーズを開発しました。
そんなPIU Proも2013年のINFINITYでシリーズが一区切りとなり、PIU Pro開発者のKyle Ward氏がそれからいろいろあった後に2017年からプロデュースしている新作ゲーム、それがSMXです。
早い話がITGの精神的後継作です(現にITGからの移植曲が多数入っています。例を挙げるとEnergizerとかDance Vibrationsとか)。ただし、DDR筐体を拝借していたITGとは異なり、SMXはDDRに似ているとはいえ完全オリジナルの筐体で稼働しているゲームです。
…ここまで書くと「じゃあただのDDRのパクリゲーじゃね?」と早とちりする人が多数現れそうですが、ゲームや収録曲の方向性は独自の路線を築いていると言っても過言ではないと思います。
似たような歴史を辿っているEZ2AC然りで海外産のBEMANIライバルゲームは尖った進化を遂げがちな気がしますが、それは置いておいて。
次項からはそのあたりを詳しく見ていきましょう。
破. SMXのここが凄い!
①踏みゲー初心者に優しい配置
SMXのパァーノゥパネルの配置は⬅⬇◆⬆➡とDDRとPIUのあいのこのような配置(下図参照)をしており、一見するとDDRよりも複雑そうに見えます。

しかし、なんとこのゲーム、一番簡単な難易度であるBEGINNERは上下以外の横一列の3つのパネルしか使用せず、尚且つ配置も原則交互で取れるように設計されています。
おかげで踏みゲー初心者でもそこまで戸惑わずに譜面を取ることが可能です。
現にこれを書いている筆者が初めて触れた踏みゲーがSMXで、このパネル配置のおかげで「足で操作する」という踏みゲー最大の特徴であり初心者参入の最大の壁である部分に慣れることができたため、この点については地味に大きいと思っています。
また、その1つ上にあたる難易度のEASYからいよいよ5パネル全部を使用することになりますが、少なくともHARD難易度まではそこまで複雑なリズムも登場せず、尚且つ配置も原則左右交互でそこまで強烈な捻りもなく自然に取ることができます。
DDRやPIUは低難易度でも捻りや連打ごり押しが必要な譜面がたびたびありますからね…。
②奥が深すぎる譜面たち
ではこのゲームは初心者向けのヌルゲーなのか?
まったくもってそんなことはありません。そもそもこのゲームの前身にあたる前述のITGやPIU INFINITYの高難易度譜面は当時の(下手したら今の)DDRではまず考えられないような個性的な配置(オブラートに包んだ言い方)だらけの魔窟と化しており、そんなゲームのDNAを継いだSMXの譜面が初心者に優しい譜面だけな筈はなく…。
5パネルプレイの最高難易度にあたるWILD、DDRのDPにあたる難易度であるDUALとFULLがそれで、順に解説していくと、
少々感傷的になってしまいましたが、一音ゲー好きとしてせめて好きなゲームが遊べなくなる前にそのゲームの魅力は伝えておきたい。そんな気持ちで今回本記事を執筆するに至りました。
WGCでのSMXの稼働は2025年11月8日(土)まで。本記事でSMXに興味を持たれた方、もしいらっしゃったらそれまでにプレイしに行きましょう。DDRとはまた違った、尖ってこそいれども芯の通った面白さが伝わればこのゲームを楽しんでプレイしていた1ファン冥利に尽きます。
最後に一言。ベタだけどこれだけは言わせてほしい。
推しは推せるうちに推そうな。
…と大半の方が思っていると思うので、本題に入る前にこのゲームの背景知識を少々語っておきましょう。
SMXはアメリカのStepRevolution社が開発しているダンスシミュレーション
このゲームを語るうえで避けて通れないのが、よく似たゲームであるDance Dance Revolution(以下DDR)の存在、そしてそれにまつわるとある騒動です。
※こんな記事書いておいてあれですが、本項は又聞き情報が大半のため誤りを含む可能性があります。話半分でお読みいただけると幸いです。
今やBEMANI PRO LEAGUEの1種目として激戦が繰り広げられているダンスシミュレーション
しかし、AC版DDRは一度開発が中断され、新作が出なくなった時期があります(EXTREME~SuperNOVAの間の空白期間)。理由は言うまでもなく人気の低下。
その頃、日本国内の人気の低下とは裏腹にアメリカではDDR人気が継続しており、新作が出なくなったことを嘆いた一部のファンはなんと「じゃあ俺たちでDDR作っちまおうぜ!!」とDDR筐体をジャックした新作ゲームを稼働させてしまいました。
それがいろいろな意味で有名なIn The Groove(ITG)。
…当然こんなことをDDR開発元のKONAMIが見逃すはずもなく、裁判の末ITGの開発は終了。開発チームスタッフの一部はDDRのライバルゲーム・Pump It Up(以下PIU)の開発元であるアンダミロと協力してPIUの派生作品であるPIU Proシリーズを開発しました。
そんなPIU Proも2013年のINFINITYでシリーズが一区切りとなり、PIU Pro開発者のKyle Ward氏がそれからいろいろあった後に2017年からプロデュースしている新作ゲーム、それがSMXです。
早い話がITGの精神的後継作です(現にITGからの移植曲が多数入っています。例を挙げるとEnergizerとかDance Vibrationsとか)。ただし、
…ここまで書くと「じゃあただのDDRのパクリゲーじゃね?」と早とちりする人が多数現れそうですが、ゲームや収録曲の方向性は独自の路線を築いていると言っても過言ではないと思います。
似たような歴史を辿っているEZ2AC然りで海外産のBEMANIライバルゲームは尖った進化を遂げがちな気がしますが、それは置いておいて。
次項からはそのあたりを詳しく見ていきましょう。
破. SMXのここが凄い!
①踏みゲー初心者に優しい配置
SMXの
左から、DDR、PIU、SMXのパァーノゥパネル配置。
しかし、なんとこのゲーム、一番簡単な難易度であるBEGINNERは上下以外の横一列の3つのパネルしか使用せず、尚且つ配置も原則交互で取れるように設計されています。
おかげで踏みゲー初心者でもそこまで戸惑わずに譜面を取ることが可能です。
現にこれを書いている筆者が初めて触れた踏みゲーがSMXで、このパネル配置のおかげで「足で操作する」という踏みゲー最大の特徴であり初心者参入の最大の壁である部分に慣れることができたため、この点については地味に大きいと思っています。
また、その1つ上にあたる難易度のEASYからいよいよ5パネル全部を使用することになりますが、少なくともHARD難易度まではそこまで複雑なリズムも登場せず、尚且つ配置も原則左右交互でそこまで強烈な捻りもなく自然に取ることができます。
DDRやPIUは低難易度でも捻りや連打ごり押しが必要な譜面がたびたびありますからね…。
②奥が深すぎる譜面たち
ではこのゲームは初心者向けのヌルゲーなのか?
まったくもってそんなことはありません。そもそもこのゲームの前身にあたる前述のITGやPIU INFINITYの高難易度譜面は当時の(下手したら今の)DDRではまず考えられないような個性的な配置(オブラートに包んだ言い方)だらけの魔窟と化しており、そんなゲームのDNAを継いだSMXの譜面が初心者に優しい譜面だけな筈はなく…。
5パネルプレイの最高難易度にあたるWILD、DDRのDPにあたる難易度であるDUALとFULLがそれで、順に解説していくと、
- WILD:
基本的に順当な高難易度枠だが、
・地雷ノート(踏んだらグルーヴゲージが減る罠ノート)を次々と避けなければならない譜面がある
・BPM160台の24分を踏ませる配置がある
・文字押し譜面がある
・人間の足は2本しかないのに3点以上同時踏みを要求してくることがある
・次々襲い来る速度変化に耐えながら超高密度で複雑なステップを捌き切る必要がある - DUAL:
パネル配置が⬅◆➡⬅◆➡(要はBEGINNER2セット分)という前代未聞すぎる配置なうえ、高難易度帯はその状態で高密度譜面を降らせる。
結果、スタイリッシュカニ歩きをプレイヤーに要求してくる。 - FULL:
DDRのDPと勝手は同じ…と思いきや、
・体重移動を意識して作っているらしい(U1氏談)DDRの最近のDPとは異なり、DDRの初期のDP(つまりかなり尖った配置)に影響を受けたと思しき配置が時折見られる
・左側⬆からの右側⬇、左右の◆同時踏みといったきつめの開脚配置を要求してくる譜面がある
・挙句の果てに人間の足だけではどうあがいても取れず、手も使うことまで想定した譜面まで実装されている
…と尖りに尖っており(特に稼働初期の譜面は顕著)、WILDやFULLの最上位譜面は下手したら現行DDRの足19にも匹敵するのではないか(現に最高難易度がつけられているMAX428のWILDはいまだに理論値達成者が出ていない)と思われるくらいの難易度になっています。
また、これらの譜面以外にも
・出典元の文脈をそのまんま持ってきたBeethoven Virus[HARD]
・上記の譜面以上にプレイヤーを回らせるXUXA[HARD]
・FULL以上にやりたい放題やっているDisconnected Disco[TEAM]
などなど、探せば面白譜面が多数収録されています。そこ、TEAMは難易度自体ネタだろとか言わない。
初心者に優しく、上級者や癖譜面好きにもうれしいゲーム、それがSMXです。
③譜面Edit機能がある
DDRからは廃止されてしまった譜面Edit機能ですが、SMXは公式スマホアプリで譜面を作ることができます。
そのため、「この曲好きだけど難易度が低すぎて物足りない…」とか「公式譜面の配置が解釈違いで萎える」とか「変な譜面を作って友達や家族を怖がらせたい」という場合でも「だったら自分で作ればいい」という解が公式から用意されているわけです。
おまけに、スマホアプリ上でタッチ操作で手軽に作れるため、人がプレイしている後ろで譜面制作RTAをして次のクレジットで遊ぶ、なんて芸当もやろうと思えば可能です。ノーツはクオンタイズされているため、音ズレの心配もなし!
そして言うまでもないですが作った譜面はほかのプレイヤーに公開することができます。現に全世界の面白譜面界隈民有志が制作した譜面が多数公開されています。
いつもとはちょっと違う譜面を遊びたい…という場合はそういった譜面をセットして遊んでみるのもまた面白いです。
④収録曲の幅が広い
音楽ゲームである以上気になるのが収録曲ですが、このゲーム、収録曲も独自路線を突っ走っています。
大前提として、このゲームの開発者であるKyle Ward氏が大のDDRファンです。そんな彼がプロデュースしたゲームに入っている版権曲を見てみると…
・DAM DARIRAM - Joga
・HERO - Papaya
・BOOM BOOM DOLLARS - King Kong & D'Jungle Girls
・CARTOON HEROES(Speedy Mix) - Barbie Young
・THE 7 JUMP - Ken-D
なんかどこかで聞いたことのある曲がちらほらいますね。
ほかにも90年代後期~'00年代初期の、DanceMania黄金期のEuro Dance系がこれでもかとばかりに入っています。
ただ、これだけで終わっていないのがこのゲームの面白いところで、Monster CatのEDMが最近高頻度で収録されているほか、CelldwellerやElectric Callboyといった大物の楽曲がしれっと入っていたり、激しいメタル系が入ったかと思えばK-Popが入り、Drum'n Bossaのようなここ以外の音ゲーじゃまず入らないだろというニッチな選曲までされており、気付けば所謂同人音楽的なノリの音ゲーコア以外の音楽ジャンルの大半は網羅しているのではないか?というレベルのカバー範囲の広い選曲がされていました。因みに音ゲーコア的なのはないですが、音ゲートランスはそこそこ入っています。Gargoyleとか。
え?洋楽ばかりで馴染みがない?
某DでおなじみのRunning in the 90sやRemember Meに代表されるSUPER EUROBEAT収録曲や、最近はBEMANI各機種でもプレイ可能なUndertaleの楽曲・MEGALOVANIA(※各種音ゲーに入るよりもこちらのほうが先に入っていました)、Beethoven Virus(原曲:悲愴 第三楽章)やMozart Is Back(原曲:トルコ行進曲)、Winter(原曲:V冬 第一楽章)といったクラシックアレンジ、ハードコア系統を少しでもかじったことがある人ならば名前だけでも聞いたことがあるであろうScott BrownやS3RLの楽曲も収録されています。
日本人コンポーザーの曲も収録されていますね。M-ProjectさんやTatsunoshinさんの曲があります。
そして…
⑤NAOKIの曲が入っている
2013年にKONAMIを離れて以降多数の音ゲーの楽曲を提供し、同時にゲームプロデューサーとしても活躍している氏ですが、踏みゲーという媒体が少ないこともあり、DDR以外のダンスをモチーフとしたゲームに氏の楽曲が入ることは長らくありませんでした。
そんなNAOKIの楽曲がSMXには30曲近く入っています。いやもっといるかも。NAOKIファンであればこの点はまず見逃せません。
SEVEN's CODEの記事に書いた通り、件のゲームでは楽曲の権利が割とコンポーザー側で自由にしていい状態になっていたらしく、SMXにはSEVEN's CODE収録曲がアレンジされて入っています(多分SEVEN以外のNAOKI曲は全部いると思う)。
中にはタイトルからして直球すぎるBU-44、あのシリーズの系譜を受け継いでいそうなMAX 428、エキゾチックでエスニックなオーラを感じるElectro Asia等DDRプレイヤーからしてみれば「なるほどね」となりそうな文脈の曲まであります。変な汗が出るのは自分だけだろうか?
ちなみにNAOKIのベストアルバムが秋M3で満を持して頒布されましたが、その収録曲の多くはSMX初出曲です。SMX、及びKyle氏に向けてメッセージを送る、公式大会にゲストとして参加するなど、ご本人にとっても思い入れが大きい機種のようです。
やはりと言うべきか、NAOKI曲は高難易度曲が多いため、SMXに初めて触る人はそこだけ要注意かも。
急. 推しは推せるうちに推そう
ここまでSMXの好きなポイントを挙げていきましたが、本記事のタイトルを見て察せられるように、なんとこのゲーム、もうすぐ日本国内で遊べなくなってしまいます。
というのも、このゲームが設置されているゲームセンターは日本国内ではたった1か所、音ゲーマーにとってはもはやおなじみの場所である立川のWGCです。
2021年ごろから稼働していたようなのですが、プレイヤー人口はあまり多くなく、ここ1年はそこそこの頻度で撤去の可能性が浮上し、そのたびに有志が寄付を行ってどうにか維持をしている…そんな状況が続いていました。
そしてついに筐体の売却が決定し、来月(2025年11月)の初頭に撤去されることが確定しました。
正直このゲームから踏みゲーに触れるようになり、下手とはいえDDRやPIUもプレイするようになった身としては非常につらく、また寂しいです。
ただ、WGCもゲームセンター、つまり事業であり、ここ数年は投資と回収のバランスでかなり苦労をされていると店長のnoteからリアルタイムで状況を知っている以上、これは致し方ないことだと思います。
筐体は稼働させるのに当然電気代がかかり、尚且つ踏みゲー筐体はデカいため、プレイヤーが少なくインカムが回収できない場合、その赤字幅は察するに余りあります。
かつて日本各地にあったPIU筐体が今となってはほとんどなく、最近はBPL効果で人気があるとは言え、以前各地のゲーセンでDDRの撤去話がたびたび出ていたのもまあそういうことなんでしょうね。
また、これらの譜面以外にも
・出典元の文脈をそのまんま持ってきたBeethoven Virus[HARD]
・上記の譜面以上にプレイヤーを回らせるXUXA[HARD]
・FULL以上にやりたい放題やっているDisconnected Disco[TEAM]
などなど、探せば面白譜面が多数収録されています。そこ、TEAMは難易度自体ネタだろとか言わない。
初心者に優しく、上級者や癖譜面好きにもうれしいゲーム、それがSMXです。
③譜面Edit機能がある
DDRからは廃止されてしまった譜面Edit機能ですが、SMXは公式スマホアプリで譜面を作ることができます。
そのため、「この曲好きだけど難易度が低すぎて物足りない…」とか「公式譜面の配置が解釈違いで萎える」とか「変な譜面を作って友達や家族を怖がらせたい」という場合でも「だったら自分で作ればいい」という解が公式から用意されているわけです。
おまけに、スマホアプリ上でタッチ操作で手軽に作れるため、人がプレイしている後ろで譜面制作RTAをして次のクレジットで遊ぶ、なんて芸当もやろうと思えば可能です。ノーツはクオンタイズされているため、音ズレの心配もなし!
そして言うまでもないですが作った譜面はほかのプレイヤーに公開することができます。現に全世界の
いつもとはちょっと違う譜面を遊びたい…という場合はそういった譜面をセットして遊んでみるのもまた面白いです。
④収録曲の幅が広い
音楽ゲームである以上気になるのが収録曲ですが、このゲーム、収録曲も独自路線を突っ走っています。
大前提として、このゲームの開発者であるKyle Ward氏が大のDDRファンです。そんな彼がプロデュースしたゲームに入っている版権曲を見てみると…
・DAM DARIRAM - Joga
・HERO - Papaya
・BOOM BOOM DOLLARS - King Kong & D'Jungle Girls
・CARTOON HEROES(Speedy Mix) - Barbie Young
・THE 7 JUMP - Ken-D
なんかどこかで聞いたことのある曲がちらほらいますね。
ほかにも90年代後期~'00年代初期の、DanceMania黄金期のEuro Dance系がこれでもかとばかりに入っています。
ただ、これだけで終わっていないのがこのゲームの面白いところで、Monster CatのEDMが最近高頻度で収録されているほか、CelldwellerやElectric Callboyといった大物の楽曲がしれっと入っていたり、激しいメタル系が入ったかと思えばK-Popが入り、Drum'n Bossaのようなここ以外の音ゲーじゃまず入らないだろというニッチな選曲までされており、気付けば所謂同人音楽的なノリの音ゲーコア以外の音楽ジャンルの大半は網羅しているのではないか?というレベルのカバー範囲の広い選曲がされていました。因みに音ゲーコア的なのはないですが、音ゲートランスはそこそこ入っています。Gargoyleとか。
え?洋楽ばかりで馴染みがない?
某DでおなじみのRunning in the 90sやRemember Meに代表されるSUPER EUROBEAT収録曲や、最近はBEMANI各機種でもプレイ可能なUndertaleの楽曲・MEGALOVANIA(※各種音ゲーに入るよりもこちらのほうが先に入っていました)、Beethoven Virus(原曲:悲愴 第三楽章)やMozart Is Back(原曲:トルコ行進曲)、Winter(原曲:
日本人コンポーザーの曲も収録されていますね。M-ProjectさんやTatsunoshinさんの曲があります。
そして…
⑤NAOKIの曲が入っている
2013年にKONAMIを離れて以降多数の音ゲーの楽曲を提供し、同時にゲームプロデューサーとしても活躍している氏ですが、踏みゲーという媒体が少ないこともあり、DDR以外のダンスをモチーフとしたゲームに氏の楽曲が入ることは長らくありませんでした。
そんなNAOKIの楽曲がSMXには30曲近く入っています。いやもっといるかも。NAOKIファンであればこの点はまず見逃せません。
SEVEN's CODEの記事に書いた通り、件のゲームでは楽曲の権利が割とコンポーザー側で自由にしていい状態になっていたらしく、SMXにはSEVEN's CODE収録曲がアレンジされて入っています(多分SEVEN以外のNAOKI曲は全部いると思う)。
中にはタイトルからして直球すぎるBU-44、あのシリーズの系譜を受け継いでいそうなMAX 428、エキゾチックでエスニックなオーラを感じるElectro Asia等DDRプレイヤーからしてみれば「なるほどね」となりそうな文脈の曲まであります。
ちなみにNAOKIのベストアルバムが秋M3で満を持して頒布されましたが、その収録曲の多くはSMX初出曲です。SMX、及びKyle氏に向けてメッセージを送る、公式大会にゲストとして参加するなど、ご本人にとっても思い入れが大きい機種のようです。
やはりと言うべきか、NAOKI曲は高難易度曲が多いため、SMXに初めて触る人はそこだけ要注意かも。
急. 推しは推せるうちに推そう
ここまでSMXの好きなポイントを挙げていきましたが、本記事のタイトルを見て察せられるように、なんとこのゲーム、もうすぐ日本国内で遊べなくなってしまいます。
というのも、このゲームが設置されているゲームセンターは日本国内ではたった1か所、音ゲーマーにとってはもはやおなじみの場所である立川のWGCです。
2021年ごろから稼働していたようなのですが、プレイヤー人口はあまり多くなく、ここ1年はそこそこの頻度で撤去の可能性が浮上し、そのたびに有志が寄付を行ってどうにか維持をしている…そんな状況が続いていました。
そしてついに筐体の売却が決定し、来月(2025年11月)の初頭に撤去されることが確定しました。
正直このゲームから踏みゲーに触れるようになり、下手とはいえDDRやPIUもプレイするようになった身としては非常につらく、また寂しいです。
ただ、WGCもゲームセンター、つまり事業であり、ここ数年は投資と回収のバランスでかなり苦労をされていると店長のnoteからリアルタイムで状況を知っている以上、これは致し方ないことだと思います。
筐体は稼働させるのに当然電気代がかかり、尚且つ踏みゲー筐体はデカいため、プレイヤーが少なくインカムが回収できない場合、その赤字幅は察するに余りあります。
かつて日本各地にあったPIU筐体が今となってはほとんどなく、最近はBPL効果で人気があるとは言え、以前各地のゲーセンでDDRの撤去話がたびたび出ていたのもまあそういうことなんでしょうね。
少々感傷的になってしまいましたが、一音ゲー好きとしてせめて好きなゲームが遊べなくなる前にそのゲームの魅力は伝えておきたい。そんな気持ちで今回本記事を執筆するに至りました。
WGCでのSMXの稼働は2025年11月8日(土)まで。本記事でSMXに興味を持たれた方、もしいらっしゃったらそれまでにプレイしに行きましょう。DDRとはまた違った、尖ってこそいれども芯の通った面白さが伝わればこのゲームを楽しんでプレイしていた1ファン冥利に尽きます。
最後に一言。ベタだけどこれだけは言わせてほしい。
推しは推せるうちに推そうな。
自分のハマったゲーム(ACに限れば) クロビREV(サ終) グルコス(同上) リフレク(ゾンビ状態) 指(元気ない) ノス(同上) SMX(コンテンツとしては頑張ってるけどWGCから消えそう) 質問あります?
— TaW(Technological audio Works.) (@t-a-w.bsky.social) 2025年10月7日 17:58






