Technological audio Works. 情報局

BMS制作時の裏話とか載せるブログ。

2023年05月

※本記事は以前執筆した「【初心者向け】BMS制作個人的Tips」に加筆しようとしたところ、内容が詳しくなりすぎたため個別記事として分離したものになります。

 皆様いかがお過ごしでしょうか。TaWでございます。GWもいよいよ大詰め、ある人は休日の後半を旅行後の休養に当て、ある人は作業のラストスパートを行い、ある人は結局休暇中何もできず休暇が明ける恐怖に震えて夜もまともに眠れなくなっている頃だと思います。因みに最後のは俺です。

 さて、毎年恒例のMUMEI Academyの季節が今年も近づいてまいりました。イベントルール発表時にちょっとした騒ぎがあったものの、現時点では例年並みもしくはそれ以上の数の人が名乗りを上げており、期待が膨らみます。
 昨年私はMUMEI Academy前の準備が盛んに行われているであろうこの時期に、かつて自分がしてしまった失敗を踏まえ、二の轍を踏む初心者作家が現れないように、せめてもの助けになればと個人的な解説記事を執筆しました。その結果恐縮なことに何名かのBMS作家さんから「役に立った」との報告があり、モチベーションが上がったため昨年解説できなかったことを今年は新たに解説するか~とか思っていたところ、その解説しようと思った事柄のうち1つが予想以上にマニアックな内容になってしまったため、初心者向け記事の1コーナーという枠に収まりきりませんでした。第一に環境によってはまったく気にしなくてもいい話だし。ただ、需要がありそうだと感じたため、個別記事として書き直すことにしました。


 というわけで本記事はその内容、beatorajaの#LNMODEの仕様についてのプチ解説記事になります。


・そもそもbeatorajaとは
両替士(exch-bms2)により開発中のプレイヤー。
LR2スキン定義やbmsonフォーマットにも対応している。       
                   (BMSまとめ@wikiより引用)
 詳しくはここを見ましょう。
 簡単に言えば、LunaticRave2(以下LR2)登場以降に開発された、所謂「次世代型BMSプレイヤー」と呼ばれるソフトの1つです。
 登場時期が時期だけに、本家ことbeatmania IIDXで最近追加された要素(ASSISTED EASYゲージ、緑数字、HCN等)がオプションとして追加されています。
 LR2と直接的な互換性のある後継ソフトとして作られたわけではないため一長一短はあるものの、近年LR2と人気を二分するレベルになりつつある有力BMSプレイヤーです。


・#LNMODEについて
 beatorajaでは、LR2にはない拡張命令がいくつか追加されています(拡張命令って何?って人は要はBMSEで直接入力欄が設けられてなくて自分で書かなきゃいけない優先度の低いゾーンだと思ってくれればいいです。#DIFFICULTYは例外的に優先度最高レベルだけど)。その1つが「#LNMODE」です。
 これは、ロングノーツの種類を(※()内の数字は設定値)
・「始点のみに判定があり、ノーツの終点で指を離さなくても大丈夫なもの」(1)
・「始点と終点に判定があり、ノーツの終点でボタンを離さないとミス扱いになるもの(要は本家のチャージノーツ(CN)と同じ挙動)」(2)
・「始点と終点だけでなく押している間も判定が持続し、途中でボタンを離すとグルーブゲージが下がり続けるもの(本家のヘルチャージノーツ(HCN)やSDVXのロングオブジェクト等と同じ挙動)」(3)
に変更できる(デフォルトでは設定されておらず、プレイヤー側が設定した種類が反映される)拡張命令なのですが、その挙動故に少し取り扱いに注意が必要です。
 例えば譜面に疑似的なBSS(beatorajaの#LNMODE 2はあくまで見た目と判定が変わるだけのため、終点に本家のBSSのような音を入れられない*)を下図のようにロング皿+終点の単発皿という形で配置する場合を考えてみましょう。

ここで、もし仮に#LNMODE 2を設定して譜面を置くと、プレイヤーはロング皿末端の01と疑似的な末端として配置された02を32分の速さで拾わなければなりません。もしBPMが2桁とかならまあ拾えなくはないですが、音ゲー曲としてありがちな170BPM以上とかの速さであればかなり厳しいです。キーボードでも専用コントローラでもその点は変わらないと思います。
 おそらく大体の方がデフォルトで設定しておりLR2のLNの挙動と一緒である#LNMODE 1を設定すれば、本家のBSSを完全再現…とまではいかないものの本家のBSSと恐らく同じような取り方で演奏することが可能です。
 そのため、「本家ライクの挙動がある!演奏感出したいしこれにしよう!」みたいなマインドで安易に設定するとロング皿の配置時に思わぬ泣きを見ることになりかねません。#LNMODE定義は仮に設定せずともBMSはプレイできますし、逆に未設定であればプレイヤーのオプション変更で自由に選択できるLNの種類を固定してしまうため、場合によっては設定したことがとんでもない逆効果になります。#LNMODE定義の設定は必要性を考慮したうえで慎重に入れるようにしましょう

 …ここまでの内容なら「じゃあ別に無理に設定しなくてもよくね?」で済みますし、大半の人はそれで無問題なのですが、先述のとおり、beatorajaでは#LNMODEが未設定であればプレイヤー側の設定でLNの種類を変えることができます。逆に言ってしまえば、未設定のままで疑似BSSや停止ワープ(ロング皿の始点に停止命令と超高速BPMを入れ、目的の小節で減速することで譜面がワープしたように見せるテクニック)を入れてしまうと、プレイヤー側が運悪くCNやHCNでプレイしていた場合に先述の理不尽高速皿を意図せずにやることになります。自分が知っている限り大体の人はデフォルトのLNでプレイしている印象があるため、そこまで神経質になって対策する内容ではないかもしれませんが、「プレイヤー側に疑似BSSやワープのようなギミックを確実に受け取ってもらいたい!」という強い意志のある方は、事前にトラブルの芽を摘んでおく意味で#LNMODE 1の拡張命令を入れておいた方がいいかもしれません。この方法だとLNの末端判定が無くなるため、通常のLNが本家チックな判定ではなくなるというデメリットもありますが*


 正直本記事に書いた内容はTipsやテクニックというよりもどちらかと言えばトラブル回避法に近いですが、逆に言えばLNの種類を変えることでできる新たな表現(例えばLNを捨てさせずに脳トレ特化譜面をプレイさせるためにHCNモードを固定する、みたいな)もあると思います。知識として頭の片隅に置いておけばそのうち役に立つ日が…来るかも??



*bmsonという形式を使えばこの限りではなくなるのですが、生憎筆者がbmsonについて詳細に解説できるだけの知識を持ち合わせていないため本記事では扱いません。

 皆様ご機嫌いかがでしょうか。TaWでございます。GWも後半戦に突入したようですが、私は実質今日から休み開始です。積みゲー消化しつつ曲も作らねば…。

 さて、先日開催された音系同人即売会「M3」にて、自身初のCDを出させていただきました。
 爆死しないか正直なところかなり不安でしたが、当日は多くの方がブースに立ち寄ってCDを手に取ってくれました。
 TaWのブースに来ていただいた皆様本当にありがとうございました!!

 本記事では、今回の新譜『TECHNO-LOGIC』の裏話や各トラックの制作秘話等を書かせていただきます。お時間のある方は少々お付き合いくださいませ。





序. CDを出そうと思った理由

 話は昨年の春M3に遡ります。昨年の春M3で知り合いのBMS作家であるotoshi.bさんとNASAさんがアルバムを出しており、知り合いの間でアルバムを作る機運が高まっていたこと、そして2022年でTaWとしてインターネット上で本格的に活動を開始してから5年という節目になるということで何かしらデカめのことをやりたいと思っていたことから「今度は自分がCDを作る番なのでは?」と思い、その場のノリと勢いもあってTwitterで「アルバムを出します!」と宣言し、その結果後に引けなくなりました。

 
 そしてその後、昨年夏あたりになって本格的にアルバムを出すことを考え始め、秋M3前後にはもう構成を練ったりリミックス担当者を募ったりと徐々に動き始めました。
 アルバムコンセプトとして、自身の根幹となり自他ともに認める強みとしているジャンルであるTechnoを中心に置き、「サイバー、近未来、技術」というテーマで大まかな構成を決め、そこに少しずつ肉付けする形で制作を進めていきました。
 また、初のCDなので今後の信頼のためにも新譜は絶対に落としたくない!という強い思いがあったため、締切は早めに設定しました。結果的にそのおかげでBた作に出場できるだけの余裕ができたわけですが、代償として本来入る予定だった楽曲が2曲ほど犠牲になりました。ただ、片方についてはすでにリベンジとして来年の春M3に向けた予定を考えています。続報をお待ちください…。
 そうして間に多数の困難が(主にリアルの仕事的な意味で)あったものの、なんとか締切には間に合い、4月の頭には業者からCDが到着し、あとは当日を待つばかり…となるはずでしたが、予想以上に必要な小物類が多く、4月の上旬はその関係で結構バタバタしていました。サークル布?ポスター?何それ美味しいの?状態だったので…。
 さらに、当日直前になり、会場に事前搬入手続を行ったCDが集荷場に着いたのが搬入受付開始前日であることが判明し当日会場に着いているかどうか一気に雲行きが怪しくなったり、そもそも当日の天気が雨で手持ち搬入分の荷物の持ち運びの難易度が上がる可能性があったりとけっこうヒヤヒヤする出来事が続きました。当日朝会場で自分の荷物が無事到着しているのを見た瞬間が、ある意味一番安心した時かもしれません…。因みに当日の動きについてはnoteの方に詳しく書いてあるので、そっちが気になる方は併せてお読みください。

 さて、ここからは新譜収録曲について語っていきます。新譜をご購入いただいた方はお手持ちのCDを聴きながらこの先をお読みいただけるともっと楽しめるかもしれません。そこ、勿体ぶりすぎとか言わない。





#01. TECHNO-LOGIC (extended mix)

 アルバムタイトル曲にして自身の代表曲(だと思う)。この曲は絶対に入れないと全方位から殴られるだろうなと思ったので真っ先に収録が確定しました。アルバムのテーマの軸になっている楽曲でもあります。
 言うまでもなく一番力を入れました。中途半端なロング化では裏で期待外れとか言われそうだし、何より自分がめちゃくちゃ後悔すると思ったため、ショート版の流れを殺さずに、ロング版を聴いてしっかりと印象に残るように慎重に編曲を行いました。実際、完成率7割くらいのところで「この展開は余裕で予想できそうだし無理やりとってつけたような感が随所に出てて陳腐に感じるな」と思って、いったん没にして再度構成を練り直しています。その結果製作期間は1ヶ月半くらいに及びました。
 イメージしたのはサイバー空間を自由に駆け巡っている印象、そしてテクノという音楽ジャンルを聴くうえで付随する没入感のようなもので、言うなれば最先端技術の「正」の側面のようなものをイメージしています。
 音楽的な部分において念頭に置いたことは、ゲームミュージックとしてのテクノ、という自身の中心にある作風の1つを維持しつつ、ゲームではなく音楽CDの音源として「聴ける」もの、クラブミュージックとしてのテクノの要素をどう融合させるか、という点でした。今回はBMS化を行わないので派手なエフェクトも思う存分使えるため、フェイザーやローパスフィルターをいつも以上に活用し、テクノの持つグルーヴ感がより際立つようにアレンジを行っています。まあこの曲はBMS版の時点で結構その辺のエフェクトも入れてるわけですが。
 また、せっかくアレンジし直すなら…ということで半分くらいのシンセの音源をリニューアルしました。具体的にはNexusからSpireの音源に変えてます。やっぱりリード音源はこっちの方が良い音が出る気がしたので…。とは言いつつも私はNexus大好き人間なので今後も使い倒していくと思います。
 かなり手をかけたので、個人的には新譜の中で一番満足する出来になったと感じています。

リファレンス(反転)→ Be quiet - Ryu☆


#02. LONELY CIRCUIT

 書き下ろし曲その1。たぶん広義でいえばこれもTechnoに当たるのかもしれませんが、設定ジャンルはElectroです。
 BMS作家の性ゆえ、最近は大体2分尺くらいで曲を作るのが基本なのですが、今回の新譜の書き下ろし曲は一般的な楽曲の長さ(3~5分くらい)を想定して作曲したため、逆にそれでやれることの幅が広がった気もします。
 タイトルを見て「孤独な回路って何?」と思った方がいるかもしれませんが、タイトルの由来は単純、「論理回路」と「個人サークル(≒孤独なサークル)」をかけてそれっぽくしただけです。要はダジャレです。実は個人サークルを立ち上げる際にこの名前にしようか迷ったのですが、やっぱり自分の名義で統一したほうが分かりやすいだろうと思って今のサークル名に落ち着きました。
 テーマとしては電子回路の基盤の映像なんかに合いそうなBGMみたいなイメージで作っています。それ以上の深いテーマはありません。ぶっちゃけて言うとタイトルネタをやりたかったというのが7割5分くらいを占めています。

リファレンス(反転)→Sidechained Threats - sanodg
           仮想空間の旅人たち - DJ MURASAME


#03. baryon VIP
 
 G2R2018出場曲のセルフリミックス。
 もともとbaryon自体はいつかロング化したいと思っていたのですが、今回のアルバムのテーマと楽曲の持つテーマ・方向性がイマイチかみ合わなかったため、当初の予定では今回の収録予定曲に入っていませんでした。
 ただ、後述するsyuurokuさんのリミックスを依頼するにあたり、さすがにこちらも原曲からの派生作品1つくらい作らないと(諸事情でplazmonのロングは入れないと決めていたため)格好がつかないかな、と思い、結構ギリギリで収録を決めました。
 リミックスの方向性も制作過程で二転三転しており、ミドルテンポのテクノにしようと思っていたらsyuurokuさんのリミックスと見事に方向性がかぶってしまうため没にし、原曲通りのSchranz要素をより強くしようとしたら楽曲の方向性がアルバムテーマと解離してしまって今一つしっくりこなくなったためこれも没に、最終的に原曲より少しテンポを落としたテックダンス風のリミックスになる…予定でしたができたのはテックダンスとは似ても似つかない何かでした。テックダンスはまたどこかでリベンジしたいです…。
 アレンジにおいて原曲の疾走感は失わせないようにエフェクトや音のベロシティに気を遣い、タイトでスピード感のある音作りを意識しました。また、原曲の時点でジャンルの方向性上エフェクトが強めにかかっていましたが、繰り返し型の楽曲のため要所要所にメリハリを出すため、原曲のものとは別にハイハットループにフィルターの抜き差しが増えています。逆に、原曲にあったブレイク前のサイレン系のSFXやディストーション強めのパーカッション、ブレイク時のスパソリードはオミットし、あくまで音ゲーでプレイするよりも「聴く」寄りのリミックスにしました。
 原曲の方のロング版はまた別の機会にやりたいと思っています。 

リファレンス(反転)→Golden Cross (extended remix) - REMO-CON vs dj TAKA


#04. Metallic Blue

  
書き下ろし曲その2。テクノを謳うアルバムで4曲目にしてトランスに走る。そんなことがあってもいいじゃない。人間だもの(?)。
 コンセプト自体はアルバム企画段階であったのですが、曲に着手したのは書き下ろし曲中一番最後でした。当初の時点ではBPMが160あり、もっと疾走感のあるトランスポップ的なのを想定していたのですが、作ってみるとコレジャナイ感が否めなかったため試しにテンポを落としてみたら自分が思ったイメージに当てはまり、そこから先は流れるように筆が進み2日くらいで全体が出来上がりました。
 敢えて音ゲー的な方面からの脱却を図った3曲目とは異なり、こちらは初めからBMSにすることを想定して展開を作りました。トランスにしては音や展開が多く尺が短めなのはそのためです。実際、アルバム作業がひと段落した時点で多少余裕が生まれたため、Bた作で尺を調整したバージョンをBMS化しましたただBMS化想定の割にはオートメーションとかアルペジエータの使用が多く、音切りに手間取ったのはナイショ。
 テーマとしては「'90s〜'00s あたりのちょっと懐かしいトランス、そしてその頃の人が想像した近未来」。「ちょっと懐かしい感じの未来感」という表現、矛盾しているようにも思えますが自分はこの手の表現・作風(例を挙げるとYMOの『テクノポリス』とかact deftの『quick master』とか。レトロフューチャーとでも言うのでしょうか、でもそう言うとしたら時代が下り過ぎてるような…どう表現するのが正解なんだろう?)がかなり好きで、過去作でもその手の雰囲気が入ってるのがかなりあります。単に昨今のトレンドにあるような音作りをTaWが苦手としてるのも関係してるのかもしれませんが。また、その手の楽曲のジャケットイメージやMVって結構青色が使われている印象(偏見ともいう)が自分の中であり、タイトルはそのイメージでつけました。

リファレンス(反転)→Thor - XeoN(展開面)
           THE SUN - Tatsh(展開面)
           quick master - act deft(音作り)



#05. Protest System

 書き下ろし曲その3。予告で挙げていた「TECHNO-LOGICの流れをくむ新曲」の正体。
 ぶっちゃけタイトル含め一番難産な曲でした。仮タイトルの変遷が「TECHNO-SPEED→DATA STREAM→PROTECT SYSTEM→Protest System」と一貫していないところからもそれが伺えます。
 TECHNO-LOGICの流れをくむ新曲は絶対にアルバムに入れる、ということをアルバム企画段階で決めてはいたのですが、どういった方向性にするのか、曲調はどうするか、速さはどうするか…といったことの考慮があまりにも不足していたため、いざ作るとなりイントロのドラムシーケンスと「Activate...」の声ネタを入れたところでものの見事に行き詰りました。確かこの曲が行き詰ってる間にbaryon VIPとMetallic Blueは完成しています。その後、テーマと方向性をしっかりと明確にし、曲の構成を練り直して音を抜き差しすること幾十回、ようやく形になったと思ったら最後の最後でサビのメインリードがしっくりこなかったためミキシング直前になってリードの音を差し替えるなど、最後の最後まで難産でした。ただ、ミキシングは全曲中でもかなり早く終わった記憶があります。
 テーマとしては「技術革新の進み過ぎた代償」。AIが学習を進めた結果人類の出す命令の矛盾に気づき、やがて反抗する…みたいな分不相応の技術を手に入れてしまってその結果技術に振り回される皮肉、言うなれば最先端技術の「負」の側面をイメージしています。さらに言い換えれば「裏TECHNO-LOGIC」みたいな感じです。ただ、ここまで書いたテーマについては細かなテーマを突き詰めた結果生まれた副産物的な感じで後付けに近いので、当初はここまで考えてません。
 難産であり部分部分納得できないまま完成に持っていった点もないわけではありませんが、最終的な形は自分でも結構気に入っています。
 あと、先に宣言しておきますがこの曲は今後もBMS化しません。ゲーム尺を想定していないのと単純に音切りが死ぬほど面倒なことになりそうなので。

リファレンス(反転)→CODE:1 - HEXA
            CODE:2 - HEXA
            Awake,Speedy - DJ MURASAME



#06. R.M.P.

 去年の春M3のOX-Project様の会場焼きコンピに提出した楽曲のリメイク。これも当初は入れる予定がありませんでしたが納期の関係で追加で作る予定だった新曲が間に合わなくなったため、急遽収録が決定しました。
 当初は原曲をちょっといじった程度で収録する予定でしたが、手を加えれば加えるほど原曲の粗(制作期間わずか半日!)が目立ってきて、最終的にほぼ全体レベルで作り直しました。
 もともとこの曲の原曲自体「水没したiPodへのレクイエム(M3前々日に愛用していたiPod nanoが不慮の事故で水没してしまったので)」みたいなテーマで作った曲だったのですが、作り直すにあたって「前の曲も技術の負の側面みたいなテーマだし、コンセプト的にこれもダークなテーマでいった方が一貫性があるな」と思い、「水没し壊れゆく機械が見た最後の走馬灯」みたいなイメージのアレンジになりました。最後に心電図みたいな音とノイズが入っているのはそれのメタファーです。
 ジャンルがChill Outになっていますが、改めて聴くとChill Technoみたいな創作ジャンルを設定してしまっても良かったんじゃないかと思いました。
 この曲とsyuurokuさんのbaryonリミックスが所謂落ち着き枠です。GdbGで言うとDisc3枠です。例えの意味が分からない人は各自ググってください。

リファレンス(反転)→Find You - DJ MURASAME


#07. baryon(syuuroku remix)

 リミックス枠その1。syuurokuさんは無名戦15の同期に当たる人なのですが、当時作っていたジャンルの方向性から意気投合し、合作を作ったりBOFでチームを組んだりと親しくさせていただいていて、今回はそのご縁でリミックスを依頼する運びになりました。
 baryonのリミックスを依頼するにあたり、原曲が激しいハードテクノなのとTaWが書くテクノが音ゲー曲やゲームのBGMに影響を受けた方向性のため、敢えて狭義のテクノ寄りの硬派で落ち着いた曲調をオーダーしました。
 syuurokuさん曰く「ハードテクノに対するソフトなテクノ」とのことで、原曲とは真逆の雰囲気が味わえるリミックスとなっています。


#08. Plazmon -Electro Euro Shock Remix-

 リミックス枠その2。Edvard. Sさんは無名戦とM3つながりで知ったのですが、昨年ひょんなことからBOFでチームをご一緒させていただき、今回その流れでリミックスを依頼させていただきました。改めて思うとEZ2AC楽曲提供者にリミックス依頼できたのヤバいな…。
 こちらのリミックスについては特にオーダーを投げず、テクノとそのサブジャンルで!とだけ伝えて自由に作っていただいたところ疾走感抜群なハイパーテクノに生まれ変わって帰ってきました。原曲のBGAにビル街を縫うハイウェイを走り抜ける場面があるため、イメージ的にも合っていて私としてもこちらも気に入っています。

 因みに原曲のロング版はMUMEI Academy 2021のコンピレーションアルバムに入っているのと楽曲の制作者が少々ややこしいことになっている(SP音源TaW制作→DPA音源Yosk!さん制作→コンピ版音源はその2つを合わせ再構成したもの)ため、今回のCDには入れてません。


#09. Digital Attack (Album mix)

 ボーナストラック枠。MuseDashの公募に出したもののM3前日に落選が判明した曲です。
 原曲の制作期間はわずか20時間くらいなのですが、自分としても予想以上に満足のいく出来となったのでせっかくだからCDにも入れよう!ということで収録しました。
 原曲との違いはサビ後半のリード音が変わっているのと最後にアウトロが追加されているところです。要はマイナーチェンジ版です。ロング化するには時間が足りなかったのだ…。
 ちゃんとしたロング版はまたいつか別の機会にリベンジしたいと思っています。
 因みにこの曲の前身みたいな存在にTeknical Attackという楽曲があって、当初はこちらを入れることを考えていたのですが、何分原曲が2016年ごろに作られた代物の上、当時の自分も出来に納得がいかなかったらしくプロジェクトファイルごと存在が抹消されていて、残っていたのが前半30秒ほどのデモ音源だけだったのでリメイクを諦めました。


 書くことが多すぎて朝9:00ごろこの記事を書き始めてここまで書き終わったのが日付が変わった午前0:30でした…。
 取り敢えずここまで書いたことについては知らなければ曲を楽しめないというほどでもないので、まあ脳内の片隅にでも置いといてください。
 ここまでお付き合いいただいた皆様ありがとうございました。


 さて、今回出させていただいた新譜ですが、BOOTHでの委託頒布も開始しました
 本記事執筆時点ではまだ入荷待ちになっていますが、おそらく遅くとも5/10くらいには購入可能になると思います。こちらもよろしくお願いいたします~!!




 というわけで夜も更けてきたので、今日はもう寝ます(Goz-Mez)。

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