※本記事は以前執筆した「【初心者向け】BMS制作個人的Tips」に加筆しようとしたところ、内容が詳しくなりすぎたため個別記事として分離したものになります。
皆様いかがお過ごしでしょうか。TaWでございます。GWもいよいよ大詰め、ある人は休日の後半を旅行後の休養に当て、ある人は作業のラストスパートを行い、ある人は結局休暇中何もできず休暇が明ける恐怖に震えて夜もまともに眠れなくなっている頃だと思います。因みに最後のは俺です。
さて、毎年恒例のMUMEI Academyの季節が今年も近づいてまいりました。イベントルール発表時にちょっとした騒ぎがあったものの、現時点では例年並みもしくはそれ以上の数の人が名乗りを上げており、期待が膨らみます。
昨年私はMUMEI Academy前の準備が盛んに行われているであろうこの時期に、かつて自分がしてしまった失敗を踏まえ、二の轍を踏む初心者作家が現れないように、せめてもの助けになればと個人的な解説記事を執筆しました。その結果恐縮なことに何名かのBMS作家さんから「役に立った」との報告があり、モチベーションが上がったため昨年解説できなかったことを今年は新たに解説するか~とか思っていたところ、その解説しようと思った事柄のうち1つが予想以上にマニアックな内容になってしまったため、初心者向け記事の1コーナーという枠に収まりきりませんでした。第一に環境によってはまったく気にしなくてもいい話だし。ただ、需要がありそうだと感じたため、個別記事として書き直すことにしました。
というわけで本記事はその内容、beatorajaの#LNMODEの仕様についてのプチ解説記事になります。
・そもそもbeatorajaとは
簡単に言えば、LunaticRave2(以下LR2)登場以降に開発された、所謂「次世代型BMSプレイヤー」と呼ばれるソフトの1つです。
登場時期が時期だけに、本家ことbeatmania IIDXで最近追加された要素(ASSISTED EASYゲージ、緑数字、HCN等)がオプションとして追加されています。
LR2と直接的な互換性のある後継ソフトとして作られたわけではないため一長一短はあるものの、近年LR2と人気を二分するレベルになりつつある有力BMSプレイヤーです。
・#LNMODEについて
beatorajaでは、LR2にはない拡張命令がいくつか追加されています(拡張命令って何?って人は要はBMSEで直接入力欄が設けられてなくて自分で書かなきゃいけない優先度の低いゾーンだと思ってくれればいいです。#DIFFICULTYは例外的に優先度最高レベルだけど)。その1つが「#LNMODE」です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。TaWでございます。GWもいよいよ大詰め、ある人は休日の後半を旅行後の休養に当て、ある人は作業のラストスパートを行い、ある人は結局休暇中何もできず休暇が明ける恐怖に震えて夜もまともに眠れなくなっている頃だと思います。
さて、毎年恒例のMUMEI Academyの季節が今年も近づいてまいりました。イベントルール発表時にちょっとした騒ぎがあったものの、現時点では例年並みもしくはそれ以上の数の人が名乗りを上げており、期待が膨らみます。
昨年私はMUMEI Academy前の準備が盛んに行われているであろうこの時期に、かつて自分がしてしまった失敗を踏まえ、二の轍を踏む初心者作家が現れないように、せめてもの助けになればと個人的な解説記事を執筆しました。その結果恐縮なことに何名かのBMS作家さんから「役に立った」との報告があり、モチベーションが上がったため昨年解説できなかったことを今年は新たに解説するか~とか思っていたところ、その解説しようと思った事柄のうち1つが予想以上にマニアックな内容になってしまったため、初心者向け記事の1コーナーという枠に収まりきりませんでした。第一に環境によってはまったく気にしなくてもいい話だし。ただ、需要がありそうだと感じたため、個別記事として書き直すことにしました。
というわけで本記事はその内容、beatorajaの#LNMODEの仕様についてのプチ解説記事になります。
・そもそもbeatorajaとは
両替士(exch-bms2)により開発中のプレイヤー。詳しくはここを見ましょう。
LR2スキン定義やbmsonフォーマットにも対応している。
(BMSまとめ@wikiより引用)
簡単に言えば、LunaticRave2(以下LR2)登場以降に開発された、所謂「次世代型BMSプレイヤー」と呼ばれるソフトの1つです。
登場時期が時期だけに、本家ことbeatmania IIDXで最近追加された要素(ASSISTED EASYゲージ、緑数字、HCN等)がオプションとして追加されています。
LR2と直接的な互換性のある後継ソフトとして作られたわけではないため一長一短はあるものの、近年LR2と人気を二分するレベルになりつつある有力BMSプレイヤーです。
・#LNMODEについて
beatorajaでは、LR2にはない拡張命令がいくつか追加されています(拡張命令って何?って人は要はBMSEで直接入力欄が設けられてなくて自分で書かなきゃいけない優先度の低いゾーンだと思ってくれればいいです。#DIFFICULTYは例外的に優先度最高レベルだけど)。その1つが「#LNMODE」です。
これは、ロングノーツの種類を(※()内の数字は設定値)
・「始点のみに判定があり、ノーツの終点で指を離さなくても大丈夫なもの」(1)
・「始点と終点に判定があり、ノーツの終点でボタンを離さないとミス扱いになるもの(要は本家のチャージノーツ(CN)と同じ挙動)」(2)
・「始点と終点だけでなく押している間も判定が持続し、途中でボタンを離すとグルーブゲージが下がり続けるもの(本家のヘルチャージノーツ(HCN)やSDVXのロングオブジェクト等と同じ挙動)」(3)
に変更できる(デフォルトでは設定されておらず、プレイヤー側が設定した種類が反映される)拡張命令なのですが、その挙動故に少し取り扱いに注意が必要です。
例えば譜面に疑似的なBSS(beatorajaの#LNMODE 2はあくまで見た目と判定が変わるだけのため、終点に本家のBSSのような音を入れられない*)を下図のようにロング皿+終点の単発皿という形で配置する場合を考えてみましょう。

ここで、もし仮に#LNMODE 2を設定して譜面を置くと、プレイヤーはロング皿末端の01と疑似的な末端として配置された02を32分の速さで拾わなければなりません。もしBPMが2桁とかならまあ拾えなくはないですが、音ゲー曲としてありがちな170BPM以上とかの速さであればかなり厳しいです。キーボードでも専用コントローラでもその点は変わらないと思います。
おそらく大体の方がデフォルトで設定しておりLR2のLNの挙動と一緒である#LNMODE 1を設定すれば、本家のBSSを完全再現…とまではいかないものの本家のBSSと恐らく同じような取り方で演奏することが可能です。
そのため、「本家ライクの挙動がある!演奏感出したいしこれにしよう!」みたいなマインドで安易に設定するとロング皿の配置時に思わぬ泣きを見ることになりかねません。#LNMODE定義は仮に設定せずともBMSはプレイできますし、逆に未設定であればプレイヤーのオプション変更で自由に選択できるLNの種類を固定してしまうため、場合によっては設定したことがとんでもない逆効果になります。#LNMODE定義の設定は必要性を考慮したうえで慎重に入れるようにしましょう。
…ここまでの内容なら「じゃあ別に無理に設定しなくてもよくね?」で済みますし、大半の人はそれで無問題なのですが、先述のとおり、beatorajaでは#LNMODEが未設定であればプレイヤー側の設定でLNの種類を変えることができます。逆に言ってしまえば、未設定のままで疑似BSSや停止ワープ(ロング皿の始点に停止命令と超高速BPMを入れ、目的の小節で減速することで譜面がワープしたように見せるテクニック)を入れてしまうと、プレイヤー側が運悪くCNやHCNでプレイしていた場合に先述の理不尽高速皿を意図せずにやることになります。自分が知っている限り大体の人はデフォルトのLNでプレイしている印象があるため、そこまで神経質になって対策する内容ではないかもしれませんが、「プレイヤー側に疑似BSSやワープのようなギミックを確実に受け取ってもらいたい!」という強い意志のある方は、事前にトラブルの芽を摘んでおく意味で#LNMODE 1の拡張命令を入れておいた方がいいかもしれません。この方法だとLNの末端判定が無くなるため、通常のLNが本家チックな判定ではなくなるというデメリットもありますが*。
正直本記事に書いた内容はTipsやテクニックというよりもどちらかと言えばトラブル回避法に近いですが、逆に言えばLNの種類を変えることでできる新たな表現(例えばLNを捨てさせずに脳トレ特化譜面をプレイさせるためにHCNモードを固定する、みたいな)もあると思います。知識として頭の片隅に置いておけばそのうち役に立つ日が…来るかも??
*bmsonという形式を使えばこの限りではなくなるのですが、生憎筆者がbmsonについて詳細に解説できるだけの知識を持ち合わせていないため本記事では扱いません。
例えば譜面に疑似的なBSS(beatorajaの#LNMODE 2はあくまで見た目と判定が変わるだけのため、終点に本家のBSSのような音を入れられない*)を下図のようにロング皿+終点の単発皿という形で配置する場合を考えてみましょう。
ここで、もし仮に#LNMODE 2を設定して譜面を置くと、プレイヤーはロング皿末端の01と疑似的な末端として配置された02を32分の速さで拾わなければなりません。もしBPMが2桁とかならまあ拾えなくはないですが、音ゲー曲としてありがちな170BPM以上とかの速さであればかなり厳しいです。キーボードでも専用コントローラでもその点は変わらないと思います。
おそらく大体の方がデフォルトで設定しておりLR2のLNの挙動と一緒である#LNMODE 1を設定すれば、本家のBSSを完全再現…とまではいかないものの本家のBSSと恐らく同じような取り方で演奏することが可能です。
そのため、「本家ライクの挙動がある!演奏感出したいしこれにしよう!」みたいなマインドで安易に設定するとロング皿の配置時に思わぬ泣きを見ることになりかねません。#LNMODE定義は仮に設定せずともBMSはプレイできますし、逆に未設定であればプレイヤーのオプション変更で自由に選択できるLNの種類を固定してしまうため、場合によっては設定したことがとんでもない逆効果になります。#LNMODE定義の設定は必要性を考慮したうえで慎重に入れるようにしましょう。
…ここまでの内容なら「じゃあ別に無理に設定しなくてもよくね?」で済みますし、大半の人はそれで無問題なのですが、先述のとおり、beatorajaでは#LNMODEが未設定であればプレイヤー側の設定でLNの種類を変えることができます。逆に言ってしまえば、未設定のままで疑似BSSや停止ワープ(ロング皿の始点に停止命令と超高速BPMを入れ、目的の小節で減速することで譜面がワープしたように見せるテクニック)を入れてしまうと、プレイヤー側が運悪くCNやHCNでプレイしていた場合に先述の理不尽高速皿を意図せずにやることになります。自分が知っている限り大体の人はデフォルトのLNでプレイしている印象があるため、そこまで神経質になって対策する内容ではないかもしれませんが、「プレイヤー側に疑似BSSやワープのようなギミックを確実に受け取ってもらいたい!」という強い意志のある方は、事前にトラブルの芽を摘んでおく意味で#LNMODE 1の拡張命令を入れておいた方がいいかもしれません。この方法だとLNの末端判定が無くなるため、通常のLNが本家チックな判定ではなくなるというデメリットもありますが*。
正直本記事に書いた内容はTipsやテクニックというよりもどちらかと言えばトラブル回避法に近いですが、逆に言えばLNの種類を変えることでできる新たな表現(例えばLNを捨てさせずに脳トレ特化譜面をプレイさせるためにHCNモードを固定する、みたいな)もあると思います。知識として頭の片隅に置いておけばそのうち役に立つ日が…来るかも??