こんばんは。TaWです。 なおこの記事を書いているのは日中の模様
今回もWORLD WARに参戦した作品の裏話を書き連ねていきたいと思います。
お時間のある方は少々お付き合いくださいませ。
今回は本名義で出した作品である「torpedo」について扱います。
※偽名で出した作品である「Xenokiller」についてはこちらをご覧ください。
⓪事の発端
こっちにも前日譚あるのかよ!もういいよ!という声が聞こえてきそうですが、いろいろ複雑な経緯を経て私はtorpedoをWWに向けて制作することになりました。ここに大まかなその経緯を書きます。
Xenokillerの記事でも触れましたが、私は当初TaW as X名義でオーストラリアから参戦する予定でした。楽曲も、当初は音ゲー的なトランスコア的なものを想定していました。
しかし、X名義のテイストを入れた楽曲とオーストラリアという国を思い起こさせる要素の相性があまり良くなかったこと、とある楽曲の存在がどうやっても脳内にチラついてしまい(複数曲ならそれらをリファレンスにして自分の要素を入れる形で楽曲面に昇華できる(と思う)のですが、1曲に集中しておりしかも自分の要素を入れられないほど引っ張られてその曲のほぼ完コピになってしまうという最悪なパターン)自分の作品として落とし込むことが困難になってしまったことにより断念せざるを得ず、「せめて国だけは変えずに頑張ろう」とTaW名義にてオーストラリアっぽい感じの曲を作ろうとしました(具体的にはサンプリングヴォーカルを入れた夏っぽい感じのHAPPY HARDCOREを作ってました)。しかし、出来上がった曲があまりにもコレジャナイ感が否めない代物だったため(悪い意味で『自分の曲じゃなかった』)、結局悩んだ末に自分の得意ジャンルで自分のやりたいことをやるいつものスタイルに移行し、国もそれができそうなソロモン諸島に変えて(ソロモン諸島行ったことないですが) 再スタートを切りました。因みにこの間に2ヶ月経ってます。
①作曲編
そしてソロモン諸島に国を変更していよいよ本格的に制作フェーズに入ったのですが、この時点(7/18)でWW開幕まで3週間となっており、0からアイディアを練り直すのはとても困難な状況でした。本命もサブも作り始めるのがギリギリとかこいつ本当にやる気あるのか?そこで、兼ねてから温めていたアイディアを実行に移すことにしました。
どんな要素に影響を受けたのか、なぜそれをやりたかったのかは後述する項目に譲りますが、以前よりやりたかったネタの1つに、「全難易度通してプレーすると1つの楽曲になる」というものがありました。そして、それをやるべく以前から二度ほどwipやアイディアメモを保管しており、あとはまともな形にするだけ、という状態になっていました(因みに以前の記事で書いたA-1の妥協案のwipというのがこれの1つだったりします)。
もう選択肢は1つだけでした(ソロモン諸島に国を変えたのもそれをあらかじめ視野に入れてのことでした)。
ソロモン諸島→ガダルカナル島→海戦→STGの海上ステージ…という連想ゲームでテーマを決め、残していたwipやメモを元に構成を組み立てていきました。個人的にSTGというと80年代末期〜2000年代初頭の頃の作品の印象が強く、その頃の作品のBGMを念頭に置いて曲の構成や使用した音源は決めてあります。また、それっぽさを出すには実際に作品に触れるのが一番!ということで通勤時間に怒首領蜂のプレー動画を見たり、iOS版のレイフォースを久しぶりにやったりしてゲームの演出とBGMのリンクを研究したりしていました。
海上ステージっぽい透明感と高揚感があり、STGらしく射撃音や撃破音が映えそうな曲調を…という感じで前半部分はメジャー進行をベースに透き通った感じの矩形波のアルペジオを入れ、ボス戦BGMを想定した後半はテンポを上げ、疾走感といかにも「戦闘」という感じを出すために低音成分を増やし、金属系のSEや間奏部分にエレクトーンのアルペジオを入れました。「音ゲー曲」としてはかなり地味な存在になる、というのは大体予測できていたため、いかにその雰囲気を出してプレイヤーを作品世界に引き込めるか、という部分に勝負をかけました。
そして裏でXenokillerを作っていたのもあり、何とか音切りを終えたのが登録終了の前日。本来はそれよりも前に音切りが終わるはずだったのですが、何故かユニゾン部分で音切りの失敗が多発し、仕方がないのでその部分だけ手切りしていた関係でこちらもギリギリになってしまいました…。
楽曲部分については本当のSTGのBGMみたい、というインプレを多数いただき、割と好評だったようです。そういった点で雰囲気については妥協せずに作っていて良かったと思います。
②譜面編
そしてXenokillerもろとも譜面制作も締め切り間際になってしまいました…。
今回もWORLD WARに参戦した作品の裏話を書き連ねていきたいと思います。
お時間のある方は少々お付き合いくださいませ。
今回は本名義で出した作品である「torpedo」について扱います。
※偽名で出した作品である「Xenokiller」についてはこちらをご覧ください。
⓪事の発端
Xenokillerの記事でも触れましたが、私は当初TaW as X名義でオーストラリアから参戦する予定でした。楽曲も、当初は音ゲー的なトランスコア的なものを想定していました。
しかし、X名義のテイストを入れた楽曲とオーストラリアという国を思い起こさせる要素の相性があまり良くなかったこと、とある楽曲の存在がどうやっても脳内にチラついてしまい(複数曲ならそれらをリファレンスにして自分の要素を入れる形で楽曲面に昇華できる(と思う)のですが、1曲に集中しておりしかも自分の要素を入れられないほど引っ張られてその曲のほぼ完コピになってしまうという最悪なパターン)自分の作品として落とし込むことが困難になってしまったことにより断念せざるを得ず、「せめて国だけは変えずに頑張ろう」とTaW名義にてオーストラリアっぽい感じの曲を作ろうとしました(具体的にはサンプリングヴォーカルを入れた夏っぽい感じのHAPPY HARDCOREを作ってました)。しかし、出来上がった曲があまりにもコレジャナイ感が否めない代物だったため(悪い意味で『自分の曲じゃなかった』)、結局悩んだ末に自分の得意ジャンルで自分のやりたいことをやるいつものスタイルに移行し、国もそれができそうなソロモン諸島に変えて
①作曲編
そしてソロモン諸島に国を変更していよいよ本格的に制作フェーズに入ったのですが、この時点(7/18)でWW開幕まで3週間となっており、0からアイディアを練り直すのはとても困難な状況でした。
どんな要素に影響を受けたのか、なぜそれをやりたかったのかは後述する項目に譲りますが、以前よりやりたかったネタの1つに、「全難易度通してプレーすると1つの楽曲になる」というものがありました。そして、それをやるべく以前から二度ほどwipやアイディアメモを保管しており、あとはまともな形にするだけ、という状態になっていました(因みに以前の記事で書いたA-1の妥協案のwipというのがこれの1つだったりします)。
もう選択肢は1つだけでした(ソロモン諸島に国を変えたのもそれをあらかじめ視野に入れてのことでした)。
ソロモン諸島→ガダルカナル島→海戦→STGの海上ステージ…という連想ゲームでテーマを決め、残していたwipやメモを元に構成を組み立てていきました。個人的にSTGというと80年代末期〜2000年代初頭の頃の作品の印象が強く、その頃の作品のBGMを念頭に置いて曲の構成や使用した音源は決めてあります。また、それっぽさを出すには実際に作品に触れるのが一番!ということで通勤時間に怒首領蜂のプレー動画を見たり、iOS版のレイフォースを久しぶりにやったりしてゲームの演出とBGMのリンクを研究したりしていました。
海上ステージっぽい透明感と高揚感があり、STGらしく射撃音や撃破音が映えそうな曲調を…という感じで前半部分はメジャー進行をベースに透き通った感じの矩形波のアルペジオを入れ、ボス戦BGMを想定した後半はテンポを上げ、疾走感といかにも「戦闘」という感じを出すために低音成分を増やし、金属系のSEや間奏部分にエレクトーンのアルペジオを入れました。「音ゲー曲」としてはかなり地味な存在になる、というのは大体予測できていたため、いかにその雰囲気を出してプレイヤーを作品世界に引き込めるか、という部分に勝負をかけました。
そして裏でXenokillerを作っていたのもあり、何とか音切りを終えたのが登録終了の前日。本来はそれよりも前に音切りが終わるはずだったのですが、何故かユニゾン部分で音切りの失敗が多発し、仕方がないのでその部分だけ手切りしていた関係でこちらもギリギリになってしまいました…。
楽曲部分については本当のSTGのBGMみたい、というインプレを多数いただき、割と好評だったようです。そういった点で雰囲気については妥協せずに作っていて良かったと思います。
②譜面編
そしてXenokillerもろとも譜面制作も締め切り間際になってしまいました…。
譜面についても当初は
・初期段階はN・H・Aの3つを常駐させておき、それらの最後1小節に何らかの形(地雷かBGA)で暗号を仕込み、
・隠しファイルとしてロング版譜面(とN・H・A音源のそれぞれ別難易度)を予めパスワード付きzipで入れておき、解読した暗号でパスワード解除、それらが遊べるようになる
・LR2IRでlong_mixのクリア達成者が5人を超えたらINSANE難易度として超高難易度化したA音源の曲変化差分を追加配信
という無駄に壮大な計画を練っていたのですが当然その状態では間に合うはずもなく、妥協案としてせめてギミックに気付いてもらうためにN〜Aだけは世に送り出そう…と思い急ピッチで譜面を作りました。Aは間に合ってないけど。
Xenokillerの方がありとあらゆる面でギリギリだったのもあり、最終的にテストプレーまで終えて登録期間に間に合ったのはNとH譜面のみ。結局Aとロング版譜面、そして最大の肝であったBGAは登録期間終了から2週間以上経った後に追加配信、という形を取り、何とか「評価期間には」作品が間に合いました。
結果的にこのことが後に大幅な減点を招いてしまうことになるのですが…。
譜面は実際のSTGの難易度幅を意識して制作しました。音ゲーとSTGはゲーム性がかなり異なるためその辺の落とし込みが難しいと思いますが(何故かこの2つを融合させてしかもそれを良ゲーにしたタイトーは本当に凄いと思います)、少なくともSTGにおいては最低レベルがいきなりかなりの難易度である、みたいなことは怒首領蜂シリーズや東方を除いてそうそうないと思います(自分が無知なだけかもしれませんが)。だからと言って最高レベルが簡単かと言われると当然そんなことはない。ということでNは局所難や強烈な理不尽配置を入れるようなことはせず、ノーツ数も少なめにし、Hは少し応用的な内容も入れてそこそこの地力譜面に、Aは(ボス戦を意識したこともあり)物量もエグい配置も大幅に増やしてかなりの高難易度に仕上げました。long_mixはSTGにおける通しプレー(まあアーケード版ではそれが普通なんですが)を意識し、内部難易度的には最上位なので全配置は強化しつつもtotal値は適正値の1/3に設定し、シビアなゲームバランスにしました(ただ、ノーツ密度的には全体的に同じくらいになっていると思うのでプレー感覚的には特に変わりないようにはなるよう音ゲー面には配慮した…つもりです)。
③BGA編
STGがテーマ、ということで、この作品にはBGAによる世界観の補完が確実に必要だと当初から思っていました。こちらも、当初の予定では実際のゲームプレーを模したドット絵アニメーション(コマ撮りは流石に自分の技術的に無理なのでオブジェクトを作りAviutl内で動かして作る)で全編作る予定でした。しかし、上述の理由で譜面制作が遅れてしまったため、ゲーム上の優先順位としては楽曲と譜面よりも下になってしまうBGAの作成も当然後回しになり、評価期間的に当初のアイディアの完全実現は無理だと思い至りました。
せめて世界観補完と演出面については妥協したくない、ということで作っていた素材(と所持していたフリー素材)を使用して本家の専用レイヤー+汎用BGAのような構成の映像を作り、何とかそれっぽいものを作り上げました。
最も時間がかかったポイントはやはりドット絵作画です。大型ボス(256×256)は当然サイズも大きくなるため、基本的に32×32のドット絵を専ら描いている身としては、細かいところまで描き込めるけれど拘り出したらキリがないという感じで、さらに部分部分可動状態にするためにパーツを分けたこともありあと何より筆者が遅筆気味なのもあり、作成に3日以上かかりました。
BGA中でもサラッと流されていますが、世界観設定としては「エイリアンが襲来し、海面が大幅に上昇した地球で反撃のために国連が秘密裏に作っていた水空両用戦闘機を駆り特殊部隊が出撃する!」的な感じになっています。ソロモン諸島ってことで海要素を入れたかったのと、海上ステージBGMという作品のコンセプトの説得性を増すために用意した部分もあります。実写パートで海底廃墟っぽい素材を使っているのと、CGパートで水没したビル街が流れるのはその辺の設定と関係があったりします。そこの映像はフリー素材なので全部自分が作ったわけじゃないけど。
④リスペクト元一覧
はい、一部の皆さんはお待ちかねのリスペクト元公開タイムです。
Twitterで散々匂わせていましたが、本作品自体が90年代のSTGのリスペクトという存在なのもあり、個人的に影響を受けた様々な作品の要素が入っていたりします。
☆楽曲面
・家庭用「beatmania IIDX 13 DistorteD」より「Shoot'em All」
・「怒首領蜂大往生」より「東亜」
・「レイフォース」より「Penetration」
・「レイクライシス」より「女の子にセンチメンタルなんて感情はない」
・BMSイベントPABAT2020のDolphinさんの作品「Aploach Your Target」
☆演出面
・家庭用「beatmania IIDX 12 Happy Sky」より「Scripted Connection⇒」 (AC版と異なり隠し譜面としてロング版が遊べる)
・「ダライアス外伝」より「VISIONNERZ 〜幻視人〜」 (1面道中・ボス・2面道中通して流れる)
・「レイクライシス」のBGMの構成 (1〜4面を通して1つの長い曲が流れる)
☆デザイン面
・「怒首領蜂」の赤い機体
・「グラディウス」のビッグコア
・「怒首領蜂」の2面ボス
・「レイフォース」の3面ボス
⑤反省編
…とここまで裏話を書いてきたわけですが、そんなことがあろうとなかろうと容赦なく結果は残ります。
本作についてはA以上の譜面とBGAが追加されたタイミングで評価の傾向が結構変わったような気がします(まあ『作りかけ』と『完成品』とでは評価が変わるのは当然だと思いますが)。それだけに、これらの要素をもう少し早く追加できていれば…とその部分については悔しさが残りました。
インプレで突っ込まれたところとしては以下の点がありました。
(※印がついてるのは差分追加前に投下されたもの)
・曲の展開が冗長※
上述の通り、展開より世界観重視で作ったためこういった突っ込みは入るだろうなーと予想はしていました(毎回展開がショボいと言われてる気もするけど)。一応リズムパターンを変えたり音を足したりして後半になるにつれて展開が変化していくようにしたつもりではあります。ただ、過去に音ゲーでこういったギミックを入れた楽曲については、全譜面でそれぞれ明確に展開が異なっているため、そういった楽曲の凄さが改めてわかった気がします。Tatshさんは凄い。
あと何より世界観を補完する最大のポイントであるBGAが遅れたのが痛かった…。
・作りかけなので評価できない※
これについてはもう「遅れてすみません」としか言いようがないです…。
・音が小さい
もう一方の作品と異なり、こちらは音量調整をほとんど入れなくても十分な音量を確保できていると判断して出したのですが、そこそこ突っ込まれたため小さかったのかもしれません(直前までXenokillerの音量と格闘していたため相対的に大きく聞こえていたという可能性あり)。ミックス難しい…。
・音がショボい
「 90年代っぽい音」ということで古めのアナログシンセ音源を使用したのですが、恥ずかしながら筆者はシンセをいじって音作りをするのがめちゃくちゃ苦手なため(Nexus3をメインウェポンとして使っている主な理由がこれ)、それっぽいプリセットをぶち込みまくったのが多分裏目に出たのかもしれません。一応TB-303系の音のいじり方はこれを作った後に少しわかってきたので、何とか自分で音を作ることができるようにもなりたいと思います。まあ最新のプリセット買いまくってミックス側詰めた方が現実的かもしれないけど。
作品の構成やコンセプトについてはかなり好評価をいただいた印象があるため、やはり上位譜面とBGAが間に合わなかったのが最大の命取りになったのだと思います。そういった意味でも「Xenokillerさえ作っていなければ…」という気持ちになったのは事実です。
まとめると「『偽名を使えば複数作品登録可能 』というシステムの裏をかきたい」「せっかくのイベントなので音ゲーっぽい曲を書きたい」、この2つの誘惑に抗えなかったのが今回のイベントの私の敗因だと思います。
上述のようにtorpedoにおいて実現できなかったけどコンセプト的に入れたかった、という要素は多々あるため、別の機会にこれらの要素を入れ、かつ今回の反省点を生かした作品を世に出せたらな、と思っています。
最後の方はほとんど私の負け惜しみになってしまいましたが、WWの裏話としてはこんなところです。
ここまで1BMS作者の嘆きに付き合ってくださった皆さまありがとうございました。
WWには高クオリティな作品が数多く登録されているため、未プレーの方は是非パッケージを落としてやってみましょう!
そして先日ついに結果が発表され、WWはエイリアンサイドの勝利、という形で幕を閉じました。
エイリアンにより蹂躙され、壊滅的な打撃を受けた地球。
終末世界で人類の残党は何を見るのか?
This story continues "BOFXVI -NEO DYSTOPIA-"...
…これがやりたかっただけです。ではBOFXVIでお会いしましょう!
・初期段階はN・H・Aの3つを常駐させておき、それらの最後1小節に何らかの形(地雷かBGA)で暗号を仕込み、
・隠しファイルとしてロング版譜面(とN・H・A音源のそれぞれ別難易度)を予めパスワード付きzipで入れておき、解読した暗号でパスワード解除、それらが遊べるようになる
・LR2IRでlong_mixのクリア達成者が5人を超えたらINSANE難易度として超高難易度化したA音源の曲変化差分を追加配信
という
結果的にこのことが後に大幅な減点を招いてしまうことになるのですが…。
譜面は実際のSTGの難易度幅を意識して制作しました。音ゲーとSTGはゲーム性がかなり異なるためその辺の落とし込みが難しいと思いますが(何故かこの2つを融合させてしかもそれを良ゲーにしたタイトーは本当に凄いと思います)、少なくともSTGにおいては最低レベルがいきなりかなりの難易度である、みたいなことは怒首領蜂シリーズや東方を除いてそうそうないと思います(自分が無知なだけかもしれませんが)。だからと言って最高レベルが簡単かと言われると当然そんなことはない。ということでNは局所難や強烈な理不尽配置を入れるようなことはせず、ノーツ数も少なめにし、Hは少し応用的な内容も入れてそこそこの地力譜面に、Aは(ボス戦を意識したこともあり)物量もエグい配置も大幅に増やしてかなりの高難易度に仕上げました。long_mixはSTGにおける通しプレー(まあアーケード版ではそれが普通なんですが)を意識し、内部難易度的には最上位なので全配置は強化しつつもtotal値は適正値の1/3に設定し、シビアなゲームバランスにしました(ただ、ノーツ密度的には全体的に同じくらいになっていると思うのでプレー感覚的には特に変わりないようにはなるよう音ゲー面には配慮した…つもりです)。
③BGA編
STGがテーマ、ということで、この作品にはBGAによる世界観の補完が確実に必要だと当初から思っていました。こちらも、当初の予定では実際のゲームプレーを模したドット絵アニメーション(コマ撮りは流石に自分の技術的に無理なのでオブジェクトを作りAviutl内で動かして作る)で全編作る予定でした。しかし、上述の理由で譜面制作が遅れてしまったため、ゲーム上の優先順位としては楽曲と譜面よりも下になってしまうBGAの作成も当然後回しになり、評価期間的に当初のアイディアの完全実現は無理だと思い至りました。
せめて世界観補完と演出面については妥協したくない、ということで作っていた素材(と所持していたフリー素材)を使用して本家の専用レイヤー+汎用BGAのような構成の映像を作り、何とかそれっぽいものを作り上げました。
最も時間がかかったポイントはやはりドット絵作画です。大型ボス(256×256)は当然サイズも大きくなるため、基本的に32×32のドット絵を専ら描いている身としては、細かいところまで描き込めるけれど拘り出したらキリがないという感じで、さらに部分部分可動状態にするためにパーツを分けたこともあり
BGA中でもサラッと流されていますが、世界観設定としては「エイリアンが襲来し、海面が大幅に上昇した地球で反撃のために国連が秘密裏に作っていた水空両用戦闘機を駆り特殊部隊が出撃する!」的な感じになっています。ソロモン諸島ってことで海要素を入れたかったのと、海上ステージBGMという作品のコンセプトの説得性を増すために用意した部分もあります。実写パートで海底廃墟っぽい素材を使っているのと、CGパートで水没したビル街が流れるのはその辺の設定と関係があったりします。
④リスペクト元一覧
はい、一部の皆さんはお待ちかねのリスペクト元公開タイムです。
Twitterで散々匂わせていましたが、本作品自体が90年代のSTGのリスペクトという存在なのもあり、個人的に影響を受けた様々な作品の要素が入っていたりします。
☆楽曲面
・家庭用「beatmania IIDX 13 DistorteD」より「Shoot'em All」
・「怒首領蜂大往生」より「東亜」
・「レイフォース」より「Penetration」
・「レイクライシス」より「女の子にセンチメンタルなんて感情はない」
・BMSイベントPABAT2020のDolphinさんの作品「Aploach Your Target」
☆演出面
・家庭用「beatmania IIDX 12 Happy Sky」より「Scripted Connection⇒」 (AC版と異なり隠し譜面としてロング版が遊べる)
・「ダライアス外伝」より「VISIONNERZ 〜幻視人〜」 (1面道中・ボス・2面道中通して流れる)
・「レイクライシス」のBGMの構成 (1〜4面を通して1つの長い曲が流れる)
☆デザイン面
・「怒首領蜂」の赤い機体
・「グラディウス」のビッグコア
・「怒首領蜂」の2面ボス
・「レイフォース」の3面ボス
⑤反省編
…とここまで裏話を書いてきたわけですが、そんなことがあろうとなかろうと容赦なく結果は残ります。
本作についてはA以上の譜面とBGAが追加されたタイミングで評価の傾向が結構変わったような気がします(まあ『作りかけ』と『完成品』とでは評価が変わるのは当然だと思いますが)。それだけに、これらの要素をもう少し早く追加できていれば…とその部分については悔しさが残りました。
インプレで突っ込まれたところとしては以下の点がありました。
(※印がついてるのは差分追加前に投下されたもの)
・曲の展開が冗長※
上述の通り、展開より世界観重視で作ったためこういった突っ込みは入るだろうなーと予想はしていました
あと何より世界観を補完する最大のポイントであるBGAが遅れたのが痛かった…。
・作りかけなので評価できない※
これについてはもう「遅れてすみません」としか言いようがないです…。
・音が小さい
もう一方の作品と異なり、こちらは音量調整をほとんど入れなくても十分な音量を確保できていると判断して出したのですが、そこそこ突っ込まれたため小さかったのかもしれません(直前までXenokillerの音量と格闘していたため相対的に大きく聞こえていたという可能性あり)。ミックス難しい…。
・音がショボい
「 90年代っぽい音」ということで古めのアナログシンセ音源を使用したのですが、恥ずかしながら筆者はシンセをいじって音作りをするのがめちゃくちゃ苦手なため(Nexus3をメインウェポンとして使っている主な理由がこれ)、それっぽいプリセットをぶち込みまくったのが多分裏目に出たのかもしれません。一応TB-303系の音のいじり方はこれを作った後に少しわかってきたので、何とか自分で音を作ることができるようにもなりたいと思います。まあ最新のプリセット買いまくってミックス側詰めた方が現実的かもしれないけど。
作品の構成やコンセプトについてはかなり好評価をいただいた印象があるため、やはり上位譜面とBGAが間に合わなかったのが最大の命取りになったのだと思います。そういった意味でも「Xenokillerさえ作っていなければ…」という気持ちになったのは事実です。
まとめると「『偽名を使えば複数作品登録可能 』というシステムの裏をかきたい」「せっかくのイベントなので音ゲーっぽい曲を書きたい」、この2つの誘惑に抗えなかったのが今回のイベントの私の敗因だと思います。
上述のようにtorpedoにおいて実現できなかったけどコンセプト的に入れたかった、という要素は多々あるため、別の機会にこれらの要素を入れ、かつ今回の反省点を生かした作品を世に出せたらな、と思っています。
最後の方はほとんど私の負け惜しみになってしまいましたが、WWの裏話としてはこんなところです。
ここまで1BMS作者の嘆きに付き合ってくださった皆さまありがとうございました。
WWには高クオリティな作品が数多く登録されているため、未プレーの方は是非パッケージを落としてやってみましょう!
そして先日ついに結果が発表され、WWはエイリアンサイドの勝利、という形で幕を閉じました。
エイリアンにより蹂躙され、壊滅的な打撃を受けた地球。
終末世界で人類の残党は何を見るのか?
This story continues "BOFXVI -NEO DYSTOPIA-"...