Technological audio Works. 情報局

BMS制作時の裏話とか載せるブログ。

2020年07月

※注意事項※
今回は割とデリケートな話題を扱います。
前回「不穏な話題は扱いません!」って言った結果がこれだよ!
一応閲覧注意ということで。
また、割と自分の主観で語っている部分が多いので、致命的なミスがある可能性もあります。
その場合は指摘していただけると助かります。

以下本文です。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓






どうも、TaWです。基本このブログはイベント後の裏話とかを語るときにしか動かさないのですが、ちょっと思わせられることがあったので書きます。
あ、ちなみにMF3の裏話については基本作品のreadmeで語りきってしまった気がするので書かない予定です。

前回の入りでもちょこっとだけ書きましたが、私は現在DJMAX RESPECT V(以下V)という音ゲーにハマっております。
様々なジャンルの楽曲(割と音ゲーで聴くことの少ないボサノバとかライトポップスなんかも入っています)が収録されており、DLCによる楽曲追加も積極的に行われているため、現在Steamで配信されている音ゲーの中ではMuseDashと並んで特に「熱い」ゲームだと思います。残念ながらもう終わってしまいましたが、今年のSteamサマーセールではかなり安くなっており、これで購入した人も多いのではないでしょうか。かくいう自分もその1人ですし。
さて、そんなVですが、先日告知があり、スマホ・タブレットで展開されている音ゲー「Cytus II(以下Cytus)」とのコラボDLCが登場する、という情報が入りました。
一足先にCytus側にはVの楽曲(というか歴代DJMAXシリーズの名曲)が収録され、ファンの間では結構話題になっていたようです(反応していた人は海外の方が多く、英語のスラングや短い言い回しに疎い自分は意味を完全にくみ取ることができませんでした…)。
自分はCytusを初代からずっとやりこんでおり、CytusをきっかけにしてBMS界隈入りした(ここの詳しい理由は後述します。これ読んでるような人には言うまでもないと思いますが。)ような面もあるため、Cytusを好んでプレーしてきた身としてはこれを逃す手はない!と買う気満々でめちゃくちゃ楽しみにしておりました。

そして昨日(7/16)ついにDLCが本配信され、その収録楽曲がベールを脱いだわけですが、正直いろんな意味で愕然としました。
とりあえず一覧を見てみましょう。

・Shoot Out
・Les Parfums de L'Amour
・Ververg
・CODENAME : ZERO
・EMber
・Mammal
・OLD GOLD
・Entrance
・L
・AXION
・conflict
・Myosotis

この時点で嫌な予感がしている人、あなたの感性はたぶん私と似ています(知らんがな

正直この時点で物申したい気分ですがここはぐっと抑えて、
1つずつ見ていきましょう。
・Shoot Out
知る人ぞ知るVITA版「Cytus Λ」からの移植。TsukasaさんはDJMAXにも楽曲提供をしていらっしゃいますし、何より個人的に好きな曲なのでこれは嬉しかったです。
・Les Parfums de L'Amour
これなんも見ずにタイトル書ける人いるんですかね?初代Cytusのチャプター1からの移植。
結構テンポが速めのため、初見で苦戦した方も多いのではないでしょうか。
・Ververg
初代Cytusのチャプター1の曲。作曲はあのonokenさん、歌唱はbさんとかなり豪華なことになっています。Cytusでは「ani」という変名義になっていましたが、こちらではonoken名義になっています。
・CODENAME : ZERO
初代Cytusのチャプター9ボス曲。曲の後半になって襲い掛かるBPM200の同時押し連打とアウトロのプチ発狂でトラウマになった苦戦した人も多いはず。Cytusを代表するボス曲だと思います。ビィトタァイム…
・EMber
Cytus IIからの移植。初期のアップデートで追加された曲。担当キャラクターの「ROBO_Head」のサントラの最後の1曲で、どこかエンディング感があります。意外なところから持ってきたなあ…
・Mammal
Cytus IIからの移植曲。Cytus側でも解禁にDLCが必要になるため、無課金勢はまず出会うことがない曲ですが、疾走感がありどこかアジアンテイストなサウンドが良い感じを出しています。これまた意外なところから…
・OLD GOLD
初代Cytusのチャプター6より。Cranky氏らしいド派手なレイヴサウンド。DJMAXにはこの曲の続編と考えられる「BLACK GOLD」が入っているため、この展開はかなり熱いと思います。
・Entrance
ご存知初代Cytusチャプター2のボス。Cytusの代名詞的な楽曲でしょう。Cytusプレイヤーに最初の壁として立ちはだかり、さらにその奥には2つの裏楽曲が控えているというまさに「音ゲーボス曲」らしい曲だと思います。最近はRAVONにアレンジ版が入ったり、maimaiにコラボで移植されたりと再注目されているような。

…ここまでは割と妥当な選曲だと思います。II枠はもっと他に候補あっただろとか言わない。
・L
FDが出るまでCytus最難関の座に居座っていた曲(厳密にはその原曲)。後にこの曲の派生で丸々1チャプター作られたり、アレンジ版がCytus ΩのEX専用曲になったり(結局実現には至りませんでしたが泣)、Deemoのとある曲にフレーズが引用されたり、IIでさらにアレンジされ「iL」と名を変え最難関の1つに返り咲くなどCytusシリーズを代表する1曲です…が、実は初出はBMSだったりします。ただ、この曲に関しては移植時に大幅にアレンジされ、何度もアレンジを経て最終的には最早別曲になっているため、「Cytusの曲」として扱われても全く問題ないと思います。

この先からちょっと雲行きが怪しくなります。
・AXION
BMSイベント「Wire Puller 2」で登場した、MagicMashMan(=削除)氏の楽曲。氏らしい壮大かつ透明感のある楽曲でイベントでは最多インプレを記録するも、作風があまりにもわかりやすすぎたことからか最終スコアは最下位でした。その後初代Cytusのチャプター8ボスとして登場し、一躍脚光を浴びました。これまでにない独特な配置で苦戦したCytusプレイヤーも多かったと思います。
ただ、これを「Cytusの曲」として出すのは…まあ、Cytusに入ったことで有名になった側面があるのは事実ですし、普通に良い曲なのでここは気持ちを抑えて受け入れましょう。
・conflict
BMSイベント「BOF2011」優勝曲。この曲についてはもう説明は不要だと思います。おそらくBMS初出の音ゲー曲ではもっとも有名な曲の1つではないでしょうか。
…これを「Cytusの曲」として出すのはちょっと無理があるような…。なんならCytus入る前にすでにToneSphereで猛威振るってたし…。もっと言えばDJMAXと開発元一緒のTapsonicにすでに入ってるからそっちから引っ張ってこれたかもしれないのになぜ貴重な枠を消費して入れたのか…。

これについてはもうツッコミしか出ません。
・Myosotis
Deemoのver.2のストーリー完走報酬兼大ボスとして登場。作者が同じで曲の歌詞的にも前作ポジションのMagnoliaをさらに強化したような局所難譜面でDeemoプレイヤーの度肝を抜きました。
…お前Cytusの曲じゃねえだろ。なんでCytus枠でしれっと入ってるんだよ。
因みに兄弟曲のMagnoliaはDeemoコラボのDLCで入りました。まあ両方遊べるのはありがたいんだけどさあ…。

…とまあ後半3曲に対してはかなり辛辣なコメントが沸き上がってきたわけですが、よくよく考えるとCytusの代表曲は、初代に関しては特にですが、BMS初出の曲が多いです。これが良いとか悪いとかを論じるのはまた話が違ってくるため今回は(というかたぶん今後も)扱いませんが、少なくとも今回の収録ラインナップに違和感が生じたのはそのあたりにも関係がありそうです。1つ確実に言えるのは、初代Cytusを取り巻いていた状況と今のBMS周りの状況が大きく変わっている、ということです。
初代Cytusがヒットしていた当時、スマホでできるオリジナル音ゲーは実質Cytus一強状態で、またBMS曲の移植はACは勿論、家庭用やアプリ音ゲーでもほとんどありませんでした(たぶん唯一できたのがDJMAXに入っていたAKITO氏の『桜華月』。残念ながら現行のVでは収録から外れてしまっています。あとちょうど黎明期だったToneSphereもBMS曲が遊べるスマホ音ゲーでしたが、Cytusに比べるとちょっと弱かった印象)。そんな中、CytusにはHalcyon、Parousia等のBMS曲が移植されていきました。商業音ゲーとはいえ、当時はまだCytusも今ほどの一大コンテンツになっておらず、スマホオリジナル音ゲーに魅かれたプレイヤーがちょっとやりこんでいる、という程度で、後にHalcyonやParousiaがCytusのサウンドトラックに収録された際も特に大きな騒動はなかったと思います(当時自分はそこまでBMS界隈に造詣が深くなく、気に入った曲を落として聴いていた程度なので詳しくは分かりません)。
逆に、CytusでHalcyonやParousia、後に入ったBlackLairやRainbow Night, Sky Highway、AXION等をプレーし、曲について調べるうちに「あ、この曲BMSっていうのが初出なのか!ほかにもかっこいい曲多いみたいだしやってみよう!」と興味を持ち、BMSプレイヤーになったり界隈入りした人もかなりいると思います。かくいう自分もそれに近いです(自分は追っかけになっただけで、それから界隈に本格参戦を果たすまで約5年の間があるのですが、それはまた別の機会に)。
そういった意味で、Cytusが(図らずとも)BMS界への入り口として働いていたという事実は大きいと思います。また、何度も言うように当時はBMS曲の商業音ゲーへの移植が今ほど積極的に行われていなかった(たぶん某K社との関係が大きいと予想)のとCytus自体がそこまで大きい会社が作っているゲームでもなかったため、BMS曲が入ったとしても「ああこれも入るのか」と「界隈の一部」的な見方で見られていたのかもしれません。

それから8年近く経ちました。今やスマホ音ゲーでインスト曲中心のゲームにはほぼ必ずBMS曲が入っており、ゲーセンに行ってもかなりの機種でBMS曲がプレーできるようになりました。おそらくこれの火付け役になったのはやっぱりあの機種ではないかなー、と個人的には思うのですが、それは置いておいて。
結果、「BMS曲」という1つの音楽ジャンルが生まれ、「BMS=公式音ゲーへの登竜門」みたいな見方で一部で見られてしまっていることも否めません。
ただ、BMSはあくまで「BMS」というゲームです。それ以上でもそれ以下でもない、ということを改めて商業音ゲーから入ってBMS曲に触れるようになった人には認知してもらいたいと思っています。
こういった現状になっている、と踏まえた上で。
今回のCytusのDLCの一件は少々やりすぎではないかと個人的には思いました。確かに、CytusはBMSを知るきっかけとして良い方向で機能していたと思われるのは事実ですし、現状の音ゲーにBMS曲が入ることもそういった面ではメリットとして働いていると思います。
ただ、それを当時のノリでやるのは(意識してるのかわかりませんが)違うぞ、と。
BMSの立場が徐々に変わっていったように、Cytusの立場も明らかに変わりました。
AC化は実現できませんでしたが(Ωやりたかった…)、続編のIIはスマホ音ゲーではおそらく最大手としての立場を維持し続けているのみならず、AC音ゲーとのコラボや、ついには初音ミクやキズナアイといった有名コンテンツともコラボし、AC音ゲー顔負けのコンテンツ力を持つゲームに成長しました。プレイヤー人口が増えたのも大きいと思います。
そんな立場のコンテンツが、当時のノリで(そうじゃないことをマジで願ってはいますが)BMS曲を「オリジナル曲」扱いで持っていったらどうなるか。
答えは明確だと思います。

…ただ、正直なところ自分が消費する「だけ」の立場から、消費するだけでなく「作る」立場になったためこのように考えるようになったという側面も大きいと思います。
現に、Twitterで軽く検索をかけたところ、「conflictがVで遊べる!嬉しい!」という感じの感想が多く、そこまで消費者側は考えずに受け取るんだな、と思いました(決して悪い意味ではありません)。とりあえず、今回の曲はCytusでも有名で強烈な印象を残している曲ではあるんだけど、その前に0から作り上げた人たちもいて、そっち側で楽しんでる人もいるんだよ、ということをその辺の事情を知らない方にも少し知っておいてほしい、という意味合いでこの記事を書きました。
届くかどうかはわかりませんが。
あと、個人的にはCytusには今回移植されなかった曲にもオリジナル曲でいい曲はたくさんあるので(Light up my love、Iris、Precipitation、The Black Case、Area184、Holy Knight、Zauberkugel、Colorful Skies、First Gate、GATRIX…思いつく推しが初代だけでこれだけあります(オタク特有の早口))外部コンテンツの力に頼らずそのあたりをもう少し自己完結する努力をしてほしかったな、と1Cytusファンとして思うわけです。
企業の方にも届くかどうかはわかりませんが。

なんかめっちゃ長くなっちゃいましたが、今回はこの辺で。
今後、不穏なネタの記事は自分としてもあまり書く気が進まないので書かないよう努力しますが、この記事で不快に思われた方がいらっしゃいましたら申し訳ありません。
ただ、もし自分と同じ考えの方がいて、この記事を読んで同じ考えの人がいたんだ…と気分が晴れれば幸いです。



最後に一言。

Myosotisの初出はDeemoです。

てめーの敗因はたった1つだぜ…TaW…

たった1つの単純(シンプル)な答えだ…

 

「てめーはジャンル警察を怒らせた」

 

                             ─糸冬─
                               著作・制作
                                                                                                                        ───────
                                                                     ⒷⓂⓈ

 



…冗談です。
はい、最近はSteamサマーセールで買ったDJ MAX RESPECT VをやりこんでいるせいでWWの楽曲制作の進捗があまり思わしくないTaWです。ボリューム凄いですねこれ。全曲やりこむには一体何ケ月かかるんだ…。
 さて、先日(2020.06.01 - 2020.07.05)、BMSイベント「第17回自称無名BMS作家が物申す!(以下『無17』)」及び「A-1 CLIMAX 10TH - LIKE A SHINING DIAMOND -(以下『A-1 10th』)」が行われました。そして無17は7/9、A-1 10thは昨日(7/12)に結果、及び総評が公開され、無17はFutamiさんの「Gimme All The Cocaine」、A-1 10thはkei_iwataさんの「ウタカタ・サマーメモリーズ」の優勝という形で幕を閉じました。お二方とも本当におめでとうございます!!

そして拙作「紫電(SHIDEN)」は…

A-1参戦39曲中13位でした。
因みに平均値では28位、Not Air率では32位、インプレ数では6位でした。
…殆どインプレ数で点数稼いでるような気がするけど気にしない。

作品数が昨年の約2.7倍なので一概に比較はできませんが、総合順位のポジションとしては大幅に上がったため、その点では成長を実感できる結果になったと思います。現に、インプレでも「前作と比べて大幅な成長が感じられた」というコメントを多数頂き、確かに成長できているのだという確信が持てました。
ただ、今回の目標であった上位25%入りには一歩及ばず、また上述の通り作品のクオリティ的な評価では実順位はもっと下の方になってしまうという現実があるため、この結果を「去年より上だ!やった!」と素直に受け取れない部分があるのも事実です。クオリティ面については今回詰めきれなかった部分も多数あるため、これを次回に向けて伸ばしていきたいなと思います…って次のイベントまで1ヶ月切ってるじゃん!アウトプットが間に合わねえ!

本記事では私の作品の裏話、そして無17&A-1 10thで特に印象に残った作品の紹介をしていきたいと思います。昨年みたいに不穏な要素は一切無いのでご安心を。


①曲について(作曲編)
作品のread meでも少しだけ触れましたが、本作品の構想のもとになったのは昨年のA-1の前(多分5月くらい)の某氏のツイートだったりします。
詳しいことは若干センシティブな話題とかも入るので省きますが、それをタイトルモチーフにしたBMS作って一発ネタをやりたいな、と思い、ジャンルはDnBにして…とここまでやったのはいいものの当時DnB向けの音源を殆ど所持していなかった自分はいきなり壁にぶつかり、そのままやる気も薄れたのでその案は結局没、プロジェクトファイルも残す意味がないと思い破棄しました。
そしてその約10ヶ月後、A-1の参加表明開始時期も迫り、いい加減作品の構想を固めるべきだと思い始めたあたりでふと「そう言えばDnBやるっていうのをまだ実現させていなかったなー…」と思い出し、さらにTwitterで流れてきた診断で引いたBPMが186だったため、「自分への挑戦も兼ねて、今回はBPM186のDnB系、しかも最近流行っている(と自分の中では思っていた)Neurofunkでいこう!」という感じでアイデアが固まり、制作を開始しました。つまりきっかけはほぼTwitter。ツイ廃ここに極まれり。
また、これまたTwitterに上げた話と被ってしまうのですが、BOFU2017に自分が出場する際作っていたけれどチームの方向性と合わず没にした楽曲があり、それでやりたかったことを方向性は違えど今回リベンジしたい、と思った面もあります。タイトル名や作者名義はそれに因んでいたりします(「改」オプションをつける際は漢字タイトルの音ゲーを意識した速めの楽曲を作る、というスタイルを自分の中で決めているため)。某鯖で某氏にネタにされ続けている本作品のタイトルですが、その由来は某戦艦擬人化ゲーム…ではありません。
そしてリファレンスとして好きな感じのDnB系をとにかく聴きまくり、昨年末にアップグレードしたNexus3から良さげなプリセットを引っ張り出し、良さげなドラムパターンができてさあこれから…というところで自分のやりたい方向性にブレが生じ、1フレーズ作っては消し、作っては消し…というのを1〜2週間ほど繰り返しました。完全に作業が停滞してしまい、なかなか自分の中で「これだ!」というものができなかったため、しまいには「もうDnBは今回も諦めていつもの音ゲーテクノでお茶濁して、どうせ早めに登録すればインプレ数でアドバンテージ取れるしそれで行けば…」とかなり舐め腐った思考に陥りかけていました。
現に妥協案のアイデアメモやwipがあったりします。そちらはそちらで今後何らかの形で形にしたいですが。
しかし、昨年非常に悔しい結果に終わり、2年連続それをやってしまうのは流石に自分としても不本意だし、他者目線から見れば「ああこいつは全然成長してないしこの程度なんだな」と見られてしまうことにもなるため、ここは妥協してはいけない、と思い、妥協せずに作品に立ち向かうことにしました。
そして作っては消しを繰り返した末に漸く自分好みのフレーズができ、それを軸にDnBとしての疾走感を生かしつつ、ブレークから最後まで一気に盛り上げる感じで…とイメージを膨らませ、それを形にして4月末に基本的な形が出来上がりました。それにFXや細かなPluckを追加し、譜面担当のC4氏に楽曲のデモを渡したのがGW明け。軌道に乗ってからは早いもので意外とスケジュールに余裕が残りました。
楽曲のマスタリングにはちょうど無料期間中に入手したOzone9 Elementsを使用したのですが、これで最下位バージョンなのか、と思うくらい自然なマスタリングに仕上がり驚きました。現在は最上位のAdvancedを所持していますが、Elementsの段階で非常に高性能なのでマスタリング初心者のDTMerはぜひ入れましょう。iZotopeは頻繁にセールをやってるのでそこを狙えばお得です。以上ステマでした。

②曲について(BGA編)
前回はBGIだけでしたが、今回は何としても空気で終わりたくない!という強い意志があったため、当初からBGAをつける予定でした。ただ、作品のモチーフ自体はそこまで明確に定まっていたわけではないため、思い切って完全に白紙の状態から曲のイメージに合わせてどう展開できるか、という見切り発車挑戦をしました。そしてPluckの持つ透明感、ドラムとベースの攻撃性を意識しつつ、さらに「紫電」というタイトルから紫色モチーフで…と矩形を動かしていて、ふと「紫電ってよく考えればそんな名前の戦闘機もあったし、曲調的にシューティングゲームとも相性良さそうだから最初に出した立方体フレームをボス枠にして、それに自機が立ち向かう、という構成で進めたら良いのでは?」と自然と方向性が固まり、後はもう自分の思うがままに作りました。個人的には中盤の自機視点で街の上空に出現したボスと対峙する場面が気に入っています。あの場面ですが、Aviutlの仕様上1つのレイヤーには1つのオブジェクトしか置けないのと立体図形はループ処理による複製がうまくいかないため、30レイヤーほど使用して1つ1つ置いてカメラ制御で視点を動かしています。フレームレートを60fpsに設定していた上、私の現在の作業環境がノートPCのため当然処理は追いつかず、そのシーンが正常に動くかどうか毎回わざわざ書き出してテストしていました。早くデスクトップPC買え
サビ以降のボスとの対決シーンではいまいち疾走感が出切らなかった部分があるため、その部分をこれから改良していきたいと思っています。
因みに「紫電」というタイトルではありますが、BGA中に登場する戦闘機のモデルはF-35 Lightning IIです。流石にこの辺りは小ネタ程度に留めておこう…と思っていたらインプレでそれを見事当ててきた方がいてマジで驚きました。軍用機ガチ勢怖い…。

③曲について(譜面編)
譜面に関してはPABATの少し前辺りにC4さんに高難易度部分を依頼し、私は低〜中難易度(B、N、H)に集中することにしました。昨年は展開が割と派手だったのと自身が本家IIDXで好んでプレーするジャンルの1つであるTranceだったため自ずと作りやすかったのですがそして依頼予定だった譜面作家の皆様が軒並み無名戦に行ってしまい依頼を飛ばすに飛ばせなかったのもありますが、今回は開催までまだ比較的時間があったこと、そして作品の方向性がこの時点では決まっておらず昨年のように自ずとそれなりの難易度の譜面を作れるとは限らないと思ったこと、また自身の作れるまともな高難易度譜面の幅に限界があり、高難易度枠はそれが得意な譜面作家さんに依頼するのが最善策だと思ったことによりそう判断しました。結果的にその依頼した相手がA-1でまさかのライバルとして登場をしたわけですが。
依頼するにあたり、私は1つのことを決めました。
G2R2018以降、事あるごとに高難易度譜面をC4さんに依頼しているのですが(本当いつもお世話になりっぱなしで申し訳ないです…)、頻繁にインプレで触れられる点で「低難易度譜面と高難易度譜面の差が開きすぎている」、「譜面の方向性が全く異なっていて驚いた」というものがありました。別に譜面作者ごとに譜面の方向性が違ったってええやん!とは思うのですが、確かに低難易度譜面の目的の1つに「上位難易度への対策」、「上位難易度譜面の易化」という部分はあると思うし、順当に低難易度をクリアしていったら上位難易度との差がめっちゃあるし譜面のベクトルが全く違って手も足も出ない、となれば当然印象も悪くなると思うので、一理あるとは思います(と言っても、本家のスクリプのように全難易度音源が違ったりmoon_child(A)のように譜面傾向が全く違うせいでHをやり込んでもAへの対策になるとは限らない譜面が本家にもBMSにも大量にあると思うのでその辺りを気にしても…という気がするのが本音ではありますが)。そこで、C4さんの作るA譜面が上がってくるまで譜面に手をつけず、上がってきたA譜面の配置を見てそれをもとにしつつ、そこから自分なりに叩いていて気持ちよさそうな音・配置を盛り込んで譜面を制作することにしました。正直これは一種の賭けでした。譜面の納品が仮に登録開始日に間に合いそうにない場合、自動的に登録が遅れることになるからです。しかも、登録日が間近に迫ったところでOGG化に失敗している音がかなりの数存在していることが発覚し、急遽音源の差し替えが必要になる事態になってしまいました。幸い譜面そのものには影響はなく、依頼していた譜面も登録開始の前々日に届き(ちなみに後に分かったことですが、C4さん自身この時期かなり厳しいスケジュールで活動されていたそうです。本当にお疲れ様です…。)、こちらも急ピッチで譜面作成を進め(上のように考えてはいたものの、結局間に合わなかったときのためにN譜面はある程度配置してしまっており、それをAの配置基準に組み直しました)、自分の担当する全工程が完了したのが登録開始日の前々日。今回はこれまでに比べてかなり心の余裕を持って登録期間を迎えられた気がします。1番は取れませんでしたが。
また、当初DP譜面は間に合ったらつける、という程度の認識で制作を進めていたのですが、ちょうどそのことをTwitterで呟いたら何とYosk!さんが引き受けてくださり、搭載されることになりました。本当にありがとうございました。
譜面はこのような試みが功を奏したのか、結構好評だったようです。

④曲について(反省点編)
そして作品が開始40秒くらいで登録したにもかかわらず4番で登録され(因みに開始1分で15作品が登録されていたとの情報があったような気がします)約1か月間に及ぶ激闘に臨んだわけですが、結果は皆様ご存知の通りになりました。
順位的にもインプレ数的にもNot Air数的にも昨年よりも大幅に上がり、インプレでも多くの方から「成長を感じる」と言っていただけたわけで、さらに言えばこれまでのイベントでギリギリA-1出禁ラインに届かなかっただけで実際の実力は超ド級なヤバい面々や往年のベテランの方々を相手によくここまで健闘できたなと自分でも思っていますが、個人的には最初にも書いた通り素直に喜べない部分があります。
個別データを見てみるとよくわかりますが、自分の場合その得点のほとんどをインプレ数でカバーしている側面があり、それ以外のパラメータが上位半分の中でもかなり低いです(※勘違いしないで頂きたいのですが、ここで自分が言いたいのは『何で自分の作品の点がこんなに低いのか』みたいな文句ではなく、得点がほとんどインプレ数頼りになってしまっているという事実についてです)。早めに登録したことや、Twitter上でのアピールを頑張ったことが功を奏しているのかもしれませんが、単に「作品が何らかの理由で手に取りやすい位置にあり、それで評価してもらえる機会が多かった」という理由で点が伸びたという側面があるのは否めないと思います。変な話ですが、仮に登録が大幅に遅れていた場合、自分はここまで点は伸びなかったと思います。この結果は、自分が「上位3分の1に入った!自分凄い!はい終了!」と舞い上がっている場合ではなく、作品単体のクオリティをもっと上げなければ容易に去年の二の舞になるぞ、ということを遠回しに警告しているような気もします。そういった部分も含め、努力を怠らずにこれからも頑張っていきたいと思います。
前置きが長くなってしまいましたが、今回の反省点は以下のような感じになります。
ベースが弱い
正直本来DnB用に作られたわけではないベースを色々組み合わせて無理やりそれっぽい音を作って使っているため、DnBとしてはいまいちな部分もあったかもしれません。
似た指摘に「低音が弱く聞こえる」というのがあり、自分としてはかなり低音処理に気を遣った(+Neutronのプリセットで仕上げた)ため低音が弱すぎる…ということはないと思うのですが、もしかするとベースの音選びの関係でそう聴こえてしまっている部分も少なからずあると思います。
サンプルパックを買うなり、最適なミキシングを突き詰めるなりして改善していきたいものです。
余談ですが、ベース系最強シンセことSerumをこの曲が完成した後に買いました。もし次にDnB系を作ることがあるならその時までに使いこなせるようになっておきたいです。
展開が単調で飽きる
親の顔より見たんじゃないか?と思うくらい毎回言われていることですが、正直なところ自身がメロディ作りの苦手を克服しない限りずっとついてくると思います。個人的に好きな曲がメインフレーズを何度も繰り返す系の曲なのも影響しているかもしれません。某氏のメロディ作り講座の動画を見て勉強するなり有名な既存曲を耳コピしてテクニックを盗むなりして克服していきたいと思います。
ただ、テクノやDnB系においてはそれよりもリズムパターンやFX系の入れ方で違いが出るため、自分の場合得意なジャンル的にはこちらの方の研究を突き詰めていくべきな気もします。
そもそもこれNeurofunkなの?
誰がどう言おうとNeurofunkです。
真面目に書くと、作っている途中で自分でも「これ普通のDnBじゃね?」と思った場面が多々ありました。結局のところ、ジャンルをNeurofunkにしたのは初志貫徹的な意味でそのようにした面が大きい気がするため、実際のジャンルは普通のDnBの方が近いと思います。
本場のNeurofunkはもっとベース周りが金属質で尚且つゴチャッとしているため(伝わって)、その辺りの音の再現を頑張ってみたいですね…というかこれもプリセットなりサンプルパックなり買った方が早い気がする

取り敢えず反省点や課題は相変わらず山積みですが、自分なりに現時点で持てる力を出し切れ、また新たなチャレンジもできたので気に入っています。
次こそは本物のNeurofunkに挑戦したいですね。


⑤個人的にオススメな無17&A-1 10thの作品
今回は無名戦・A-1共に歴代最多クラスの作品が登録され、またA-1に至っては歴代最多インプレを10作品が更新するという10回目にして記念すべきイベントになったわけですが他にも次々とA-1参戦予定者が無名戦と会場を間違えたり、登録ミスで作品が9分裂したり、Twitterで某氏のIknow率についてのハッシュタグが作られたり、コメントで強烈な存在感を放つ作品があったり、制作環境欄で性癖を暴露する猛者が現れたり、某作品のBGAがYouTubeで規制を食らったり、タイトルだけで話題をさらう作品が登録されたり、コロナ禍を逆手に取りかなりの人が全曲プレー配信を行ったり、好好侍だったり、ヤバさっていうの?感じたよ俺もだったり、非常に高クオリティな作品が多く、プレイヤーとしても非常に盛り上がるイベントでした。私自身も腕前的にどうやっても無理だった1作品を除き全作品プレーしたわけですが、印象に残る作品が多数ありました。
ここで個人的にオススメな作品を紹介したいと思います。作者名については敬称を略させて頂きます。ご了承ください。

(無17編)
散恋華 -BMS Edit- / 38k
ベテラン作家38k氏による、ド直球な和風ダンスポップ。
譜面は低~中難易度中心で押しやすく、初心者の方にもおすすめです。
Weaponhuman / paraneumann
無17総合3位。タイトル通りの強さを感じさせるハードトランス。
そして目を引くのが高クオリティなBGA。なんと自作(!)だとか。これからの活躍が楽しみです。
CrossSectionOfMind / crossworld
ゲーム性が強く意識されたテクノ。テクノだけでなく、様々なジャンルの要素が盛り込まれています。
「脳」と書かれた不思議なBGAも印象的。
opia / rN
目が描かれた不思議な世界観のBGAが印象深いNeurofunk。その雰囲気も相まって、どこか心の奥底を見通されているような気分になる楽曲です。どこかに暗号が隠されているようですが…?
Gimme All The Cocaine / Futami
無17優勝曲。これでもかとばかりに盛り込まれたベースが耳に飛び込んできます。その迫力はまさに「低音の暴力」。譜面も速度変化やBSSが効果的に使用されており、楽曲の強みが生きていると思います。
そして何より目を引くのが見るからにヤバいBGA。若干閲覧注意気味な内容ですが、刺さる人には間違いなく刺さります。因みに驚くべきは楽曲、BGAの作者がともにこの方向性で作るのは初とのこと。センスを感じました。
間隙を縫う / NoE
Neurofunk / IDMという非常に攻めたジャンルに挑んだ意欲作。Neurofunkで参戦していた者として、この曲をプレーした時に「ああ自分の完敗だ」と思いました。とにかく空間系の作り込みが半端ではなく、曲の雰囲気に引き込まれます。余談ですが、楽曲の読みは「かんげきをぬう」。「かんすき」ではありません。
昨年はガチなオーケストラが出てきた無名戦ですが、今年はガチな民族音楽が登場しました。この曲を聴いてヨーロッパの街並みやRPGの街中の雰囲気が思い浮かんだ人も多いとか。譜面も低〜中難易度から特殊なタイプの譜面まで揃っていて音ゲーとしても高クオリティ。
音ゲーオタクのことをよく「理解って」いらっしゃる曲その1。高揚感を感じさせるピアノ曲。転調が多用されていますが、全く違和感を感じさせない辺りに氏の技術力を感じます。
音ゲーオタクのことをよく「理解って」いらっしゃる曲その2。イントロの時点で引き込まれるものがありました。いやーほんと自分ピアノが入ってくるエモいトランスに弱いんですよ…。譜面の難易度が抑え目のため、初心者の方にもオススメです。
無17総合2位。壺の人ことK4Y5さんによるオシャレで疾走感のあるジャズ。2年間かけて完成させたという作品とのことでその作り込みは筋金入り。そしてこちらも目を引くのが強烈なインパクトのBGAネタBGAにガチな曲、悪くねえなあ──。後述の尖った譜面も相まって無名戦なのにNotAirというコメントが飛んでくるほどでした。譜面はとある要素に特化した上位譜面が同梱されており、挑んだプレイヤーを返り討ちにしているとか。ちゃんと低〜中難易度も入っているのでご安心ください。
RAKUGAKI NOTE / kas_0120
無名戦にラグタイムが登場すると一体誰が予想したでしょうか…。
落書きから生まれたキャラクターが暴れまわっているかのような、明るくどこかコミカルでスピードを感じさせる楽曲です。
リリースカットピアノによる歯切れの良いフレーズがクセになるトランス。トランスというジャンルになっていますが、実際にはエレクトロニカやジャズ等の要素も含まれており、飽きを感じさせない構成になっています。そして特筆すべきはその音の作り込み。一部難易度は打鍵感を維持するべく専用の音が録られているとのことです。
これ本当に無名戦か?と疑いたくなるほど高クオリティな作品が今回かなりの数ありましたが、その筆頭格がこれです。これBOFでも絶対上位取れますよ…。
丁寧な音作り、完成された世界観、癖がなく叩きやすい譜面…とそろうべきものがそろった感のある作品。譜面の難易度が控えめなので、初心者の方にもお勧めできます。
爽やかで明るい雰囲気のハウス。パッケージ版ではB譜面のみが同梱されていましたが、程なくしてBGAと上位譜面が追加され、その全容が明らかになりました。ドット絵が可愛らしいBGAも必見。こちらも自作だとか。
ヤバイヤバイヤバヤバイヤバイヤバヤバヤバ…ヤバヤバ…
音MAD界隈やSDVXにおいても有名なN-Driver氏がまさかの参戦。例年インプレで必ず目にするヤバい!!!!!!!!!!という言葉がこれほど似合うBMSは他に無いと思います。タイトルとBGIが強烈ですが、曲そのもののクオリティも非常に高く、妖しげな雰囲気のPsyStyleになっています。
サイバーでシリアスな雰囲気のDnB。同傾向の作品で勝負した身としてシンパシーを感じました。当初の予定ではバトル系のBGAが付く予定だったそうで、楽曲の展開にそれを意識したと思われる部分が見られます。
余談ですが、Exsyさんは昨年手書きBGAでイベントを沸かせたXibaさんと同じ界隈で活躍されている方とのこと。アニメーションの実力は確かなので、今後の作品でぜひリベンジしていただきたいです。
前情報一切なしでプレーするとただ謎のみが残る作品。それもそのはず、この作品は譜面によりBGAやアレンジが異なっており、全て触れて尚且つ作者さんによる補足を読むことで漸く全貌が見えてくる、という極めて難解な作品です。ランダム定義、地雷、速度変化、リズムのズレ、果てはBMSプレイヤーのバグに至るまで使用して表現された世界とは…。音ゲーとしてはかなり異質ですが、プレー後「何か」が心に残る、そんな作品です。後述のC4さんの作品とともに、BMSの持つポテンシャルの大きさを感じました。
登録順では一応今回の紹介分で一番上に来る作品ですが、作品の特殊性故無名戦の中では最後に紹介させていただきました。

(A-1 10th編)
Removal / saaa
A-1総合2位。最終日のギリギリまで優勝曲とデッドヒートを繰り広げました。HYBRID COREのジャンル名の通り、ハードコアテクノとそのサブジャンルの様々な要素が取り入れられており、楽曲としても聴いていて飽きず、音ゲーとしてもプレーしていて飽きない二度美味しい曲。因みにBGAに登場する寿司は自然発生的に出てきたとのこと。自然発生…?
参加表明時及び会場登録時の奇抜過ぎるコメントが話題をさらったeiさんの楽曲。因みに海外勢が困惑して某氏が解説する羽目になったとか。謎めいた一言とは裏腹に、楽曲そのものはド直球かつストイックなテクノとなっており、まさにビートで勝負しにきている感がありました。テクノ好きの自分としてはかなり推したい作品です。噂によるとプレー後にゲージの推移を表すグラフが歯の形になる人もいるとか。流石にそこまで想定はされていないと思いますが…。
「曰く付きのラジオから流れる曲」という設定の、ノイズが入った古びた感じの音色が印象的な曲。とにかく雰囲気の作り込みが半端でなく、本当に発掘されたカセットテープから当時の音源で当時の曲を聴いているように感じました。渋い感じの曲が好きな方は是非。
エモさの極み。この一言に尽きます。しっとりした感じで始まり、サビにかけて徐々に盛り上がり、サビはバリバリなJ-COREになるあたりがもう最高すぎました。プレー時には涙腺崩壊にご注意ください。
楽曲面に絞って言えば、個人的に今回のA-1で一番印象深かった曲です。イントロのフレーズの時点で秀逸なのにそれに頼りきりにならず、展開を広げてさらに盛り上がるサビに繋げてまたイントロに戻る、と構成の作り方がめちゃくちゃ上手いと思いました。
余談ですが、BGAの世界観、キャラクターに「何か」を感じるかもしれませんが、その辺の詳細は作品のreadmeにて語られています。自分の好きをあそこまで昇華させられるの、凄すぎる…。
これまで純和風サウンドのインスト曲を中心に発表してきたSetca.さんですが、まさかのヴォーカル曲で参戦。3分超えの大作ですが、冗長さを一切感じさせない楽曲となっています。譜面も曲の長さを意識してかプレイヤーを飽きさせないように配置が工夫されているため、長めの曲が苦手、という方も是非プレーしてみましょう。
今回のA-1の総合優勝曲。夏を感じさせる爽やかなハウス。
曲中何度も入ってくるスクラッチと高速ラップが良いアクセントになっています。因みにあのラップはkei_iwataさんご本人によるものだとか。譜面もスクラッチ主体であり、所謂皿曲が好きな方にオススメです。
因みにイベント終了後2日ほど「(任意の4文字)・サマーメモリーズ」と言うふうにタイトルをもじる遊びが一部で流行っていた模様。
今回の私の曲のA、I譜面を担当してくださったC4さんの作品。最終日に驚異的な追い上げを見せ、見事総合3位を獲得しました。もうイベント終了してるし本人からも総評で解説がされているため言うだけ無駄だとは思いますが、「前情報ゼロの完全初見状態」でやることをおすすめします。一つ言うとしたら、「BMSだからこそできる」作品です。因みにあの譜面、1日で全部作ったそうです。ヤバすぎでは…?

※kei_iwataさんの作品とC4さんの作品については、2作品のビジュアル面を担当された有島さんが行った先日の配信で制作の裏話が語られています。興味のある方は見てみましょう。

イベントの最後を飾った、近未来的な雰囲気のFuture Core。イベントの終盤に登録される作品は登録期間に間に合わせるために何らかの粗が出てしまいやすく、そこで点を失いやすい印象がありますが、この作品の場合はギリギリまで完成度を高めたためこの順番になったのではないかと思います。
曲良し、BGA良し、譜面良し。

ここに紹介した作品以外も高クオリティな作品ばかりなので、未プレーの方はイベントページを訪れて気になったものからプレーしてみてはいかがでしょうか。
ついでに私の作品もプレーしていただけたらめちゃくちゃうれしいです。

昨年は参加者が少なく、今年はどうなるのか?と不安そうな声も開始前にちらほらあった無名戦&A-1でしたが、終わってみれば歴代でもトップクラスの作品数とインプレ数を記録し、大盛り上がりでした。これには昨今の情勢が少なからず関わっている部分も大きいかもしれませんが、イベントが盛り上がるに越したことはないと思うので、結果的には良い方向に働いたと思います。また、プレイヤーと作者の距離が近く、環境さえ整えばだれでも無料で楽しめる、というBMSのフリーゲームとしての長所が改めて再認識されたようにも感じます。

長くなってしまいましたが、今回の内容としてはこんな感じです。
改めて、A-1 10th、及び無名戦17参加者の皆様、お疲れさまでした。
私の作品にインプレをくださった皆様、心よりお礼申し上げます。
主催・運営をしてくださったSOMONさん、tolzさん、ありがとうございました。
そして優勝者のお二方とも本当におめでとうございます。

さて、来年はどんな戦いが繰り広げられるのか──。








…とここまで書いてきてあれなんですが、一応断っておきます。
やたら偉そうなことを書いたり有識者っぽいことを書いたりしてますが、自分はイベント運営関係者でもベテラン作家でも何でもありませんし、あくまで本ブログは1BMS作家がイベント後のお気持ち表明とか裏話を書くために使っている場所に過ぎません。
ここまで読んでくださった方、一個人の心の叫びに付き合ってくださりありがとうございました。

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