Technological audio Works. 情報局

BMS制作時の裏話とか載せるブログ。

※注意事項※
本記事は取り扱う話題の関係で、若干センシティブな内容を含みます。
また、できる限り冷静に書くことを努力いたしますが、筆者の私怨が一部に含まれている可能性がございます。
また、言うまでもありませんが、筆者がここで書く意見が絶対に正しいというわけでもありません。
上記のことを念頭に置いたうえで、あくまで「一BMS作家の心の叫び」程度の認識で、軽ーい気持ちで読んでいただければ幸いです。
↓↓以下本文↓↓



先日(2019.06.01 - 2019.06.30)、BMSイベント「第16回自称無名BMS作家が物申す!(以下『無16』)」及び「A-1 ClimaX -Be A Spring Star!-(以下『A-1』)」が行われました。
終了翌日未明に結果が発表され、無16はtolzさんの「Telescope」、A-1はSOMONさんの「-零-」が優勝という結果で幕を閉じました。
お二方とも本当におめでとうございます!!

そして拙作「Episode Zer0」は…
A-1参戦13曲中10位でした。
因みにA-1の肝の1つである「Not Air」率は断トツで最下位でした。
参戦表明1番、登録番号1番、順位はある意味下から1番!笑えない!

正直かなりしょっぱい結果になってしまいましたが、この結果を真摯に受け止め、次に生かすのがBMS作家としての自分の使命だと思うので、確と受け止めようと思う所存です。

さて、本記事では私の作品の裏話、今回のA-1で得た教訓、個人的にお勧めしたい無16及びA-1のBMSの紹介、そして裏で色々話題になってたらしいインプレについて書いていきたいと思います。
たぶん私の各記事で過去最長になるかもしれませんが、暇な方は読んでいただけると幸いです。



曲について(作曲編)
曲の構想自体は昨年末から始めており(実は無名戦対抗戦よりも動き出すのが早かった)、当初、ジャンルは自身の得意とするテクノ、もしくは最近流行っている(筆者の偏見ですが)ジャンルであるHi-Techを予定していました。
そして曲のスケッチが完成し、いざ書き出す…という段階になってふと我に返ってみると曲の尺が5分を超えており、ショート版を作ろうにも自分が叩かせたい部分が全体に散りばめられておりうまくまとめられず、また音の強さ的にも満足のいく仕上がりになっていなかったため、泣く泣く没にしました。
そうしているうちに3月になり、無名戦対抗戦の準備が本格化し、気づけば4月1日になり、日付変更とともにA-1のツイッターアカウントが参戦表明についての告知をしました。
気持ちが昂っていた自分は内容をよく読まず、脊髄反射でアレな宣伝文句とともに参戦表明をしてしまいました(これで図らずして参戦表明1番乗りを果たすことになりました)。
そしてふと我に返ってA-1の方向性、そして自分の宣伝文句を見て私はこう思いました。
「空気作家にならず、刺さるような曲を求められているときに、果たして自分の『いつもの』サウンドで曲を作って良いのだろうか?」
ちょうどその頃無名戦対抗戦が大詰めを迎えており、そこに寄せられたインプレの中に「トランス系にすべきだったかもしれない」、「もっといろいろなジャンルに挑戦してみては?」というものがありました。
それらが自分の中で結びつき、「敢えて王道の音ゲートランスでド直球なものを作り、空気作家の名からおさらばしよう!」という発想に至り、作曲を開始しました。
自分はBMS作家になる前も何度かトランスは作ったことがあるのですが、いわゆる「音ゲートランス(某本家の某コンポーザーの曲に代表される、所謂『エモい』進行と多めの展開、そして部分部分にアルペジオが入ってくるような曲調のトランスのこと)」は初挑戦だったため色々と苦戦しました。
少なくともサビはここぞと来る感じのものを入れたいと思って最初に作り、それからブレイク→ビルド→アウトロ→イントロの順で作曲を進めました。
色々言われているサビのメロディーですが、自分の中ではっきり「お!展開変わったな!」と思うようなメロディーを思い浮かべていた時、自然と降ってきたメロディーを耳コピし、落とし込んだものだったりします(明らかに叩かれた一番の原因はそれだよ!)。
個人的には特にブレイクとサビのつなぎ目がなかなか自然にいかず苦労しました。コード進行が一部不自然になってしまったのはそこを無理やりつなげたからかもしれません。
他にもメインリードの音がなかなか厚くならなかったり、一部の音(特にベース)が埋もれてしまい、かといって単純に音量バランスを変えただけではかえって耳障りに聞こえてしまったりと色々思い通りにいかず大変でしたが、同時に新しい試みを行っているワクワク感、そして「これだけ必死で作っている曲なのだから高順位を取れるのは間違いない!」という謎の自信(実際はただの傲慢)でかなり楽しくできたと思います。
また、曲のタイトルですが、これは「令和一発目の曲のタイトルはこれにしよう!」と自分の中で予め決めていたものを採用しました。BMSのreadmeにも書きましたが、「令和」と「零話」をかけたダジャレみたいなものです。

曲について(譜面編)
様々な腕前のプレイヤーに対応すること、そして自分が叩いていて楽しいだろうなーと思うような譜面にすることを念頭に置き、こちらも今までで一番力を入れました。
以前言われていた「高難易度がいささか極端すぎる」という点を改善すべく、譜面難易度はほぼ等間隔になるようにし、某本家の同ジャンルの曲を何曲もプレーしたりプレー動画を見たりして譜面傾向を掴みつつ自分の叩いていて楽しい配置を探し、自分なりの「楽しい譜面」の答えを探しました。
高難易度については、今回はいつも譜面作成の依頼をしている方々が軒並み無16に出てしまっていたためそれと出遅れて依頼するタイミングを完全に見失ってしまったため完全に自力で作る必要が生じ、できない難易度でもどうにかして…と必死で作りました。
今思うと前半のベルやエレピに合わせた配置が割と音階通りに置きやすく、リズム隊と合わせても不自然になりにくかったのが幸運だったと思います。
こちらはどうやら自分の気持ちがそのまま実ってくれたらしく(?)、かなり多くの方から高評価を頂きました。恐縮です。
個人的には終盤のハンクラ皿配置が気に入っていたりします。

曲について(反省点編)
さて、こうして色々と直前まで詰め、ついでに登録番号1番を取るという実績(?)も開放して臨んだわけですが、結果は皆様の知るとおりになりました。
自分もこれで色々と自分の「今」の姿を思い知らされたわけですが、今回特に痛感した課題や教訓をここからは書いていきます。
要するに1人反省会なので裏話的な要素はほぼありません。興味のない方は読み飛ばしましょう。
リズム隊が弱い
正直、キックはデフォルトの音を若干いじった程度のものをそのまま使っていたため、改めて聞いてみると自分でも「ああ軽いなあ…」と思いました。
EQ、及びコンプがカギになると思うので、ちょうどいいグルーヴ感を得られるような音を狙ってみようと思います。
メロディーラインが不安定
一番言われたこと、そして同時に自分が最もダメージを受けたインプレ。正直自分が「絶対にうけるはず!」と特に力を入れた部分だったために落胆が大きかったです(後述の問題と絡めて尚更)。
ただし、逆に言ってしまえば「王道展開が来る、と思ってたのに来たのが全然違う方向で肩透かしを食ってしまった」ということでもあるため、もとはと言えばこちらの研究不足が原因だと思います。
やると決めたからには最後までその方針でやり通すことは大事だと改めて思いました。
王道ジャンルは逆に言えば厳しく評価されやすい
これは別に悪いことではありませんが、本番を迎える前に自分が「王道なら高評価されるはず」という謎の自信(無知ともいう)を持っていたため、尚更痛感することになりました。
「万人受け」は意図的に作れない
以前聞いたとある方の話でこんな話がありました。
「ある父親が息子に『ロボットが欲しい』、娘に『かわいらしい人形が欲しい』と同時にせがまれた。困った父親はロボットにかわいらしい塗装を施し、2人に与えた。
当然2人は怒った。」
正直ぶっ飛んだ話だと思いますが(さすがに実話ではないと思います)、今回の件もこれに近い部分があるかもしれません。
自分は「できるだけ多くのBMSプレイヤーにうけそうなもの」という漠然とした狙いで曲を作った。
結果、中途半端なものが出来上がり、空気作家の烙印を押されることになってしまった。
現に、そういったジャンルを好む人に届けるつもりで作った曲や、自分のやりたいことをできるだけ詰め込んで文字通り「自分の趣味」で作った曲は、評価こそ割れたものの、確かにその手の曲を好きだと思う方に届き(そう信じたい)、建設的なインプレも頂けた。
恐らくそういうことだと思います。
確かに世間一般で受けている曲はありますが、そういった曲は熟練の作曲家がトレンドを掴んだうえで作った曲だったり、シンガーソングライターがある特定の人のために作った曲だったりとやはり漠然とした集団をぼんやりと思い浮かべて作ったわけではないので、「万人受け」狙いで曲を作ることは非常に難しく、少なくとも今の自分が意図的に作れるものではないと感じました。

結論としては、「貴方のストライク」を狙いきれなかった。

なんか途中から話が脱線しまくった気がしますが、こんなところです。
プレーしてくださった皆様、インプレをくださった皆様、改めてありがとうございました。
次の作品で成長した姿を見せられるよう努力します。


個人的にオススメな無16&A-1 9thの作品
色々プレーしましたが、個人的に特に印象に残ったものをここで簡単に紹介しておきます。
作者名については敬称を省略させていただきます。ご了承ください。
何曲かインプレ間に合ってない気がするけど気にしない。

(無16編)
Happy New Sky / Qayo
全体的にどこか懐かしい音づかいと初期のBMSを彷彿させるBGAが印象的な、何かの始まりを予感させるような曲調のトランス。意図したのかどうかはわかりませんが、この曲が無16において最初に登録されたことに何かしら運命的なものを感じました。
OveRLoaD / NGTMT
90年代を彷彿させる、ネオンで照らされた夜の街を駆けるかのような雰囲気のアッパーなユーロレイヴ。曲、譜面ともに疾走感抜群です。ユーロビート好きの方はぜひやってみましょう!
My Most Medding Maker / 暮狛
発表と同時に様々な話題を呼んだ作品。詳しく言うとネタバレになるため敢えてこの表現を使いますが、「BMSでしかできない」タイプの曲です。初見プレー推奨。できれば「☆10」以上をプレーしましょう。因みに筆者は腕前がゴミなのでビギナー譜面を泣く泣くやりました…。
THE RED STRING / Xiba
その世代の人には間違いなく刺さるストーリー性のあるBGAが印象的な作品(BGAは自作で、しかも全部手描き、作画枚数は1800枚だとか。本気度が凄まじい…)。曲もどこか当時を感じさせる曲調になっています。
Telescope / tolz feat. 音街ウナ
今回の無名戦の優勝曲。クリアな感じに調声されたボーカルとフューチャーベースサウンドがマッチした、まさに「納得のクオリティ」の作品です。個人的にはボーカルにグリッチ系のエフェクトがかかる部分が気に入っていたり。こちらもBGAは自作だとか。ヤバい…。
The Viking / BBBB
BMSでは(というか音ゲー全体でも)珍しいオーケストラ系の楽曲。まさかガチなオーケストラで参戦してくる人がいるとは思わなかったため、プレー時はひたすら圧倒されていました。譜面は三連符縦連が叩いていて気持ちいいです。
今回の無名戦、半分BOFと化してません?

(A-1編)
Re; Chaos / U.N.E.
音ゲー全体でも割と珍しい(最近は少しずつ耳にするようになってきていますが)ジャンルであるTrap。低音が命であるこのジャンルの魅力をしっかり味わえる曲と譜面になっています。空読無 白眼氏によるBGAも必見。
-零- / SOMON
今回のA-1の優勝曲。何処か哀愁を帯びた透き通ったメロディ、混フレが楽しい譜面、青を基調とした曲の雰囲気をさらに盛り上げるBGAと揃うべきものが揃った作品。こちらもBGAは自作とのこと。凄い…。
Ostinato Quartet for Pizzicato Strings / Lollipop
アイディアの勝利。この一言に尽きる作品。BGAをonにした状態での初見プレーを推奨します。

ここに紹介したもの以外にも凄い作品ばかりなので、未プレーの方はイベントページを訪れて気になったものからプレーしてみてはいかがでしょうか。
そして私のBMSもついでにやって頂けたら嬉しいです。


インプレで気になったこと
※ここに書くのはあくまで筆者の個人としての意見です。意見には個人差があります。
今回のA-1では様々な方にインプレを頂き、改めて自分のBMSに向き合う姿勢について考えるいい機会になりました。
ただ、正直「これはあまりにも…」と思った点があったため、ここに私の意見を書かせていただきます。読みたくない人はとばして結構です。

BMSのイベントにおいて、「インプレ」というのは重要な二本の柱の一本だと自分は思います(もう一本は言うまでもなく「作品」)。作者とプレイヤー間の交流があってこの界隈は成り立っている面が少なからずあり、その部分においてインプレは非常に重要な役割を果たしていると思っています。
そしてインプレは本来は「何を書いてもいい」はずです(語弊が生まれる可能性がありますが、後述の話を分かりやすくするためにあえてこの書き方をしています)。「厳しい意見を書いてはいけない」とか「全譜面をクリアできるようになるまで書いてはいけない」とか「音楽理論に詳しくなければ書けない」とかそんな規定は一切ありません。仮に初心者で☆1譜面しかプレーできないような腕であったとしても、プレーして曲が良くて楽しいと思ったならばそう書けばいいし、逆もまたしかりと思うわけです(まあ言うまでもなくより高い腕前があった方が譜面難易度の適・不適を見分けられますし、音楽理論やジャンルに詳しい方がそれに沿ったアドバイスや評価ができるので、あるに越したことはないのは事実ですが)。
以前Twitterで「厳しい意見を書いたら叩かれないか」と気にしていた方がいましたが、別に自分は問題ないと思います。甘い意見だけしか書かれなければ自分みたいな怠惰な人間はおそらく成長できないと思っています。
ただ、「厳しい意見を書く」ことと「誹謗中傷する、もしくは煽る」は全然違います。
↓以下かなりきつい表現や場合によっては発言者を特定できる情報を含むため反転↓
「音の迫力不足」と書けばいいところを「間抜けな音」、「とある作品を参考にされるといい」とだけ書けばいいところに「その方の方があなたよりあらゆる点で優っているので」と書くのはさすがにどうかと思いました。自分としても余計な敵を作りたくはないし、せっかく同じ界隈で活動できているのでできるならば多くの方と仲良くしたいと思っているのですが、さすがに今回の件はカチンときました。
サビのフレーズは俺がイケてると思ったから採用したんだよバッキャロー!
↑反転ここまで↑
取り乱しました。すみません。
また、これはあくまで自分の主観でしかないのですが、人は同じように批判された場合、批判単体で言われるよりも評価点を言った上で批判した方がやる気を出すのではないか、と思います。
この点がインプレが難しいと一部で言われてる理由なのかもしれませんが…。
まあ、何が言いたいかというとインプレで批判意見を言うことは悪いことではありませんが、その場合は少し文体を考えて書くと結果的にお互いにとって尚更良いのではないか?ということです。
別にここに書いてあることがすべてじゃありませんし、「なんだこいつキメェw」と思うならそれはそれで立派な意見だと思います。


長くなってしまいましたが、今回の内容としてはこんなところです。
改めて、A-1 9th、及び無名戦16参加者の皆様、お疲れさまでした。
私の作品にインプレをくださった皆様、心よりお礼申し上げます。
主催・運営をしてくださったqfeileadhさん、corok-Bbさん、ありがとうございました。
そして優勝者のお二方とも本当におめでとうございます。

さて、来年はどんな戦いが繰り広げられるのか───。

早いもので、もう平成最終日ですよ…。
まあ、平成が終わるから世界が終わるわけでもないので、特に気にする必要もないかもしれませんがね。
それは置いておいて。

先日(2019.04.08 - 04.28)、BMSイベント「無名戦対抗戦」が行われました。
私はsyuurokuさんと合作で「Access to neuron」という作品で参加していました。
今回はこの場を借りてその裏話とかを書き連ねていきたいと思います。

G2Rが終わり、DiscordのBMSイベントチャンネルを見ていると「無名戦対抗戦」の文字が目に入り、詳細を確認後、syuuroku氏にコンタクトを取ったのが昨年の12月末。
この時点で自分は「まあイベント4月だし4か月もあればものすごい神曲ができてるだろうから気長に頑張ろう」、と か な り 悠長に構えていました(実際は実力不足からくる謎の自信)。
そうしているうちにSubnauticaにハマってやり込んでいたら1月が終わり、2月になってBM9820ATというBMSのクラブイベントがあり、そこでsyuurokuさんとお会いして
syuurokuさん「…曲の進捗の方どうですか?」
TaW「…マアソレナリニガンバッテマスヨ(震え声)」
という感じになり、さすがにまずいと思ったのが2月の後半(遅すぎ)。
その後、約2~3日で曲の展開を絞り込み、2日間でラフを打ち込み、それをsyuurokuさんにシュゥゥゥーッ提出したのが3月半ば。今思うとsyuurokuさんに苦労しか掛けてない…。
そしてsyuurokuさんがアレンジしたものを所々微調整し、曲が完成したのはもう締め切りが目前に迫った4月3日。その上6日に自分担当部分の音切りミスが発覚し、最終的に登録できたのは本当に締め切りギリギリでした…。
楽曲タイトルに至っては、楽曲完成間際になっても決まらず、曲の雰囲気から個人マジカルバナナをやった結果勝手にこちらで決めてしまうという…。syuurokuさん本当にすみませんでした。

インプレではお褒めの言葉もかなり手厳しい意見も頂きました。今回はかなり突貫工事で作ったため、それをいかに誤魔化すかカバーできるかが個人的にカギでしたが、やはり中身がしっかりしていないといくら外側を盛っても粗は出るのだなぁと改めて実感しました。特にキックの強さ、曲の展開については明らかに課題の方が多かったため、次回作で確実に改善したいと思っています。

それ以外にテクノと音ゲーの関係性について少し考えさせられたのですが、それはまた別の機会に。

いずれにしても、無名戦対抗戦、皆さんお疲れさまでした。
自チーム他チームともに格好いい楽曲が多く、プレイヤーとしては曲を楽しめ、作者としては様々な方の意見をしっかり聞ける良イベントだったと思います。
主催のBluvelさん、お疲れ様でした。そしてこのような大会を開いてくださりありがとうございました。
そして優勝したSakamiyaさん、改めておめでとうございます。

令和もBMS楽しみましょう!

12月25日にG2R2018の結果が発表されましたね。話題にするのが遅すぎる
1位は削除さんのDestr0yer、2位はeicateveさんのR.I.P.、3位はlitmus*さんのFlashdanceでした。
どの作品も非常に高クオリティなので、未プレイの方はぜひやってみましょう!

そして拙作baryonは…

193位でした。
「イクサ」とも読める、攻撃性をテーマとした曲に相応しい数字ですね!

…そこ、微妙な順位とか言わない。

昨年が半分よりもかなり下の順位で、インプレ数もなかなか伸びず悔しい思いをしただけに、今年の結果は自分なりには大きな成長であるとひしひしと感じています。
と同時に、かなり手厳しいインプレも頂き、今後の課題がより顕著になったのも事実です。
そういったアドアイスからも逃げずに、より高みを目指して作品作りを続けていこうと思う所存です。

…まあ事実悔しさは残りました。「あと少し音圧が上がってたら」とか「もし低難易度差分も入れてたら」とか思うことはあります。でも、結果は結果ですし、この事実を受け入れた上で次があると思っています。

さて、単に反省会をするためにこの記事を書いたのではありません。
本記事では、baryonの書き切れなかった裏話や小ネタについて解説していきます。


①楽曲制作編
baryonの制作自体が始まったのは8月も後半に入ってからでした。
もともと、無名戦恒星楽曲企画+リアルの多忙さとテラリアで力を使い果たしかけていたため、今回のG2Rは見送ってプレーエンジョイ勢として見守ろうかなー、と考えていました。
しかし、ほかの無名戦勢が次々と参戦表明し、Twitterの話題もG2Rに関することが増え、自分の状況的に今年が一番安定した状況で参戦できると思えたため、割とぎりぎりで参戦を決定、楽曲制作を始めました。
「どんな曲で参戦しよう…」という悩みは不思議となく、どうせ出るのならあまり人がやらないことを、そして過去に自分が書こうとしたジャンルに再チャレンジしよう、と思い、ジャンルはテクノにし、シンプル路線で攻めることを制作初期の時点で決めていました。
そんな中、所属するチームが決まり、メンバーがそろったところでチームコンセプトも決まりました。
チーム名は「Avant=Garde」、チームテーマは「特徴的な曲」。
正直、シンプル路線で行こうと思っていた自分は悩みました。
「特徴的」というテーマに自分の作品は果たして適しているのか、と。
しかし、チーム名の「Avant Garde」という言葉について色々調べてみたところ、「もともと軍事用語」、「攻撃の先頭に立つ」、「挑戦的」というキーワードが浮かび上がってきました。
そして、それらからテクノはテクノでも、低音とビートが効いたハードテクノやシュランツのようなジャンルはこのテーマにも合っているし、自分が作りたいジャンルと合致する、何より後述するこの時自分の中で形成されつつあったもう1つのテーマにも合っていると思い、楽曲制作を進めていきました。
キックは3重に重ねて低音をEQで不快にならない程度に引き上げ、クラップもディストーションを効かせてリバーブをかけ、アシッドベース系の音も味を引き立てるために入れました。
後半の展開はメロディアスなリードフレーズを投入して流れを変えようかと思いましたが、いい感じのメロディーが入らず、そして曲の雰囲気を壊しかねないと思ったため、敢て変化は最小限にとどめ、寧ろキックのパターンを激しくすることで変化を出しました。
そして色々楽しみつつも苦闘すること一月、baryonのデモ版が完成しました。
しかし、まだ何か足りない、と思って参考にすべく某AC音ゲーにも入っているシュランツを聴いてみたところ、曲の途中に派手にエフェクトを鳴らしていることに気付き(気づくの遅すぎ)、それを参考にブレイク後のあたりにエフェクトをかけていきました。
楽曲の方はこうして完成しました。

②譜面編
楽曲以上の懸念事項でした。
BOFU2017では「繰り返しが多すぎて飽きる」、無名戦では「叩きたい音が叩けない」、「隣接がえぐ過ぎる」という意見をすでに頂いており、尚且つ当時の自分のBMSの腕前が☆1すらもクリアギリギリという体たらくだったため、どんな譜面が楽しいかいまいちピンとこなかったからです。
そこで、譜面作家さんに声をかけ、高難易度譜面はそちらに依頼し、自分はあくまで低難易度に集中する、という形で手を打ちました。
結果、譜面に関しては割と好評だったようです。
ただ、いつまでもこの方法で他力本願するわけにもいかないので、自身の実力もしっかり上げておこうと改めて思わされました。

③小ネタ
baryonにはN、Hに相当する譜面が存在せず、B1つA4つという極めて異質な構成でした。
これに関しては既にBMSの方のtextファイル、そして僕のTwitterで言及したとおり、「攻撃性」と所属陣営である「Underground」を表現する手法の1つとしてこのような形を取ったのですが、他にも理由があります。
自分が影響を受けた曲の1つに、jubeatという音ゲーに入っている「Megalara Garuda」という曲があります。この楽曲は初出時に様々な点で注目を浴びたのですが、その1つに
「全難易度が最高難易度に設定されている」(*現在は難易度細分化のため最高難易度ではなくなりました)
というのがありました。
一見どうやっても倒せそうにないボスの風格、そして絶望感、それに対して「やってやる」とプレイヤーに思わせたい、そんなメッセージをこの曲から感じ取り、当時は打倒に燃えていました。まあ無理だったけど。
また、Undergroundと言われて自分の中で思い浮かんだのが、DDRという音ゲーに楽曲を提供しているコンポーザーがボス系の曲で決まって自分の名義の後ろにundergroundとつけることでした。
その名義が使われている曲はどれも高難易度で、後に他ゲームにunderground名義で曲が書き下ろされたときもその多くが大ボスクラスの高難易度曲でした。
これらが自分の中で結びつき、「超攻撃的な曲に隙のない高難易度譜面を持った存在」を自分なりのAvant Garde、そしてUndergroundへの答えとしました。
また、G2R、GO BACK 2 YOUR ROOTSという大会そのもののコンセプトを表現する上でもこの要素は必要と思い、結果、A譜面が4つ入っており、尚且つすべて☆12という奇抜な作品が生まれました。

…結局、中間難易度が存在しなかったことが大きな減点要素になってしまったであろうことは皆さんご存知の通りですが。

また、G2R要素は曲中にかなり仕込んでおり、全部上げるとそこそこの量になります。
以下に答え合わせを載せるので、見たい方は反転↓
・ Absurd Gaff(ボス曲系シュランツを意識した)
・ Megalara Garuda (全難易度が最高難易度)
・ CODE : 1 (シンプルな高難易度曲意識、部分部分に入る24分キック)
・ Devilic Sphere(中盤のSEラッシュ)
・ Rebellion(細かなシンセリフフレーズがパターンを少しずつ変えながら続く)
・ Everybody's Rich (tawther譜面、中盤にSEがCNにアサイン)
・ DX超性能フルメタル少女 (tawther譜面、序盤の方に同時押し→縦連16分二連→同時…配置)
・ Nhelv (※Arcaea版、BGAで後半スクロール方向が逆転する部分)


自分が影響を受けた曲やゲームへのオマージュ、そしてそれらから受けた衝撃、及びそれらへの思い入れを自分の形でアウトプットしたつもりです。


かなりの長文になってしまいましたが、以上のような過程でbaryonは完成しました。
はっきり言ってプレーそのものに対しては何の影響も出ないような内容ですが、いろいろ気になっていた点の答えになっていれば幸いです。

来年のイベント情報はまだ明らかになっていませんが、来年、大規模BMSイベント後により成長できたとこのブログに書けたなら本望です。

いずれにせよ、
皆様G2Rお疲れさまでした!!そして楽しいBMSライフを!!

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