Technological audio Works. 情報局

BMS制作時の裏話とか載せるブログ。

 皆さまいかがお過ごしでしょうか?TaWでございます。
 M3-2025秋も無事(?)閉幕し、次の作品に向けての構想を練る今日この頃です。改めまして当日弊サークルのスペースを訪れてくださった皆さま、ありがとうございました。


 さて、M3の報告記事は別の場所で既にやってるから…というわけではありませんが、今回は全く別の話題です。
 以前私はUNLiMiTED STUDIO制作の音ゲー・『SENVEN's CODE』についての思い出を語る記事を書きましたが、その中において
・・・(前略)

 さて、セブンスコードは終焉を迎えてしまうわけですが、なんとこのゲーム、楽曲の権利が割と自由度の高い状態だったらしく、なんだかんだで他の音ゲーでも楽曲が遊べたりします。  例を挙げると、
・REDRAVE(CHUNITHM)
・サンカヨウ(Lanota)
・MAX 428(StepManiaX)  
 最後のは国内で遊べるのが筐体個人所有者を除くとWGCのみですが、楽曲を試聴して興味を持った方、環境があれば遊んでみるのはいかがでしょうか。

(後略)・・・
と多くの国内音ゲーマーは知らないであろうタイトルを1つしれっと紛れ込ませていました。

 本記事はそんな(日本国内では)マイナータイトルな音ゲー・StepManiaX(以下、SMX)について語り倒していこうと思います。





序. そもそもSMXって何よ?
 
…と大半の方が思っていると思うので、本題に入る前にこのゲームの背景知識を少々語っておきましょう。
 SMXはアメリカのStepRevolution社が開発しているダンスシミュレーション(?)ゲームで、画面スクロールで現れる矢印を楽曲のリズムに合わせ、適切なタイミングで踏む…という、所謂「踏みゲー」というジャンルに属するゲームです。
 このゲームを語るうえで避けて通れないのが、よく似たゲームであるDance Dance Revolution(以下DDR)の存在、そしてそれにまつわるとある騒動です。

※こんな記事書いておいてあれですが、本項は又聞き情報が大半のため誤りを含む可能性があります。話半分でお読みいただけると幸いです。
 今やBEMANI PRO LEAGUEの1種目として激戦が繰り広げられているダンスシミュレーション(?)ゲーム、DDR。
 しかし、AC版DDRは一度開発が中断され、新作が出なくなった時期があります(EXTREME~SuperNOVAの間の空白期間)。理由は言うまでもなく人気の低下。
 その頃、日本国内の人気の低下とは裏腹にアメリカではDDR人気が継続しており、新作が出なくなったことを嘆いた一部のファンはなんと「じゃあ俺たちでDDR作っちまおうぜ!!」DDR筐体をジャックした新作ゲームを稼働させてしまいました
 それがいろいろな意味で有名なIn The Groove(ITG)

 …当然こんなことをDDR開発元のKONAMIが見逃すはずもなく、裁判の末ITGの開発は終了。開発チームスタッフの一部はDDRのライバルゲーム・Pump It Up(以下PIU)の開発元であるアンダミロと協力してPIUの派生作品であるPIU Proシリーズを開発しました。
 そんなPIU Proも2013年のINFINITYでシリーズが一区切りとなり、PIU Pro開発者のKyle Ward氏がそれからいろいろあった後に2017年からプロデュースしている新作ゲーム、それがSMXです。
 早い話がITGの精神的後継作です(現にITGからの移植曲が多数入っています。例を挙げるとEnergizerとかDance Vibrationsとか)。ただし、DDR筐体を拝借していたITGとは異なり、SMXはDDRに似ているとはいえ完全オリジナルの筐体で稼働しているゲームです。

 …ここまで書くと「じゃあただのDDRのパクリゲーじゃね?」と早とちりする人が多数現れそうですが、ゲームや収録曲の方向性は独自の路線を築いていると言っても過言ではないと思います
 似たような歴史を辿っているEZ2AC然りで海外産のBEMANIライバルゲームは尖った進化を遂げがちな気がしますが、それは置いておいて。
 次項からはそのあたりを詳しく見ていきましょう。




破. SMXのここが凄い!
①踏みゲー初心者に優しい配置
 SMXのパァーノゥパネルの配置は⬅⬇◆⬆➡とDDRとPIUのあいのこのような配置(下図参照)をしており、一見するとDDRよりも複雑そうに見えます。
左から、DDR、PIU、SMXのパァーノゥパネル配置。

 しかし、なんとこのゲーム、一番簡単な難易度であるBEGINNER上下以外の横一列の3つのパネルしか使用せず、尚且つ配置も原則交互で取れるように設計されています
 おかげで踏みゲー初心者でもそこまで戸惑わずに譜面を取ることが可能です。 
 現にこれを書いている筆者が初めて触れた踏みゲーがSMXで、このパネル配置のおかげで「足で操作する」という踏みゲー最大の特徴であり初心者参入の最大の壁である部分に慣れることができたため、この点については地味に大きいと思っています。

 また、その1つ上にあたる難易度のEASYからいよいよ5パネル全部を使用することになりますが、少なくともHARD難易度まではそこまで複雑なリズムも登場せず、尚且つ配置も原則左右交互でそこまで強烈な捻りもなく自然に取ることができます。
 DDRやPIUは低難易度でも捻り連打ごり押しが必要な譜面がたびたびありますからね…。


②奥が深すぎる譜面たち
 ではこのゲームは初心者向けのヌルゲーなのか?
 まったくもってそんなことはありません。そもそもこのゲームの前身にあたる前述のITGやPIU INFINITYの高難易度譜面は当時の(下手したら今の)DDRではまず考えられないような個性的な配置(オブラートに包んだ言い方)だらけの魔窟と化しており、そんなゲームのDNAを継いだSMXの譜面が初心者に優しい譜面だけな筈はなく…。

 5パネルプレイの最高難易度にあたるWILD、DDRのDPにあたる難易度であるDUALFULLがそれで、順に解説していくと、
  • WILD
    基本的に順当な高難易度枠だが、
    ・地雷ノート(踏んだらグルーヴゲージが減る罠ノート)を次々と避けなければならない譜面がある
    ・BPM160台の24分を踏ませる配置がある
    文字押し譜面がある
    人間の足は2本しかないのに3点以上同時踏みを要求してくることがある
    ・次々襲い来る速度変化に耐えながら超高密度で複雑なステップを捌き切る必要がある
  • DUAL
    パネル配置が⬅◆➡⬅◆➡(要はBEGINNER2セット分)という前代未聞すぎる配置なうえ、高難易度帯はその状態で高密度譜面を降らせる。
    結果、スタイリッシュカニ歩きをプレイヤーに要求してくる
  • FULL
    DDRのDPと勝手は同じ…と思いきや、
    ・体重移動を意識して作っているらしい(U1氏談)DDRの最近のDPとは異なり、DDRの初期のDP(つまりかなり尖った配置)に影響を受けたと思しき配置が時折見られる
    左側⬆からの右側⬇、左右の◆同時踏みといったきつめの開脚配置を要求してくる譜面がある
    ・挙句の果てに人間の足だけではどうあがいても取れず、手も使うことまで想定した譜面まで実装されている
…と尖りに尖っており(特に稼働初期の譜面は顕著)、WILDやFULLの最上位譜面は下手したら現行DDRの足19にも匹敵するのではないか(現に最高難易度がつけられているMAX428のWILDはいまだに理論値達成者が出ていない)と思われるくらいの難易度になっています。

 また、これらの譜面以外にも
 ・出典元の文脈をそのまんま持ってきたBeethoven Virus[HARD]
 ・上記の譜面以上にプレイヤーを回らせるXUXA[HARD]
 ・FULL以上にやりたい放題やっているDisconnected Disco[TEAM]
などなど、探せば面白譜面が多数収録されています。そこ、TEAMは難易度自体ネタだろとか言わない。

 初心者に優しく、上級者や癖譜面好きにもうれしいゲーム、それがSMXです。


③譜面Edit機能がある
 DDRからは廃止されてしまった譜面Edit機能ですが、SMXは公式スマホアプリで譜面を作ることができます。
 そのため、「この曲好きだけど難易度が低すぎて物足りない…」とか「公式譜面の配置が解釈違いで萎える」とか「変な譜面を作って友達や家族を怖がらせたい」という場合でも「だったら自分で作ればいい」という解が公式から用意されているわけです。
 おまけに、スマホアプリ上でタッチ操作で手軽に作れるため、人がプレイしている後ろで譜面制作RTAをして次のクレジットで遊ぶ、なんて芸当もやろうと思えば可能です。ノーツはクオンタイズされているため、音ズレの心配もなし!

 そして言うまでもないですが作った譜面はほかのプレイヤーに公開することができます。現に全世界の面白譜面界隈民有志が制作した譜面が多数公開されています。
 いつもとはちょっと違う譜面を遊びたい…という場合はそういった譜面をセットして遊んでみるのもまた面白いです。


④収録曲の幅が広い
 音楽ゲームである以上気になるのが収録曲ですが、このゲーム、収録曲も独自路線を突っ走っています。
 大前提として、このゲームの開発者であるKyle Ward氏が大のDDRファンです。そんな彼がプロデュースしたゲームに入っている版権曲を見てみると…

・DAM DARIRAM - Joga
・HERO - Papaya
・BOOM BOOM DOLLARS - King Kong & D'Jungle Girls
・CARTOON HEROES(Speedy Mix) - Barbie Young
・THE 7 JUMP - Ken-D


なんかどこかで聞いたことのある曲がちらほらいますね。
 ほかにも90年代後期~'00年代初期の、DanceMania黄金期のEuro Dance系がこれでもかとばかりに入っています。
 ただ、これだけで終わっていないのがこのゲームの面白いところで、Monster CatのEDMが最近高頻度で収録されているほか、CelldwellerElectric Callboyといった大物の楽曲がしれっと入っていたり、激しいメタル系が入ったかと思えばK-Popが入り、Drum'n Bossaのようなここ以外の音ゲーじゃまず入らないだろというニッチな選曲までされており、気付けば所謂同人音楽的なノリの音ゲーコア以外の音楽ジャンルの大半は網羅しているのではないか?というレベルのカバー範囲の広い選曲がされていました。因みに音ゲーコア的なのはないですが、音ゲートランスはそこそこ入っています。Gargoyleとか。

 え?洋楽ばかりで馴染みがない?
 某DでおなじみのRunning in the 90sRemember Meに代表されるSUPER EUROBEAT収録曲や、最近はBEMANI各機種でもプレイ可能なUndertaleの楽曲・MEGALOVANIA(※各種音ゲーに入るよりもこちらのほうが先に入っていました)、Beethoven Virus(原曲:悲愴 第三楽章)やMozart Is Back(原曲:トルコ行進曲)、Winter(原曲:V冬 第一楽章)といったクラシックアレンジ、ハードコア系統を少しでもかじったことがある人ならば名前だけでも聞いたことがあるであろうScott BrownS3RLの楽曲も収録されています。
 日本人コンポーザーの曲も収録されていますね。M-ProjectさんやTatsunoshinさんの曲があります。
 そして…


⑤NAOKIの曲が入っている
 2013年にKONAMIを離れて以降多数の音ゲーの楽曲を提供し、同時にゲームプロデューサーとしても活躍している氏ですが、踏みゲーという媒体が少ないこともあり、DDR以外のダンスをモチーフとしたゲームに氏の楽曲が入ることは長らくありませんでした。

 そんなNAOKIの楽曲がSMXには30曲近く入っています。いやもっといるかも。NAOKIファンであればこの点はまず見逃せません。
 SEVEN's CODEの記事に書いた通り、件のゲームでは楽曲の権利が割とコンポーザー側で自由にしていい状態になっていたらしく、SMXにはSEVEN's CODE収録曲がアレンジされて入っています(多分SEVEN以外のNAOKI曲は全部いると思う)。
 中にはタイトルからして直球すぎるBU-44、あのシリーズの系譜を受け継いでいそうなMAX 428、エキゾチックでエスニックなオーラを感じるElectro Asia等DDRプレイヤーからしてみれば「なるほどね」となりそうな文脈の曲まであります。変な汗が出るのは自分だけだろうか?

 ちなみにNAOKIのベストアルバムが秋M3で満を持して頒布されましたが、その収録曲の多くはSMX初出曲です。SMX、及びKyle氏に向けてメッセージを送る、公式大会にゲストとして参加するなど、ご本人にとっても思い入れが大きい機種のようです。

 やはりと言うべきか、NAOKI曲は高難易度曲が多いため、SMXに初めて触る人はそこだけ要注意かも。




急. 推しは推せるうちに推そう
 ここまでSMXの好きなポイントを挙げていきましたが、本記事のタイトルを見て察せられるように、なんとこのゲーム、もうすぐ日本国内で遊べなくなってしまいます
 というのも、このゲームが設置されているゲームセンターは日本国内ではたった1か所、音ゲーマーにとってはもはやおなじみの場所である立川のWGCです。
 2021年ごろから稼働していたようなのですが、プレイヤー人口はあまり多くなく、ここ1年はそこそこの頻度で撤去の可能性が浮上し、そのたびに有志が寄付を行ってどうにか維持をしている…そんな状況が続いていました。
 そしてついに筐体の売却が決定し、来月(2025年11月)の初頭に撤去されることが確定しました。

 正直このゲームから踏みゲーに触れるようになり、下手とはいえDDRやPIUもプレイするようになった身としては非常につらく、また寂しいです。
 ただ、WGCもゲームセンター、つまり事業であり、ここ数年は投資と回収のバランスでかなり苦労をされていると店長のnoteからリアルタイムで状況を知っている以上、これは致し方ないことだと思います。
 筐体は稼働させるのに当然電気代がかかり、尚且つ踏みゲー筐体はデカいため、プレイヤーが少なくインカムが回収できない場合、その赤字幅は察するに余りあります。
 かつて日本各地にあったPIU筐体が今となってはほとんどなく、最近はBPL効果で人気があるとは言え、以前各地のゲーセンでDDRの撤去話がたびたび出ていたのもまあそういうことなんでしょうね。

 少々感傷的になってしまいましたが、一音ゲー好きとしてせめて好きなゲームが遊べなくなる前にそのゲームの魅力は伝えておきたい。そんな気持ちで今回本記事を執筆するに至りました。
 WGCでのSMXの稼働は2025年11月8日(土)まで。本記事でSMXに興味を持たれた方、もしいらっしゃったらそれまでにプレイしに行きましょう。DDRとはまた違った、尖ってこそいれども芯の通った面白さが伝わればこのゲームを楽しんでプレイしていた1ファン冥利に尽きます。

 最後に一言。ベタだけどこれだけは言わせてほしい。
 推しは推せるうちに推そうな。

自分のハマったゲーム(ACに限れば) クロビREV(サ終) グルコス(同上) リフレク(ゾンビ状態) 指(元気ない) ノス(同上) SMX(コンテンツとしては頑張ってるけどWGCから消えそう) 質問あります?

— TaW(Technological audio Works.) (@t-a-w.bsky.social) 2025年10月7日 17:58

 どうも、お世話になっておりますTaWでございます。BOFも評価期間が始まりましたね。

 さて、大型音系同人即売会「M3」の開催時期が近づいてまいりました。今回は10/26(日)の開催となります。
 そしてこんな記事を書いている時点でバレバレですが、春に引き続き今回もTaWはサークル側で参加します!!

 春の売れ行きが今一つだったので秋も参加することにした部分が大きいのですが、この度どうにか新譜も用意することができました。

 頒布物リストは以下の通り。


①【新譜】Lost Technopolis - EP
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↓【クロスフェードはこちら】↓



②【旧譜】Self


③【旧譜】TECHNO-LOGIC (DLカード版)



 スペースは第二展示場1階か-15aです当日はポスターも用意するのでたぶん遠目に見ても分かると思います。
 なんか音ゲースペースに配置されてるようですが、当方の音楽性って昨今のオトゲ・ミュージックとだいぶ毛色が違うので次回当たりサークルのジャンル変えとこうかな…(「BMS」で申請しました)



※  ※  ※


 ここから下は当日の注意事項等を書き連ねていきます。
  • 当日のスペースは第二展示場1階のか-15aです。流通センター入ってから右側の建物です。

  • 当日はスペースにTaWとヘルプのROyamaさんがいます。ただ、途中でTaWが個人用のCDの購入や知り合いの挨拶のために離席をすることがあります。
    離席時はX(旧Twitter)及びBlueSkyにて報告するため、「あいついねえな」と思ったらXかBlueskyをご覧ください。

  • 今回のお品書きはこちらになります。

    - Lost Technopolis (TaW新譜) ¥500
    - Self (TaW旧譜) ¥1,500
    - TECHNO-LOGIC (TaW旧譜) ¥1,000

    ※TECHNO-LOGICはDLカード版となります。


  • (重要)前回参加時の売れ行きと制作予算の都合上、新譜の生産枚数が今回は少なめです
    DLカード版も用意する予定ではございますが、確実な入手をご希望の場合はXの告知ポストへのリプライや当ブログのコメント欄にご記入いただければ、取り置きを承ります。

  • 開会直後の5千円札、1万円札でのお支払いにつきましては、申し訳ありませんがお断りさせていただく場合がございます。

  • 差し入れについてですが、できるだけ物を増やしたくないと思っているため、こちらも申し訳ありませんがお断りさせていただく場合がございます。
    (OKなものの例)小袋菓子等軽くてかさばらないもの。
    (NGなものの例)2Lペットボトル等重くて持ち運びにくいもの。基本液体類はNGと考えてください。


  • 混雑時のスペース前での長時間の雑談等はご遠慮ください。とは言え、話しかけていただけるだけでもTaWはめちゃくちゃ喜ぶのでお気軽にどうぞ。

  • 撤収は終了45~30分前辺り(14:45~)を予定しています。



 改めて、当日はよろしくお願い致します!

 どうもお久しぶりでございます。TaWです。
 前回の更新が春なので5ヶ月近く沈黙してたことになりますね。まあnoteの方はそこそこの頻度で更新してるので、単に自作品語りできるほどのネタがない(というよりもモチベが微妙な)だけなんですが。


 さて、今月(2025年9月)17日より、KONAMIの人気音楽ゲーム・beatmania IIDX(以下弐寺)の33作目「Sparkle Shower」が稼働開始しました。ポピュラーな版権曲の積極的な収録に舵を切ったRootage以降、そしてボカロVTuber楽曲といったサブカル発の楽曲を収録した前作PinkyCrushの流れを受け継ぎ、今作もトレンディー(死語 Dr.Hondaは無関係)な版権曲や昨今話題の音ゲーコンポーザーの曲、そして安定のBEMANIコンポーザー陣の楽曲が収録された意欲的なバージョンになっているようです。

 弐寺の新作が稼働、というわけで今年もこの記事を書く季節がやってきてしまいました
 前々作(EPOLIS)の時からなんとなく書いてきた段位の所感ですが、本ブログのアクセスログを確認したところ自作品の解説記事以上*1の閲覧数が確認できたので、もはや本ブログのメインコンテンツの一部と化しつつある可能性が濃厚です。メイン活動ほっぽって何やってんでしょうねこの人は。
 
 ※一応段位認定って何?って方のための解説※
 弐寺では7th Style(2002年稼働)以降、プレイヤーの腕前をチェックする「段位認定」というゲームモードが実装されている。特定の曲順で組まれた4曲(作品、プレイスタイルによっては3曲)のコースを専用のゲージオプションでプレイし、ゲージが残った状態で最後の曲を完走できれば受験した段位を獲得できる。自らの力試しができるほか、一定以上の段位を取得していると選曲制限が緩和される等のメリットがある。
 なお、段位は新作稼働時にリセットされるため、毎作取得しなおす必要がある。
そして取得難易度に関わるので段位の曲目も新作稼働時かなり注目され、その度にサファリが七段に居座っていて七段未取得者が落胆するのはお約束。

 (長いので3行で)
 決められた曲を3~4曲体力ゲージを残して完走すれば段位が取れるよ!
 取れれば嬉しいしいろいろメリットもあるよ!
 でもバージョンが変わるとリセットされるから頑張って取り直してね♪

 プレイヤー層的に一番受験する人が多いであろう七段・八段ではなく、初段~五段という人によっては初見で突破していってしまうであろう段位群の所感記事なので需要は相も変わらず謎ですが、ゲーセンの弐寺筐体の順番待ちの暇つぶしにでもお使いください。ほら、新作稼働直後って混むから…。


 ※本記事の前提となる筆者の腕前
  • 弐寺開始から7年目
  • プレースタイルは基本的にSPのみ、1P側
  • クリア上限レベル10弱(具体的な例を出すとエリシャ灰、クッキー灰辺りはノマゲクリア可)
  • 現行取得最高段位六段(Rootage:六級→二段、HEROIC VERSE〜CastHour:二段、RESIDENT:二段→四段、EPOLIS:四段→五段、Pinky Crush:五段→六段、Sparkle Shower:六段(2025/09/20現在))
  • 階段が苦手で長らく三段を取れなかった過去あり


 あ、あと当然ですが当記事は現行最新作(Sparkle Shower)のネタバレを含みますこんな記事読んでる人で気にする人はいなさそうですが、初見で挑みたいという方はご注意を。





①初段 
レベル帯: ☆6~7
 弐寺を始めてから少し日が経ち、HYPER譜面以上の難易度やレベル7くらいの所謂中難易度帯に手が出せそうなくらいの腕前の人が受けている印象のある段位です。
 「初段まで行ければあとは早い」と一部では言われているようですが、実際に基礎中の基礎力の総まとめ的な立ち位置のため、七級~一級に比べると体感難易度がグッと上がって躓く人がある程度いるとかいないとか。
 かつてはI Was The One(80's EUROBEAT STYLE) [HYPER]とかいう自称レベル6の超絶詐称曲がいたせいで突破に一苦労した挙句、二段のほうを先に突破してしまう人が一定数いると言われていた段位ではありますが、ここ数作はボス以外割とフレンドリーな譜面が選ばれており、初心者を優しく送り出すような立場に代わっている印象です。

 今作の曲目はこんな感じ。
IMG_3525

 ボスのHAPPY☆ANGEL[HYPER]以外全曲入れ替えとなりました。初段だけでなく、今作はかなり曲目の入れ替えがあった印象です。

  • 1st: 8bit Princess [HYPER]           譜面傾向: 階段、乱打
 20 tricoroの解禁イベント・Ω-ATTACKより。村井聖夜さん元気してるだろうか…。
 前作まで1stにいたEDEN[N]が高速であることを除けば前半はかなり素直な譜面だったのに対し、こちらは開幕から皿付き階段、多色16分トリルとかなり複雑かつ忙し目です。特に中盤には8分とは言え全体を横切る多色階段配置もあるため、初手の曲としてはかなり強めと言えそうです。
 反面、BPMは150と(音ゲー曲では)そこまで速くなく、リズムもその次に待ち受けるサヨナラ・ヘヴンほど複雑ではないことから地力への依存度が強く、ソフランや長トリルといった個人差の強い要素は少ないため、レベル7の楽曲に挑めるだけの地力が備わっていればおのずと突破は狙えると思います。特にラス殺しのあったEDENに対し、こちらは開幕と同様の8分階段のため事故は起きにくいです。
 この次の曲が結構癖強めなため、ここはゲージを多めに残して抜けたいところ。

  • 2nd: サヨナラ・ヘヴン [HYPER]         譜面傾向: 微ズレ、縦連、リズム難
 pop'n musicからの移植曲。家庭用HAPPY SKYを経由して17 SIRIUSにて弐寺入りしました。
 特筆すべきはその光らせにくさ。ところどころに同時押しに見えるけれども実際には微妙にタイミングがずれている、所謂微ズレ配置が散見され、レベル6と難易度は低いもののスコア難易度は下手な7や8よりも難しい譜面です。それを抜きにしても3点以上の多色同時16分縦連、1鍵に皿が絡む配置等意識しないとポロポロ取りこぼしかねない配置が多々あり、1stで生存できても2ndでパニックになってさらに削られる…という事態も起こりえます。
 幸い、段位認定ではスコア要素は求められないため、微ズレは同時押しとして処理すれば大幅に簡略化できます。後述する3rdがこの譜面に比べたらだいぶ素直なため、挑戦段階ならばとにかく「削られすぎない」ということを意識して取れる部分は取りましょう。
 …これ初段に入れるのはちょっと意地悪な気が…。

  • 3rd: BroGamer [NORMAL]            譜面傾向: 混フレ、皿、同時押し
 24 SINOBUZより。音ゲーベースミュージックのお手本とでもいうような格好いい曲調とBGAのキャラクター、そしてやりごたえのある譜面から人気の高い楽曲です。Tips: BGAのキャラクターの性別は男
 BPMが207と高めなため、これについていけるかどうかが勝負の分かれ目となりそうです。譜面自体は中盤に連皿地帯があるものの全体的にバランスが良く、無難にまとまっているためよほどの(それこそ2曲目で残り10%以下になった状態で連皿地帯で事故る、みたいな)ことがなければここで落ちる可能性は低いと思います。
 前任のIDOL syndrome.[H]やこの後の段位にも言えますが、昨今の段位認定3曲目はある程度回復させてくれるものが選ばれる傾向にある気がします。親切な時代になりましたね。

  • Final: HAPPY☆ANGEL [HYPER]         譜面傾向: 混フレ、皿、乱打
 12 HAPPY SKYより。通称ハピエン。ドSでおなじみjun氏の楽曲です。BISTROVER以降、それまで初段ボスに居座っていたを務めていたI Was The One(80's EUROBEAT STYLE)[H](通称ワーン)と入れ替わり、ボスを務め続けています。
 …ここまで私怨が溢れているところからわかる通りワーンが挑戦段階でかなり危険度が高い譜面だったのに対して、こちらは癖はところどころ強いもののBPM180の混フレに耐えきれる地力があればどうにか逃げ切れる可能性のある譜面のため、レベル7の速めの楽曲(それこそ3rdのBroGamerみたいな)で高速耐性をつけておけば初見でもある程度太刀打ちは可能だと思います。
 要注意ポイントはところどころ出現する16分3連スクラッチ。某かまぼこ工場長の曲のように立て続けに降り注ぐわけではないためクリア成否にはそこまで強烈に刺さりませんが、レベル7の曲としては地味に規格外気味で昨今の譜面ではまず見られない形のため、挑戦段階ではしっかり拾いきるのは結構難しいと思います。
 しばらくはこいつが初段の名物ボスとして君臨し続けるんでしょうね…。

 纏めると、前作と比較して全体的に難化しています。3rdのBroGamerが良心的なため、ここでゲージ回復を狙いましょう。



②二段
レベル帯: ☆7
 かつてはMonky Dance[H]→(フリー枠)→Zenius -I- vanisher[H]Abyss[H]というパターンがお決まりで、尚且つAbyss[H]に至っては七段ボスのTHE SAFARI[H]と並ぶ段位認定皆勤賞…だったのですがこれは過去の話。
 RESIDENTで前述の3曲が入れ替えになって以降はボスの役割がAriah[H]に移りました。
 今作の曲目はこちら。
IMG_3530

 前述のAriahがボスから引退、残りの曲目も総入れ替えとなりました。かつての固定選曲が嘘のように、RESIDENT以降の二段は入れ替わりが激しいです。

  • 1st: Vulnerability [NORMAL]           譜面傾向: 乱打、縦連、リズム難
 31 EPOLISより。最近オンゲキに楽曲提供を行い話題の真っただ中にいるコンポーザー・ZAQUVA氏の楽曲。前任のIris[H]に比べると譜面が尖った方向性となり、曲のジャンルゆえに全体的にリズムが取りづらく、含まれる要素からもより応用力にシフトしています。
 密度自体はそこまで高くはないですが、8分縦連からの同時押し16分皿4連等の削られやすいポイントはそこそこあるため要注意。とは言え、レベル7適正者であれば1stでいきなり閉店みたいな事態にはなりにくいと思います。

  • 2nd: Dazzlin' Darlin [HYPER]           譜面傾向: 混フレ、同時押し
 15 DJ TROOPERSより。Dai.氏のパワフルなダンスが印象的な曲。そこ、股間に手を当てて踊ってるとか言わない
 Rootageのbloomin' feeling[N]、CastHourのIDC[N]*2、前作のWHA[N]とNORMAL譜面枠となっていた二段2曲目ですが、今作はまさかのNORMALに挟まれるHYPER枠になりました。
 IDCやWHAが皿中心だったのに対して、こちらはAbyss[H]を思い出させるような同時押しラッシュが目を引く譜面。ただ、多色同時が降ってきたAbyssに対してこちらは同色同時が中心、尚且つ譜面に含まれる要素も少ないためかなり簡単に感じると思います。まあAbyssはボスだったし…。
 リズムも取りやすく、回復もあるため初見突破が容易と思われる反面、同時押しが続く譜面は癖がつくと譜面自体がまともに認識できなくなってそのまま閉店行きになるため、逆に言えば挑戦段階の人ほど初見で突破したほうがいい譜面でもあります。Abyssで苦戦する人が発生していた理由がまさにこれ。

  • 3rd: Elemental Creation [NORMAL]        譜面傾向: 縦連
 エレクリだーーー (チャーーラーラーrーtrwrgwウィmrgtzbダツツダツツダツツダツツダツダツデツツデツツ
 まさかの選曲でびっくりしました。
 まず212BPMという高BPMについていけるかどうかが最大のカギです。そしてコピペ化されてる「ダツツダツツ」の部分に終始入ってくる8分縦連。この手の譜面はBADハマりを起こすとそのままゴリゴリ削られていくため、リズムキープを意識して押すようにしましょう。
 全体難であったZenius -I- vanisherと比べると多少易化したようには感じるものの、油断ならない譜面だと思います。DDRみたいに減速地帯がなくてほんと良かった…。

  • Final: Damage Per Second [HYPER]         譜面傾向: 階段、CN
 23 copulaより。Maozonさんの弐寺デビュー曲でもあります。
 譜面としては強烈な癖がない割と素直な譜面で、階段中心ではあったものの覚えたらリズムが取りやすく人(というか筆者)によってはウィニングラン枠と化していたAriahに続くウィニングラン枠だと個人的には思っています。
 とは言え、後半は部分部分に16分を含む多色階段配置が登場するほか、最後に丸々1小節空白があった後にオブジェクトが降るひっかけが存在するため、後半で削られ「どうにか生き残ったぞ…あ(ガシャーン」なんてことになりそうなので最後まで油断はしないように。

 まさかの初段よりもNORMAL譜面の比率が多いという前代未聞の構成になっていますが、NORMAL譜面枠の2曲はいずれも結構やりごたえのある譜面なので油断禁物です。
 ただ、WHAのリストラにより皿枠が消滅し、これまでも16分3連でBADハマり事故を誘発していたMonky Dance、リズム難かつ応用力が問われるRelease The Music、軸での事故が怖いMelといった尖った譜面が何かしらいたこともあってか前作以上に穏やか寄りの段位になっている印象です。
 レベル7適正の人はおのずと受かるでしょう。たぶん。
 強いて言えば過去に段位にいたZenius -I- vanisherとAbyssは全体的にバランスが結構良い譜面であるため、この2つを練習して地力を上げておくのも手かもしれません。単にこの2曲に筆者の思い入れが強いだけなのかもしれませんが。



③三段
レベル帯: ☆7~8
 こちらもかつては固定の曲目が存在しましたが、ここ数作は頻繁に入れ替えが行われています。また、初段、二段はボスが据え置きであったものの、三段はボスも毎作入れ替わっているのが特徴です。故に作品ごとに全体を通しての難易度の変動幅が少々大きめと言えるでしょう。
 今作の曲目はこんな感じ。
IMG_3535

 4曲総入れ替えとなりました。なんか前作別の段位で見たやつがいますね…。

  • 1st: ANEMONE [HYPER]             譜面傾向: 総合
 29 CastHourより。最近はGITADORA GALAXY WAVE DELTAにも移植されたのが記憶に新しいですね。筆者もお気に入りの1曲です。
 曲調が王道のアニソン寄りのJ-Popだからか、譜面も様々な要素を入れつつ尖りすぎないよう調整された、まさに王道という感じの譜面になっています。傾向としては前作で二段1曲目を務めた同作者のIris[H]が近いですが、こちらのほうが物量が多い反面16分絡みが少ないため少し弱めに感じます。配置自体もきれいな配置で尚且つ押しやすく、次に待つ譜面も相まって優しくプレイヤーを送り出しているかのように感じました。
 …つまり次の譜面がちょっと癖強めなので原則ここでのゲージ減らしはNGと考えましょう。

  • 2nd: Lighting Shower [HYPER]          譜面傾向: 階段、配置難、局所難
 21 SPADAより。TAGさんお得意の高速ユーロトランスです。
 多色隣接の混ざる縦連皿絡み偏った16分多色階段、2回登場する大階段…ととにかく配置の癖が強く、レベル7としては密度はギリ適正範囲であるものの、レベル7挑戦~適正段階ではクリアできるかどうかが結構怪しいです。因みに筆者は初見でやったときボロボロにされました。
 前任のSeaside Labyrinth[H]も階段寄りの配置でしたがここまで癖は強くないため、間違いなく難化していると思います。というかここ2~3作の三段の中でも飛びぬけて危険度が高いと思う
 ANEMONEをゲージ100%で抜けて補正*3前提で耐久するか、地力を十分に上げて挑みましょう。正直慣れるか地力で上から殴る以外の攻略法が筆者には思いつきません…。

  • 3rd: DAZZLE ATTACK [HYPER]          譜面傾向: 総合
 31 EPOLISより。昨今のIIDXでも特に人気の高いアーティストの1人・Yuta Imai氏によるHappy Hardcoreです。
 ANEMONEと傾向は異なりますが、こちらも様々な要素がバランスよく含まれた基礎力の問われる譜面です。幸い、レベル8としては弱めなため、地力が追い付いていればよほどのことがなければ閉店送りにはなりにくいと思います。
 何より、直前が前述のLighting Showerであるため、ここでは寧ろリカバリーできればなおのこと良しです。前任のSPEED DEMON[H]に比べるとリカバリー要員としては弱い気がしますが…。
 三段3rdといえばかつては筆者が三段を抜けられない元凶がいたポジションなので、そう思うとなんか複雑ですね。

  • Final: HAT TRICK [HYPER]              譜面傾向: 同時押し、混フレ
 前作四段の3曲目が三段ボスになって帰ってきました
 圧巻の同時押しラッシュが印象的で、他にも16分階段絡みや皿絡みも含まれる譜面ですが、リズムが取りやすく、同時押しも同色中心で規則的な連打が多いことから癖も付きにくいため、割と見掛け倒しで攻略難易度はそこまで高くありません。現に前作四段ではボス前の回復枠でしたし。
 皿が1枚もなくこれといった難所もなかった前作の三段ボスより難易度は上がったものの、3曲目を突破できる地力があればこれも特段苦戦せずに突破できると思われます。

 纏めると、三段は完全に2曲目勝負。3・4曲目で減らさないことも込みで考えると、レベル8下位をある程度安定してノーマルクリアできるだけの地力は欲しいところです。ボスが相変わらず弱め寄りとは言え、致命的な難所がほぼなかった前作三段に比べると難易度は上がってますね…。



④四段
レベル帯: ☆8
 かつて名物ボス・R5[H]による難民*4を生み出していた段位。その後R5に代わってボスに就任したQQQ[H]により難民が生み出され続けるも、QQQがいなくなったEPOLISでは一転、大幅に弱体化(下手すると三段ボスよりも四段ボスのほうが弱かった可能性あり)、前作では多少難化したもののここ近年では癖が少なめで平和な段位という印象です。
 今作の曲目はこちら。
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 4曲総入れ替え。前作のボス以外はただの前座に過ぎないというかのような極端な構成から一転、地力寄りの骨のある構成になりました。

  • 1st: Rock It [HYPER]               譜面傾向: 縦連、皿
 23 copulaより。
 全体的に8分の微縦連が高頻度で登場するのが特徴的な譜面ですが、縦連はあまり成否には影響がなかったりします。別に押しにくくないですし。
 曲の中盤と後半に2回8分裏拍の皿が連発する地帯があり、そこが要注意ポイントです。2P側の場合手首皿で簡略化可能なためやや有利かも?
 それ以外には特に危険な地帯もなく、配置も8分が主体であるため多少削られる可能性はあるもののいきなり躓く可能性は低いと思います。2曲目以降が本番のため、できる限りゲージを温存した状態で次に行きたいところです。

  • 2nd: 儚キ戀ノ幻想譚 [NORMAL]            譜面傾向: 階段、混フレ
 30 RESIDENTより。当初はレベル7に設定されていたものの、高難易度すぎてEPOLISで8に昇格しました。レベル8のNORMALは嘆きの樹やX-DEN等の大ボスクラスにしかそうそうつくことはないため、これはかなり異例と言えます。
 四段に採用された史上初のNORMAL譜面。しかしNORMALと侮ってはいけません。普通に下手なHYPERに匹敵するレベルの難易度となっており、前提知識なしで「Nだし回復に充てるか…」とか考えていると返り討ちに遭うこと間違いなしです。
 特に気を付けたいのが前半と後半に登場する16分3連地帯。同色だけでなく多色絡みも入っており、特に21小節目の7→4→3がめちゃくちゃ押しにくいです。過去の段位曲だとMonky Dance[H](元二段)に似ていますが、それよりもBPMが速いためこの手の配置が苦手な人は要注意。
 また、雪月花のスクラッチを意識したかのような鼓の音に合わせたスクラッチも何か所か配置されており、初見だと取りこぼしやすいです。

  • 3rd: Blue Rain [HYPER]                譜面傾向: 階段、混フレ
 15 DJ TROOPERSより。
 この手のトランスにありがちな譜面の方向性の基礎になっているかのような譜面で、この手の譜面に慣れているかどうかで成否が変わってきます。特にリフがアサインされた16分3連が繰り返される地帯はBADハマりすると抜け出しにくいため、リズムキープを意識して落ち着いて押すようにしましょう。
 この配置への耐性が2つ上の段位のボスの難所の攻略難易度に影響します。
 また、Finalが得意・不得意分かれやすいため、ここではゲージを多めに確保しておきたいです。

  • Final: 牧神笛吹きて [HYPER]             譜面傾向: 階段
 21 SPADAより。wac氏の星座曲シリーズの1曲です。
 完全な階段特化型譜面で、8分以上の多色階段が終始降ってきます。幸い速度はそこまで速くはないものの、階段が苦手なプレイヤーは苦戦必至。リズムも取りにくく、おまけに中盤以降は皿複合まで登場するため最後まで気が抜けません。
 ただ、似た譜面傾向でより強いFIRE FIRE[H]等と比べるとまだ同色配置が多く、皿の枚数も少ないため案外足掻き続ければどうにかなる部類ではあります。最後まであきらめず、取れるところは取りましょう。

 R5やQQQほどではありませんが、ボスが結構尖っており、道中も明確な回復枠がないため事故が怖い段位です。前作と比べると確実に難化してますね…。



⑤五段
レベル帯: ☆8~9
 このあたりの難易度から個人差要素が割と強くなってくるため、段位の攻略難易度も多少差が出てきそうです。
 RESIDENTではレベル8最難関クラスの譜面・DISPARATE[H]が3曲目に登場、EPOLISではボスがレベル9でも上位に位置する東京神話[H]にされたりとここ数作何かしらの危険要素がチラつく段位ですが…。
 今作の曲目はこちら。
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 前半2曲が入れ替え、後半2曲は固定となりました。

  • 1st: Lawes's Parotia [HYPER]            譜面傾向: 階段、乱打
 29 CastHourより。ギタドラにも昨年移植されました。
 四段ボスほどではないものの階段の割合が多く、また物量自体もそこそこあるため開幕から気が抜けない譜面です。前任のSugarplum[H]とは譜面傾向がまるで違うため単純な比較はできませんが、個人的には難化したように感じました。
 幸いBPMは140とやや遅めなため、速度に振り回されて手が追い付かないといったことにはなりにくく、尚且つ乱打の割合も多めなことから、階段が苦手であってもそれ以外の部分で挽回するチャンスはあると思います。階段への耐性をある程度つけておくのに越したことはありませんが。

  • 2nd: PIT A PAT [HYPER]                譜面傾向: 混フレ、皿
 前作のデフォルト曲。「令和のCANDY RAVE」として話題になりましたね。Rub-a Dub-aェ…
 皿絡みが取りこぼしやすいものの、全体的な難易度としては8中位程度です。混フレによる同時押しが多いためか、物量はやや多めです。譜面傾向としては前任のCUE CUE RESCUE[H]に近いです。
 混フレの同時でそこそこ回復が可能であるため、取りこぼしが発生しても致命傷にはつながりにくい印象。1曲目で削られすぎた人はここで回復を狙ってみましょう。
  余談ですが筆者はこの曲が好きです。

  • 3rd: Nocturnal 2097 [HYPER]             譜面傾向: CN、乱打
 前々作から続投。入れ替えが多い今作段位の中で貴重な据え置き枠になりました。
 レベル9としてはかなり弱く、尚且つ押しやすい譜面のためレベル9入門にぴったりだと筆者は思います。
 ボスに備え、ゲージの維持を念頭に置いてプレイしましょう。とは言え、2ndが回復できる譜面のため、危険曲に挟まれていた初登場時に比べると「貴重なゲージ回復枠」というイメージは薄らいだ気がします。

  • Final: Dr. Chemical & Killing Machine [HYPER]    譜面傾向: 乱打、階段
 前作から続投。また、東京神話の前任ボスでもあったため、五段ボスとして登場したのはCastHourからとなります。
 細かな音に合わせた乱打、および階段が中心の譜面です。階段の得意・不得意で成否が割れそうですが、実は牧神笛吹きて[H]と比較すると多色隣接階段の割合が少なく、道中も同時や混フレである程度稼げる上に今作五段は1曲目が階段成分多めで相対的に難易度が少し下がっているようすら感じます。
 牧神笛吹きてやLawes's Parotiaが安定して攻略できるなら、そこまで苦戦せずに完走できるかもしれません。仮に階段地帯で補正入りしても、前後の乱打で回復できるなら完走は狙えると思います。
 因みに筆者は前作で補正入りしましたが、今作では地力が上がっていたのか補正入りはおろか5割切りすらせずに完走しました。乱打で回復できると楽しい。

 前作に引き続き強烈な危険要素が控えめとなり、地力で挑めるタイプの譜面が中心になっているため今作も五段は取得しやすいと思われます。事故りやすくなった四段とは対照的な結果になりました。







 取り敢えず今回本記事執筆にあたって初段~五段(あと前作からの段位維持のため六段も)を受験してみたのですが、RESIDENT以来の大幅入れ替えが発生していて驚くとともに、RESIDENT以降の「なるべく低~中段位は癖の強い譜面を減らして地力が上がればそれで殴れるタイプの譜面で揃える」という傾向が破られ、それ以前の多少癖のある譜面が段位入りしてプレイヤーに牙をむいていた頃のエッセンスが少し戻ってきたような気がしました。やっぱり「印象に残らない」みたいな意見が寄せられたりしたのかな…?
 他方、今回受験した段位には1枠も所謂皿枠(DJ Mass氏の楽曲に代表される、スクラッチ特化型譜面がほぼ必ずと言っていいほど採用されていました)がなかったのも驚きでしたね。八段ボスは思いっきり皿特化らしいですけど…。

 そしてさすがに初段に関しては自称適正者を名乗るには地力が上がりすぎた気がするため、今作限りで段位所感記事での初段への言及は終わりにしようと思います。EX段位帰ってきてくれ~。

 また新たな時代の変わり目を感じたSparkle Showerの段位でした。
 ???「そんなに恐いか?新時代が※新時代は前作で削除されました



 ところでもうすぐBOF21ですね。次回の更新ではおそらくそれの作品語りをすることになるんじゃないかなと思います。
 あ、でもM3秋も出店するからそれの告知が先かな?












*1 ぶっちゃけると本ブログのPV数1~3位は段位所感ギタドラアリーナモデルのロケテ記事だったりする。
*2 CastHourの前のバージョンにあたるBISTROVERではなんと三段の2曲目にいた。なんで降格してきたの…?
*3 段位ゲージは残りが30%を切ると減少の幅が緩くなる。これを利用したテクニックが低空飛行。
*4 特定の段位の特定の曲(たいていはボス)をどうしても突破できなくなってしまった人たちのこと。以前は段位ボスがほぼ固定化されていた影響で初段以降の段位に一定数存在するとされていたが、近年では七段のTHE SAFARI[H]と皆伝の冥[A]を除くほぼ全段位のボスが短スパンで入れ替わる傾向にあるため徐々にこの概念は消えつつある。というか最近ではほぼ七段でしか使われてない気がする

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