Technological audio Works. 情報局

BMS制作時の裏話とか載せるブログ。

2018年12月

12月25日にG2R2018の結果が発表されましたね。話題にするのが遅すぎる
1位は削除さんのDestr0yer、2位はeicateveさんのR.I.P.、3位はlitmus*さんのFlashdanceでした。
どの作品も非常に高クオリティなので、未プレイの方はぜひやってみましょう!

そして拙作baryonは…

193位でした。
「イクサ」とも読める、攻撃性をテーマとした曲に相応しい数字ですね!

…そこ、微妙な順位とか言わない。

昨年が半分よりもかなり下の順位で、インプレ数もなかなか伸びず悔しい思いをしただけに、今年の結果は自分なりには大きな成長であるとひしひしと感じています。
と同時に、かなり手厳しいインプレも頂き、今後の課題がより顕著になったのも事実です。
そういったアドアイスからも逃げずに、より高みを目指して作品作りを続けていこうと思う所存です。

…まあ事実悔しさは残りました。「あと少し音圧が上がってたら」とか「もし低難易度差分も入れてたら」とか思うことはあります。でも、結果は結果ですし、この事実を受け入れた上で次があると思っています。

さて、単に反省会をするためにこの記事を書いたのではありません。
本記事では、baryonの書き切れなかった裏話や小ネタについて解説していきます。


①楽曲制作編
baryonの制作自体が始まったのは8月も後半に入ってからでした。
もともと、無名戦恒星楽曲企画+リアルの多忙さとテラリアで力を使い果たしかけていたため、今回のG2Rは見送ってプレーエンジョイ勢として見守ろうかなー、と考えていました。
しかし、ほかの無名戦勢が次々と参戦表明し、Twitterの話題もG2Rに関することが増え、自分の状況的に今年が一番安定した状況で参戦できると思えたため、割とぎりぎりで参戦を決定、楽曲制作を始めました。
「どんな曲で参戦しよう…」という悩みは不思議となく、どうせ出るのならあまり人がやらないことを、そして過去に自分が書こうとしたジャンルに再チャレンジしよう、と思い、ジャンルはテクノにし、シンプル路線で攻めることを制作初期の時点で決めていました。
そんな中、所属するチームが決まり、メンバーがそろったところでチームコンセプトも決まりました。
チーム名は「Avant=Garde」、チームテーマは「特徴的な曲」。
正直、シンプル路線で行こうと思っていた自分は悩みました。
「特徴的」というテーマに自分の作品は果たして適しているのか、と。
しかし、チーム名の「Avant Garde」という言葉について色々調べてみたところ、「もともと軍事用語」、「攻撃の先頭に立つ」、「挑戦的」というキーワードが浮かび上がってきました。
そして、それらからテクノはテクノでも、低音とビートが効いたハードテクノやシュランツのようなジャンルはこのテーマにも合っているし、自分が作りたいジャンルと合致する、何より後述するこの時自分の中で形成されつつあったもう1つのテーマにも合っていると思い、楽曲制作を進めていきました。
キックは3重に重ねて低音をEQで不快にならない程度に引き上げ、クラップもディストーションを効かせてリバーブをかけ、アシッドベース系の音も味を引き立てるために入れました。
後半の展開はメロディアスなリードフレーズを投入して流れを変えようかと思いましたが、いい感じのメロディーが入らず、そして曲の雰囲気を壊しかねないと思ったため、敢て変化は最小限にとどめ、寧ろキックのパターンを激しくすることで変化を出しました。
そして色々楽しみつつも苦闘すること一月、baryonのデモ版が完成しました。
しかし、まだ何か足りない、と思って参考にすべく某AC音ゲーにも入っているシュランツを聴いてみたところ、曲の途中に派手にエフェクトを鳴らしていることに気付き(気づくの遅すぎ)、それを参考にブレイク後のあたりにエフェクトをかけていきました。
楽曲の方はこうして完成しました。

②譜面編
楽曲以上の懸念事項でした。
BOFU2017では「繰り返しが多すぎて飽きる」、無名戦では「叩きたい音が叩けない」、「隣接がえぐ過ぎる」という意見をすでに頂いており、尚且つ当時の自分のBMSの腕前が☆1すらもクリアギリギリという体たらくだったため、どんな譜面が楽しいかいまいちピンとこなかったからです。
そこで、譜面作家さんに声をかけ、高難易度譜面はそちらに依頼し、自分はあくまで低難易度に集中する、という形で手を打ちました。
結果、譜面に関しては割と好評だったようです。
ただ、いつまでもこの方法で他力本願するわけにもいかないので、自身の実力もしっかり上げておこうと改めて思わされました。

③小ネタ
baryonにはN、Hに相当する譜面が存在せず、B1つA4つという極めて異質な構成でした。
これに関しては既にBMSの方のtextファイル、そして僕のTwitterで言及したとおり、「攻撃性」と所属陣営である「Underground」を表現する手法の1つとしてこのような形を取ったのですが、他にも理由があります。
自分が影響を受けた曲の1つに、jubeatという音ゲーに入っている「Megalara Garuda」という曲があります。この楽曲は初出時に様々な点で注目を浴びたのですが、その1つに
「全難易度が最高難易度に設定されている」(*現在は難易度細分化のため最高難易度ではなくなりました)
というのがありました。
一見どうやっても倒せそうにないボスの風格、そして絶望感、それに対して「やってやる」とプレイヤーに思わせたい、そんなメッセージをこの曲から感じ取り、当時は打倒に燃えていました。まあ無理だったけど。
また、Undergroundと言われて自分の中で思い浮かんだのが、DDRという音ゲーに楽曲を提供しているコンポーザーがボス系の曲で決まって自分の名義の後ろにundergroundとつけることでした。
その名義が使われている曲はどれも高難易度で、後に他ゲームにunderground名義で曲が書き下ろされたときもその多くが大ボスクラスの高難易度曲でした。
これらが自分の中で結びつき、「超攻撃的な曲に隙のない高難易度譜面を持った存在」を自分なりのAvant Garde、そしてUndergroundへの答えとしました。
また、G2R、GO BACK 2 YOUR ROOTSという大会そのもののコンセプトを表現する上でもこの要素は必要と思い、結果、A譜面が4つ入っており、尚且つすべて☆12という奇抜な作品が生まれました。

…結局、中間難易度が存在しなかったことが大きな減点要素になってしまったであろうことは皆さんご存知の通りですが。

また、G2R要素は曲中にかなり仕込んでおり、全部上げるとそこそこの量になります。
以下に答え合わせを載せるので、見たい方は反転↓
・ Absurd Gaff(ボス曲系シュランツを意識した)
・ Megalara Garuda (全難易度が最高難易度)
・ CODE : 1 (シンプルな高難易度曲意識、部分部分に入る24分キック)
・ Devilic Sphere(中盤のSEラッシュ)
・ Rebellion(細かなシンセリフフレーズがパターンを少しずつ変えながら続く)
・ Everybody's Rich (tawther譜面、中盤にSEがCNにアサイン)
・ DX超性能フルメタル少女 (tawther譜面、序盤の方に同時押し→縦連16分二連→同時…配置)
・ Nhelv (※Arcaea版、BGAで後半スクロール方向が逆転する部分)


自分が影響を受けた曲やゲームへのオマージュ、そしてそれらから受けた衝撃、及びそれらへの思い入れを自分の形でアウトプットしたつもりです。


かなりの長文になってしまいましたが、以上のような過程でbaryonは完成しました。
はっきり言ってプレーそのものに対しては何の影響も出ないような内容ですが、いろいろ気になっていた点の答えになっていれば幸いです。

来年のイベント情報はまだ明らかになっていませんが、来年、大規模BMSイベント後により成長できたとこのブログに書けたなら本望です。

いずれにせよ、
皆様G2Rお疲れさまでした!!そして楽しいBMSライフを!!

どうも、TaWです。初めましての方は初めまして。

<自己紹介>
趣味でDTMをやっている者です。
普段はsoundcloudやYouTubeに自作曲を投稿したり、BMSという音楽ゲームに曲を書いたり、Twitterで言いたい放題言ったり性癖を爆発させかけたりして活動しています。

BMSに関することを書いておく場所が欲しいなー、と思っていたところで、活動内容とかをまとめる場所も兼ねてこの度ブログ開設に至りました。
よろしくお願いします。

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